ミニシアター情報

『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』―老齢を迎えてから旺盛に生きるための7つの事例

大切なひととの再会のため、病気の治療のため、様々な事情を抱えた7人の老男女が旅に出る―行き先はインド。「神秘の国インドの高級リゾートホテルで、穏やかで心地よい日々を」という謳い文句に惹かれて、はるばるイギリスからやってきた彼らが目にしたのは、熱気溢れるインドの文化と、リゾートとはほど遠いボロホテルだった! 異国の地で彼らが見つける人生の機微とは? ウイットに富んだ会話と、画面から溢れんばかりの色彩が楽しいこのイギリス式インド映画を観たあとは、少しだけ、心のしこりがほぐれているに違いない。2013年2月1日よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国順次公開。©2012 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.

「演劇」と映画館の『親密さ』- 映画館で、演劇を、観る?生でしか味わえないはずの演劇が、映画という違ったフィルターを通した時、新たな創造として生まれ変わる。

オーディトリウム渋谷で2月9日(土)から行われる〈「演劇」と映画館の『親密さ』〉のラインナップが充実している。“演劇を題材にした映画”と言っても、その切り口は実に多彩。山下敦弘監督の舞台演出作品の記録『ぶたい版・中学生日記』、昨年公開されて話題になった想田和弘監督の平田オリザの演劇制作現場を追った長編ドキュメンタリー『演劇1』『演劇2』から、実在する歌舞伎を題材に作られ、原田芳雄の遺作となった『大鹿村騒動記』まで様々。演劇ファンと映画ファンを同時に満足させる有意義な11作です。

【実践映画塾 シネマ☆インパクト】さらに熱さを増す シネマ☆インパクトVOL.2 公開記念 撮影現場レポート

ともかく実践あるのみ!の映画製作ワークショップ・シネマ☆インパクトが開講されて1年が経つ。昨年秋の第1期作品公開に続き、いよいよ第2期作品5作が公開される。講師及び監督は、橋口亮輔、ヤン・イクチュン、山下敦弘、松江哲明、山本政志の5人。今回は「新宿」を共通テーマにして、その条件だけ入っていれば、あとは自由な競作が行われました。橋口コースの初日、「やり方次第でどうにでもなるので、あとはあんたたちが遊んでね」と山本監督が、生徒たちに発破をかけたように聴こえたが、「遊んでね」じゃなくて「学んでね」の聞き間違いだったのでしょうか……??? ともあれ、「学び」と「遊び」はよく似てる、ということで(!?)各コースとも、この上もなく贅沢でハードな2週間となりました。ミニシアターに行こう。では、橋口監督、ヤン監督の現場を取材。
そのもようをお届けします。

『明日(アシタ)の空の向こうに』-子どもたちは国境の先にある幸せを夢見て走る。

2011年、日本で公開されたミニシアター系映画で最大のヒット作となった『木洩れ日の家で』。その監督であるポーランドの名匠ドロタ・ケンジェジャフスカの新作であり、第61回(2011年)ベルリン国際映画祭でジェネレーション部門グランプリと平和映画賞を受賞した『明日(アシタ)の空の向こうに』が、1月26日(土)からシネマカリテほかで公開される。
住む家も食べ物もない孤児3人が、幸せな明日を探して過酷な冒険の旅に出る物語。あの手この手で困難を乗り越える彼らの逞しさと、その純粋な愛らしさに多くの人が魅了されるだろう。2013年1月26日(土)より、新宿シネマカリテほか全国順次公開。 © Kid Film 2010

逃げる老人、追うゾンビ。世界最遅のデットヒート-『ロンドンゾンビ紀行』

祖父が入居しているイースト・エンドの老人ホームを手伝うアンディとテリー。立ち退きを要求されている老人ホームを救うため、二人は銀行強盗を画策するが、あっけなく警官隊に囲まれてしまう。もはやこれまでと覚悟を決めた瞬間、ゾンビが再開発の発掘現場から蘇り、警官を襲い始める。その頃、老人ホームの老人たちはゾンビの魔の手から逃れようと世界最遅のデットヒートを繰り広げていた。イースト・エンドの再開発エリアで目覚めたゾンビは人肉を食らう、恐るべきゾンビでありながら、老人とのユーモラスな死闘繰り広げる、イギリスらしくシャープに笑える今年注目のゾンビ達だ。ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開(C)Bishop Rock Films Limited / Cockneys vs Zombies Limited 2012

くだらないことの積み重ねがちょっとした出来事で深い意味を持つ日常を-『ももいろそらを』小林啓一監督インタビュー

女子高生いづみが財布を拾ったことから始まるストーリーを描く『ももいろそらを』。東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門作品賞、スペインのヒホン国際映画祭にて日本映画初のグランプリを受賞している本作は16歳の日常がテンポよく転がるように変化し最後まで観る者を惹きつけ続ける。ステレオタイプではない悩める人間としての女子高生を描く小林啓一監督にたっぷりお話を伺いました。2013年1月12日(土)より 新宿シネマカリテ ほか全国順次ロードショー

原発事故。本音が出せないまま流されていく空気感の中で吐き出された感情とは?-『おだやかな日常』内田伸輝監督インタビュー

2011年3月11日東日本大震災直後の東京を舞台に、放射能に敏感に反応する二人の女性とその周囲の人々を描く『おだやかな日常』。『ふゆの獣』で生々しい恋愛関係を描いた内田伸輝監督が、今回もユニークな手法を使って、激しくぶつかり合う人々の姿をリアルに浮かび上がらせている。震災、原発事故、本音を話せば不謹慎と言われる空気の中で、吐き出された感情とは一体、なんだったのか?内田監督からたっぷりとお話をうかがってきました。

癒されるかたも嫌悪を感じるかたもいる。色々な感情が沸き起こることを狙って作っています―『おだやかな日常』プロデューサー杉野希妃さんインタビュー

2011年3月11日東日本大震災直後の東京を舞台に、放射能に敏感に反応する二人の女性とその周囲の人々を描く『おだやかな日常』。『ふゆの獣』で生々しい恋愛関係を描いた内田伸輝監督が、今回もユニークな手法を使って、激しくぶつかり合う人々の姿をリアルに浮かび上がらせている。プロデューサーとして、女優として『おだやかな日常』の制作に携わった杉野希妃さんは国際映画祭に積極的に参加し、高い評価を得ている映画人。震災という混乱期を切り取る今作品をプロデューサーとして、女優としてどのように表現しようとしたかのか、たっぷりお話を伺ってきました。

記憶に突き刺さるハンサムな女の生き様-新・女性映画祭

オーディトリウム渋谷ではヒロインにくぎ付けになる映画13本を一挙公開。王妃、芸妓、従軍看護婦、シングルマザーなど、登場するヒロインは様々な立場の女性達だ。決して幸せとは言い難い状況の中でも、自分の立場を卑下することなく、しなやかに、したたかに、艶やかに生きる女性の姿は記憶に深く刻まれること間違いなし。ヒロインの生き様にどっぷりとつかって、離れられない“運命の女性”を見つけてみてはどうだろう。作品画像:『ハネムーン・キラーズ』

『あの娘が海辺で踊ってる』-消費されることを前提とした処女たちのたくらみ。

アイドル志望のわがままな舞子と彼女の全てを許す「ホトケの」菅原の女子高生二人の依存関係を描く、山戸結希監督『あの娘が海辺で踊ってる』。第24回東京学生映画祭で、瀬々敬久監督・井土紀州監督・石井裕也監督に「賞をあげないわけにはいかない」と評され審査員特別賞を受賞した。スタッフ全員が処女で作り上げた『あの娘が海辺で踊ってる』を含む山戸結希監督作品三本が~処女の革命3本立て~と銘打って期間限定上映される。純粋な乙女の狡猾なたくらみをのぞき見しよう。11月10日~16日ポレポレ東中野にて。