『ムカデ人間』-口と肛門がつながる?!狂気の外科医が生み出す新しい生命体とは?

  • 2011年08月12日更新

続編はイギリスで上映禁止の問題作。物議をかもしだすトム・シックス監督作品
ヨーゼフ・ハイター博士はかつてシャム双生児分離手術のエキスパートとして名を馳せた外科医。分離手術を極めた博士の夢は切り離すのではなく、命と命を“つなげて”新しい命を作ること。ある雨の夜、博士のもとに旅行中のアメリカ人女性二人組が迷い込んでくる。実験台を手にいれ、博士が肛門と口をつないで新しい命‐ムカデ人間‐を作る時がついに来た。オランダで初のゲイ映画『GAY』を制作し物議をかもしだしたトム・シックス監督の驚くべき“結合”ホラー『ムカデ人間』。続編『ムカデ人間2』はイギリスでの公開上映とDVD発売が禁止されている筋金入りの問題作だ。野獣のように吠えまくる日本人俳優、北村昭博さんの演技を超えたむき出しの演技も見逃すな。

口と肛門の結合つなぎ合わせて新しい一つの生命体を作ること。
ドイツ郊外。かつてシャム双生児分離手術の専門家であったヨーゼフ・ハイター博士は分離するのではなく、人と人を結合させることで新たな生命体を作り出すことを夢見ていた。三匹の犬の口と肛門をつなぎ合わせて『ムカデ犬』を作り上げることに成功した博士は、同じように人間の口と肛門をつなぎ合わせて『ムカデ人間』を作る準備を進めていた。雨の強く降る夜、ヨーロッパを旅行中のアメリカ人女性二人組を乗せた車が森の中でエンジントラブルを起こした。援助を呼ぼうと暗い森の中をさまよい、やっと二人が見つけたのは『ムカデ人間』の実験台を探しているハイター博士の邸宅だった。

笑うのか?嫌悪するのか?“肛門と口の接合”という図抜けた発想。
なにより“肛門と口を結合させる”神をも恐れぬ図抜けた発想に度肝を抜かれる。「初めての国際的ホラー映画を監督するにあたり、物議を醸し、本当に恐ろしいと思われる作品を作りたい」と語るトム・シックス監督の言葉通り、本作『ムカデ人間』の続編はイギリスにおいて公開上映のみならず、DVD発売までもが禁じられた問題作。人間がつなぎ合わされた姿は“みてはいけないタブー”であり、それだけで話題充分だが、そこに描かれるのは「もし自分だったら」と想像させるムカデとしての日常生活。医学的にもこのような外科手術は実際可能であり、人間がもし「ムカデ人間」を作ろうとすれば作ることが出来るのだそうだ。

日本人から送られた刺客。吠える怪優のセリフを楽しむ
関西弁を話すヤクザ、カツローを演じるのはハリウッドを拠点に活動する日本人俳優、北村昭博さん。カツローはムカデ人間の先頭であり口を自由に使える唯一のムカデ人間。しかし日本語しか話せないため、口をふさがれた他のムカデ人間同様、博士とコミュニケーションを取ることができない。ハイター博士にすればカツローのセリフは獰猛な犬が吠えているようなものだが、カツローのセリフにこそリアルな怒りや仲間を思いやる感情にあふれている。これは日本語を理解する日本人だけの楽しみ方。憎しみに満ちたカツローの表情だけではなく突き刺さるセリフにも注目していただきたい。

▼『ムカデ人間』作品・上映情報
2009年 / オランダ・イギリス合作 / 英語 / 90分
監督・脚本:トム・シックス  
製作:イローナ・シックス/ トム・シックス 
撮影:グーフ・デ・コニング 
音楽:パトリック・サヴェージ / オレグ・スピーズ
編集:ナイジェル・デ・ホンド
出演:ディーター・ラーザー/北村昭博/アシュリー・C・ウィリアムス/アシュリン・イェニー
配給:トランスフォーマー
●『ムカデ人間』公式サイト
※7月2日シネクイントにてレイトロードショー(全国順次)
©2009 SIX ENTERTAINMENT

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文:白玉

  • 2011年08月12日更新

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