年月の記事

『ブレイク・ビーターズ』-冷戦時代末期、東ドイツの若者たちはブレイクダンスに自由と希望を見た

1980年代末、東欧諸国の社会主義体制が次々と終わりを告げ、40年以上続いた東西冷戦は終結する。東西ドイツを隔てていたベルリンの壁の崩壊は、その象徴ともいえる出来事だった。その数年前、東ドイツに流入してブームを巻き起こしたのは、アメリカ発のブレイクダンスだ。本作の主役は、ブレイクダンスに魅せられたダンスチームの若者たち。チームは政府の監視・統制下に置かれるが、彼らはそうした状況に疑問を持つようになる。自由と希望を追い求める彼らの姿は、自分の好きなことに妥協しないことの素晴らしさを教えてくれるだろう。6月25日(土)、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー。

『ミスターダイナマイト:ファンクの帝王ジェームス・ブラウン』〜 音楽を愛するすべての人へ…JBドキュメントの決定版!〜

これぞJB! ファンクの帝王、ジェームス・ブラウンのドキュメンタリー映画、決定版。ミック・ジャガーが愛とリスペクトを込めてプロデュース。JBの知られざる素顔や全盛期のライブシーンなど、貴重な未公開映像満載。さらに関係者によるステージウラ話などのインタビューもあって、たっぷり楽しめる。
2016年6月18日より、角川シネマ新宿、渋谷アップリンク、吉祥寺オデヲンほか全国順次ロードショー
©2014 Mr. Dynamite L.L.C.

ディストラクション・ベイビーズ―柳楽優弥がまとう獣性。真利子哲也監督の描く暴力というエネルギー

身寄りのない将太(村上虹郎)と泰良(柳楽優弥)の兄弟は愛媛の港町で暮らしていた。喧嘩ばかりしている兄、泰良は近隣の少年たちから集団リンチをうけ、生まれた町から姿を消す。消えた泰良は松山で、強そうなやつを見かけては、執拗に喧嘩をしかけていた。圧倒的な強さを見せつけていた泰良をみて、高校生、北原裕也(菅田将暉)は二人で組んで暴れまわろうと持ち掛ける。大通りで無差別に人を殴り、騒ぎを起こした二人は大きな喧嘩を求めて、キャバクラの送迎車を奪う。偶然居合わせたキャバ嬢、那奈(小松菜奈)乗せ、暴力を求める旅が加速していく。柳楽優弥君の獣性を秘めた表情と体中を駆け巡る暴力に息をのむ一本。インディーズ映画界の巨匠、真利子哲也監督のメジャーデビュー作。