『卒業 4Kデジタル修復版』『小さな恋のメロディ』ー若者を熱狂させた永遠の名作2本が同日公開!

  • 2019年06月01日更新

映画『卒業』『小さな恋のメロディ』ポスター初公開当時、若者の心を掴み、今もなお多くのファンに愛される2作品が同日公開される。心の満たされない若者が愛に目覚める姿をシニカルに描く『卒業』は4Kデジタル修復版、イギリスのローティーンの初恋が眩しい『小さな恋のメロディ』はデジタルリマスター版での上映。誰もが一度は耳にしたことがある名曲にも聞き惚れる。青春映画の傑作をこの機会に是非スクリーンで!

『卒業 4Kデジタル修復版』『小さな恋のメロディ』公式サイト

※詳細は公式サイト、劇場HPをご覧ください。


『卒業 4K デジタル修復版』美しい楽曲と若かりし頃の名優の繊細な演技を堪能

映画『卒業』メイン画像[あらすじ]大学を優秀な成績で卒業したベンジャミンは、将来有望ながら悶々としていた。そんな虚無感から、父親の共同経営者の妻、ロビンソン夫人に誘われるまま逢瀬を重ねる。一方、彼を心配した両親に勧められ、夫人の娘エレインと嫌々デートをすることになるが、純粋な彼女を本気で好きになってしまう。

アメリカン・ニューシネマの代表作。『卒業』というタイトルの響きや「サウンド・オブ・サイレンス」などサイモン&ガーファンクルの美しい楽曲に惑わされるが、実は“フェロモンだだ漏れの人妻中年女性と不倫しながら、彼女の娘を愛してしまう”というインモラルなストーリー。主人公は、大学時代はそれなりの業績を残していたものの、卒業後は無気力、無感動のモラトリアム青年。毎日何をするわけでもなく、卒業祝いの赤いオープンカーを乗り回し「流されることが快適」と戯言を言いながらプールに浮かぶ。その水面にキラキラ反射する太陽の光は、どんよりと曇る彼の心と対照的だ。

映画『卒業』サブ画像2両親の知人である人妻の誘惑を拒絶しながら、いともたやすく陥落するベンジャミン。強引に迫られ、焦りから汗を額に滲ませあたふたする彼の姿はなんとも滑稽に見える。本作で知名度を上げた主役のダスティン・ホフマンは、周知のとおり今や名優の名をほしいままにしている大ベテラン。細胞のひとつひとつにまで神経を行きわたらせたような表情や仕草で、微妙な心の動きを表現する。

映画『卒業』サブ画像2主体性のないベンジャミンの唯一の意思表示が、エレインへのストーキングに近アプローチ。あの有名な教会でのクライマックスへ向けて、彼のボルテージは高まる。だが本作の真骨頂はその高揚感が冷めた時にあり、これは決して勇者と姫のおとぎ話ではないことを、彼も彼女も、そして私たちも悟る。あの一瞬に凝縮されるリアリティが傑作といわれる所以なのかもしれない。

▼『卒業 4Kデジタル修復版』作品・公開情報
(1967年/アメリカ/107分)
原題:The Graduate
監督:マイク・ニコルズ
原作:チャールズ・ウェッブ「卒業」
音楽:ポール・サイモン、デイヴ・グルーシン
出演:ダスティン・ホフマン、アン・バンクロフト、キャサリン・ロスほか
配給:KADOKAWA
©1967 STUDIOCANAL. All Rights reserved.

※2019年6月7日(金)より角川シネマ有楽町ほか全国公開


『小さな恋のメロディ』-1970年代の少年少女が夢中になった初恋物語

映画『小さな恋のメロディ』メイン画像

[あらすじ]ロンドンの公立学校に通う、引っ込み思案のダニエルとやんちゃなトム。2人は大の仲良しで、毎日一緒に遊んでいた。ある日の放課後、女子生徒のバレエの練習を覗き見したダニエルは、メロディという名の美少女に心奪われる。その日から、ダニエルはメロディのことで頭がいっぱいになる。

本国イギリスやアメリカではあまり評判にならなかったが、日本では大ヒットした作品。金髪の巻き毛が愛くるしいダニエル、清楚で笑顔が親しみやすい美少女メロディ。演じたマーク・レスターとトレイシー・ハイドは公開当時、少年少女の心を熱くしアイドル的人気を誇ったという(両者とも現在俳優業から離れているが、2017年にはマーク・レスターが来日し、ファンイベントが開催されたそう)。そしてこちらの作品にも、ビー・ジーズの「メロディ・フェア」や「若葉のころ」など、耳に心地良い歌が使われている。

映画『小さな恋のメロディ』サブ画像1「可愛い」「純粋」「瑞々しい」……、本作から想起される言葉たち。だがそこには厳しい現実も垣間見える。トムの家は貧しく、教師やダニエルの母親は彼に蔑みの視線を投げかける。日本人には理解しがたい英国の階級社会。ここではロウアーミドルクラスとワーキングクラスの間の溝が映し出される。

とはいえ、“初恋”という胸が高まるテーマを、砂糖菓子のように甘く仕上げた作品であることに変わりはない。『小さな恋のメロディ』という邦題も秀逸だ。

▼『小さな恋のメロディ作品・公開情報
(1971年/イギリス/106分)
原題:Melody
監督:ワリス・フセイン
脚本:アラン・パーカー
製作:デヴィッド・パットナム
音楽:ビー・ジーズ、CSN&Y
出演:マーク・レスター、トレイシー・ハイド、ジャック・ワイルド
配給:KADOKAWA
©Copyright 1971 Sagittarius Entertainment, Inc. All Rights Reserved.

※2019年6月7日(金)より角川シネマ有楽町ほか全国公開

文:吉永くま

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