『苦い蜜 ~消えたレコード~』初日舞台挨拶で、亀田幸則監督の思惑が明らかに!

  • 2010年04月13日更新

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ビートルズのレアなレコードを盗んだ者がいた? ― 密室を舞台に展開される推理劇『苦い蜜 ~消えたレコード~』が、2010年4月10日に公開初日を迎え、ヒューマントラストシネマ有楽町(東京)に、亀田幸則監督とキャストのみなさまが駆けつけました!

↑の写真、左から、亀田監督、田中健さん、金子昇さん、高橋ひとみさん、森本タローさん、住吉晃典さんです。

大歓声と拍手に包まれて登場したキャストのみなさまは、「ワンカットの長まわしの撮影で大変だった!」と、撮影当時を振り返ります。しかし、そこには亀田監督の意外な思惑があって……?

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金子昇さん 高橋ひとみさん
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金子さんの足元は、ホワイトとブラックのコンビの紐革靴。ぴかぴかに磨かれた、この輝き! 清潔感が薫ってきます。

高橋さんの足元は、素足に履いてこそ映える、キャメルのサンダル。ぜひ、画像をクリックして大きなサイズでご覧ください! デザイン性と履き心地の両面に特化した工夫がなされている1足ですよ。

さて、森本さんが「本作は(物語が)難しすぎて、僕にはさっぱりわかりません」と言うと、すかさず田中さんが「難しくないよ!」とつっこんだり、田中さんが「僕は昔、アイドルだったんですよ」と繰り返し言うと、これまたすかさず金子さんが「なんで2回も言うんですか!」と笑顔で指摘したり、キャストのみなさまの仲のよさがほほ笑ましい、和やかな舞台挨拶が始まりました。

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― 本作がいよいよ公開初日を迎えました。

「今の時代に必要な映画を作ったつもりです」(亀田監督)

亀田幸則監督(以下、亀田) 今の時代に受ける映画ではなく、今の時代に必要な映画を作ったつもりではあります。
撮影は仙台で2週間かけておこないましたが、実質的には10日間くらいでした。役者さんたちは現場に缶詰状態で、とても大変な思いをされただろう、と思います。

金子昇(以下、金子) おとなの密室群像劇になっています。謎ときを楽しみながらも、普通に会話を聴いて、なにかを感じていただけければ、すごく楽しんでもらえる映画です。

田中健(以下、田中) 金子さん演じる探偵が、密室で謎解きをしていくわけですが、「人間としての謎解き」も含まれている物語です。本作を観ると、自分の今後の生きかたについて、ヒントをもらえるのではないでしょうか。

住吉晃典(以下、住吉) 現代社会に対してのメッセージが、とても含まれている作品です。

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― 撮影現場の雰囲気は?

「出演者にミュージシャンが多く、常にセッションが始まるので、贅沢な時間を過ごさせていただきました」(高橋さん)

高橋ひとみ(以下、高橋) 仙台で2週間、缶詰のように撮影をしまして、太る人はどんどん太っていきました(笑)。
森本さん、田中さん、犬塚弘さんなど、出演者にはミュージシャンのかたがたくさんいらしたので、常にセッションが始まるんです。とても、贅沢な時間を過ごさせていただきました。
また、島田順司さんには、クライマックスで長い台詞があるんですけど、(そのシーンの撮影に向けて)気持ちを維持し続けている島田さんに感動しました。とても勉強になりました。

住吉 僕は池上季実子さん演じる上司の部下役を演じて、劇中でほぼずっと池上さんの隣にいる感じでしたので、「どうやったら、上司と部下がおもしろい関係になるか」と、池上さんと相談して、いろいろ怒られながら(笑)、やっていました。
池上さんという大女優の女優魂を、たくさん勉強させていただきました。「住吉さんは、この角度から撮ってもらったほうが、格好よく映るわよ」というアドヴァイスも池上さんからいただいて(笑)。

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― 撮影時の苦労は?

「延々と十数分続くカットがありました」(田中さん)

森本タロー 僕は本作で音楽も担当しました。(映像で使う音楽は)たとえば風景があると挿入しやすいのですが、本作はほぼ「バー・リボルバーの店内だけ」で展開するので、こんなに音楽の挿入が難しい作品は初めてでした。
だから、音楽は聴かないでください(笑)。でも、主題歌の『深愛』は聴いてくださいね(笑)。

田中 シーンの撮影は現在進行形で、長まわしのワン・カットでの撮影が多かったんです。延々と十数分続くカットがあったりして。金子さんは、特に大変だったと思いますよ。失敗したら、もう一度、頭からやり直さなければならないわけですから。「どうしてカットを切ってくれないんだ」って、亀田監督を恨みました(笑)。

金子 長まわしで撮ったシーンは、そのまま使われているのかと思ったら、(いざ完成した本作を観てみると)、ちゃんとカットが入ってるんですよね。「あの長まわしは、なんだったんだ!?」と驚きました(笑)。

田中 実は、亀田監督の狙いだったのだ、とよくわかりました。本作を観ると、ものすごい緊張感が漂っていますから。やはり、ワン・カットの力はすごいです。

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― 本作で亀田監督がこだわったのは?

「『台本に書いてあるので、そのままやってみて』と役者さんにお願いしました」(亀田監督)

亀田 本作のような群像劇は、徹底して稽古をしてから、その通りに撮影するか、ほとんどいきあたりばったりの出たとこ勝負の一発でいくか、どちらかだと思っています。時間の都合上、後者をとりました。
順撮りで撮影をしたので、役者のみなさまに、「その場の雰囲気で会話をしているように」してほしかったんです。極端に言うと、ほとんど演出をしていないくらい、動きもつけませんでした。
「台本に書いてあるので、そのままやってみて」と役者さんにお願いしました。だから、(いざ撮影するまで)役者さんたちがどう動くか、わからないんです。「あ、そんなふうに動くのか。じゃあ、この状況を、どう撮ろうか」という手法をとりました。ドキュメンタリー・タッチに近いくらいです。

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亀田 本作のすべては、役者さんたちが自ら考えて、そのまま動いてくださったものです。「台本を書いて役者に渡したら、このように動かれて、それを撮影したら、このような映画ができあがった」と。こういった手法は、現代の映画の撮影方法としては珍しいかもしれませんが、1930年代くらいには、このような映画があったと思うんですね。それを狙ってみました。
もうひとつこだわったのは、(台詞の)言葉です。現代的な言葉遣いにはしないで、言うなれば、50年前や50年後でも観ていただける言葉にしたかったんです。近頃の言葉を使っていないので、妙だというご意見をいただくこともあるのですけど、「美しい日本語」にしたかったんです。

この日、観客のみなさまには、パラソル・チョコレートがプレゼントされました。本作のキー・アイテムとして、重要な役割を果たしているこのチョコレート。緊張感のある密室劇『苦い蜜 ~消えたレコード~』をご覧になったあとは、パラソル・チョコレートを召しあがりながらビートルズの曲を聴いて、本作の余韻に浸るのも一興です。

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▼『苦い蜜 ~消えたレコード~』作品・公開情報
日本/2010年/103分
監督・脚本:亀田幸則
出演:金子昇 池上季実子 田中健 中西良太 高橋ひとみ 渋谷琴乃 原幹恵 鎌苅健太 森本タロー 葉月パル アーサー・ホーランド 住吉晃典 島田順司 犬塚弘 他
配給・宣伝:アステア
コピーライト:(C)2010『苦い蜜』製作委員会
『苦い蜜 ~消えたレコード~』公式サイト
※2010年4月10日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町他、全国順次ロードショー。

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『苦い蜜 ~消えたレコード~』 作品紹介

取材・文:香ん乃 スチール撮影:伴貞良(vantherra)
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フォト・ギャラリー
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