第25回東京学生映画祭授賞式レポート-グランプリは多摩美術大学 中村祐太郎監督「ぽんぽん」に

  • 2013年06月05日更新

中村義洋監督、青山真治監督など多くの映画人を輩出してきた、学生映画の登竜門、第25回東京学生映画祭が5月24~26日 に開催された。今回はゲスト審査員に瀧本智行監督、松江哲明監督、君塚良一監督を迎え、140作品以上の作品のなかから厳正なる審査、観客投票を経て、各賞を決定。受賞者の喜びの声をレポートします。


<東京学生映画祭授賞式レポート>

各賞は以下の通り。

グランプリ:『ぽんぽん』多摩美術大学 中村祐太郎監督
準グランプリ:『circle』 早稲田大学 川和田恵真監督
観客賞:『友達がいない』慶應義塾大学 三原慧悟監督
役者賞:『circle』より三瓶美菜さん

 

観客賞:「友達がいない」三原慧悟監督
講評(松江哲明監督)
良かったと思います。観客賞の作品はとても(観客に)届くというので、受賞をきっかけにもっとたくさんの人に見せて、色々なことを言われてください。今まで10本作られていると聞きましたが、その経験、糧が今回届いたのだと思います。おめでとうございます。


監督インタビュー(三原慧悟監督)
思ったより笑いも暖かくきていたので、お客さんに楽しんでいただいたのが実感できました。お客さんのために作っているのでそういった意味では一番いい賞をもらったと思っていますが、ちょっと悔しいです。次回作は「友達がいない」の100倍の人で作りました。「バクレツ!みはら帝国の逆襲-世界解放宣言-」という作品が6月に上映されます(6月23日 アプリコ小ホールにて上映。詳しくは公式サイトをご覧ください)。それ以降も劇場にかけていけるようにがんばっています。


準グランプリ:「circle」 川和田恵真監督
講評(瀧本智行監督)
人間が撮れる、確かな実力を持った監督だと思います。次の作品を観てみたいと素直に思いました。期待しています。がんばってください。
監督インタビュー(川和田恵真監督)
もともと映画サークル(に所属しているわけ)でもないので、そう思うと、夢のような賞を頂いたと思います。一発かましてやろうみたいな気持ちで作ったのでそれを「ぽんぽん」にもっていかれたような気持ちはあって悔しさいっぱいではあります。次回作は正直、まだなにも考えていないのですが、今回人間を撮ることで評価を頂いたので、人間に焦点をあててやっていきたいと思います。


グランプリ:「ぽんぽん」中村祐太郎監督
講評(君塚良一監督)
監督とトークをしたら作品の印象が変わったのですが、それでもすばらしい作品です。映画と言うのは作り手が心をこめて、送り出して、人の心に届く。僕の心に届いたという事はきっと監督、スタッフ、キャストが心をこめて作ったのでしょう。本当に尊敬すべき作品であると思います。おめでとうございました。

監督インタビュー(中村祐太郎監督)
よき出会いがありました。僕もそうだし、脚本の木村暉も、主演の小川さんもなにくそで突き抜けて撮影して作ったので、僕たち三人は根性があると思います。色々な人のめぐりあいがあって、色々な人から言われて、あの作品も運があったから(グランプリが)取れました。みんなを信用したというのも大きいと思います。次回作は脚本が第一稿の段階ですが、また小川さんが出て、僕たちの次のステップを刻めるような映画にしていきたいと考えています。また突き抜けたらいいですね。(写真は脚本の木村暉さん、中村祐太郎監督、主演の小川貴史さん)

(取材・撮影:白玉)

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