« 『鳥を見て!』―画像で楽しむ初日舞台挨拶+佐々木友紀監督×広澤草さん×片山享さんトークショー
『先生を流産させる会』— 思春期の少女たちが投げかける “いのち” の問いが、大人の良識を鋭利に切り裂く。衝撃の問題作がいよいよ劇場公開! »
「代官山の宵をチャップリンと共に 第3夜」―食事、お酒、そして、「ライヴ上映」のサイレント映画+片岡一郎氏と音和座のドイツ公演報告
- 2012年05月14日更新
弁士による映画説明と、室内楽の演奏 ― 「ライヴ上映」で観るチャップリンのサイレント映画。
戦時下の国防運動が窺える貴重なアニメーション『スパイ撃滅』、併せて上映。
お愉しみは、チャップリンとライヴだけにとどまらない。1943年に制作された『スパイ撃滅』というアニメーション作品が併映されるのだ。山本早苗氏が作画を担当した本作は、防諜協会が作品制作指導にあたったもの。第二次世界大戦時下の国防運動のありかたが窺える貴重な1篇である。観られる機会はなかなかないと思われる作品なので、併せてご期待いただきたい。
●片岡一郎氏 プロフィール 昭和52年11月生まれ。東京都出身。日本大学芸術学部演劇学科卒業。平成14年2月、活動弁士・澤登翠氏に入門。同年同月、門下生としてデビュー。平成14年8月、福岡詩二氏門下でヴァイオリン演歌師としてもデビューし、幅広く活躍している。 ●公式ブログ:閑話休題 |
▼「代官山の宵をチャップリンと共に 第3夜」開催情報
日時:2012年5月17日(木) 19:00開場 20:00開演
会場:風土カフェ&バー「山羊に、聞く?」
料金:3,000円(軽食1プレート&1ドリンク付)
上映作品:『チャップリンの冒険』,『チャップリンの勇敢』,『チャップリンの番頭』,『スパイ撃滅』(DVD上映)
出演:片岡一郎(映画説明),アンサンブル・バラダン:市川仁志(オーボエ),上屋安由美(ピアノ),益子侑(ヴァイオリン),田中まさよし(パーカッション)
●予約方法等、詳細は、風土カフェ&バー「山羊に、聞く?」の公式インフォメーションをご参照ください。
弁士・片岡一郎氏と和楽器バンド・音和座、ドイツで公演。
2012年5月2日よりドイツのフランクフルトにて開催された「第12回 ニッポンコネクション」とボン大学にて、活動写真弁士の片岡一郎氏と和楽器バンドの音和座が、無声映画上映と音楽ライヴをおこなった。国際交流基金の助成によって実現した公演である。
左の写真は、フランクフルトでの片岡氏と音和座のみなさま。 |
●ドイツ公演の主な日程
5月2日 ニッポンコネクションのオープニング・パーティーにて音和座の演奏を披露。
5月5日 ニッポンコネクション”BENSHI BRILLIANCE!”にて、本年創立百周年を迎えた日活の無声映画を代表する作品『御誂治郎吉格子』を、弁士・片岡一郎氏、音楽・音和座にて上映(併映作品『血煙高田馬場』)。
5月6日 ニッポンコネクション”KONZERT MIT OTOWAZA”にて、音和座の単独ライヴ。
同日 ニッポンコネクションのクロージング・レセプションにて、音和座のミニ・ライヴ。
5月7日 ボン大学・日本韓国領域の学生を対象に、活弁ワークショップ。
5月8日 ボン大学・大講堂にて、『御誂治郎吉格子』を、弁士・片岡一郎氏、音楽・音和座にて上映(併映作品『血煙高田馬場』)。
ボン大学での公演にて。 |
今回おこなわれたいずれの公演にも多くのお客さまがご来場になり、日本文化に対するドイツのみなさまの関心の高さが感じられる結果となった。また、無声映画の上映や音和座のライヴは、単なる回帰的なイベントではなく、パフォーマーが過去から現在に至る蓄積を充分に理解した上での、「未来へつながる可能性を持った公演」として高く評価されたということも、特筆すべき点である。
和楽器バンドの音和座は、三味線・箏・琵琶・尺八・鳴物という、日本古来の楽器からなる楽団だが、従来の邦楽界において、まったく異例の編成である。メンバーは、宮澤やすみ氏(三味線)、熊本文氏(箏)、藤高理恵子氏(琵琶)、熊本圭吾氏(尺八)、松田光輝氏(鳴物)の5名。日本の古典楽曲だけでなく、クラフトワーク、ジンギスカン、アニメソング、懐メロ、新作映画の主題曲提供等、幅広く演奏・活動している点が、音和座の個性的かつ魅力的なところだ。弁士の片岡一郎氏と音和座は、2011年の第24回 東京国際映画祭での「TIFF night 活弁ライブ」等でも共演している。
※片岡一郎氏の公式ブログや、音和座の公式ページにて、今回のドイツ公演の模様や今後のご活動の予定等を拝見できます。併せてご参照ください。
▼過去の関連記事
●「巨匠たちのサイレント映画時代2~清水宏の女性映画」―黄金週間は神保町で「ライヴ上映」を愉しみ尽くす。
●「代官山の宵をチャップリンと共に 第2夜」―粋な空間で美味しい食事を味わいながら、サイレント映画を「ライヴ」で愉しむ。
編集・文:香ん乃(本記事は、片岡一郎氏からご提供いただいた文章をもとに構成致しました)
- 2012年05月14日更新
トラックバックURL:https://mini-theater.com/2012/05/14/daikan3/trackback/