オダギリジョーが見た、傑作ドキュメンタリー「This is REAL」
- 2010年01月30日更新
「This is REAL ~NHK-BS ドキュメンタリー・コレクション~」は、NHK で放送されたドキュメンタリー番組が劇場公開される上映イベントです。このような試みは、NHK設立以来初めてとのことで、各種放送コンクールで受賞した厳選のドキュメンタリー10作品が上映されます。なお、全ての作品で上映後のティーチ・インが予定されています!(※それぞれ1回のみ)
イメージキャラクターは、ドキュメンタリーの大ファンで、自らドキュメンタリー作品を手がけている、俳優のオダギリジョー。
上映される10作品の中から、以下の3作品をご紹介します。
「喜びは創りだすもの ~ターシャ・テューダー四季の庭~」
著作の愛らしい絵本、ガーデニングのカリスマ―そこから連想する穏やかで優雅な印象とは対極のテューダー氏の姿が、ここにある。強靭でひたむきな努力、深い知性と徹底した研究心、よい意味で頑固なこだわりが、永く読み継がれる絵本と稀有な庭園を実現させた。美しい植物で目を潤しながら、テューダー氏の生きざまと、「望みを全うするために追求すること」の愉悦を知ることができる。感性にダイレクトに響いてくるドキュメンタリーである。
「マンホールチルドレン」(シアトル国際映画祭 審査員特別賞)
モンゴルの首都ウランバートルのマンホールに住む、3人の少年少女を10年にわたって記録したドキュメンタリー。社会主義崩壊後、国民の半数が貧困層となり、親に捨てられた子供たちが身を寄せ合って生きる。「将来は尊敬される人になりたい。マンホール育ちと言ったらびっくりされるぐらいのね」と語る少年ボルトの瞳はキラキラしている。彼らの「その後」を追い続けた人生ドラマが繰り広げられる。
「ヤノマミ ~奥アマゾン・原初の森に生きる~」(放送文化基金賞優秀賞)
ヤノマミ族はアマゾンの原生林に住む、150人ほどの先住民族である。その過酷な自然環境のなかで、絶滅するか文明化を余儀なくされた他の民族とは異なり、1万年以上にわたって独自の文化・風習を守り受け継いでいる。150日間の同居取材で、彼らの驚くべき生態をカメラは捉えている。この地球上で現在進行形で起こっている、ということが不思議に思える原初的な光景がそこにある。
▼その他の上映作品
「少女たちの日記帳 ~ヒロシマ・昭和20年4月6日-8月6日~」(文化庁芸術祭賞参加)
「”認罪” ~中国 撫順戦犯管理所の6年~」(ギャラクシー賞大賞)
「映画監督アンジェイ・ワイダ ~祖国ポーランドを撮り続けた男~」(ATP賞グランプリ ※受賞は「ETV特集」版)
「強く 強く ~バイオリニスト・神尾真由子 21歳~」(ATP賞優秀賞)
「残照 ~フランス・芸術家の家~」(ATP賞総務大臣特別賞)
「証言記録 マニラ市街戦 ~死者12万 焦土への一ヶ月~」(文化庁芸術祭賞優秀賞)
「無頼の遺言 ~棋士・藤沢秀行と妻モト~」(ATP賞グランプリ ※受賞は「にんげんドキュメント」版)
2月6日(土)から12日(金)まで、新宿・バルト9にて上映予定。
※作品詳細・スケジュールなど詳しくは、「This is REAL」公式HPにてご確認ください。
文:香ん乃、おすず
- 2010年01月30日更新
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