最新作品情報
第5回 座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル-ドキュメンタリーは肉体だ
今年で5回目を迎える座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバルが2月7日にスタートした。映画・テレビを問わず良質なドキュメンタリーを上映する映画祭の今年のテーマは『ドキュメンタリーは肉体だ』。人間のあらゆる精神性を支える「肉体」を、ドキュメンタリーはどう捉えてきたのか・・・?未曽有の災害や事故の中から「肉体」について考えたさせられたことはあるはず。今回は人間の究極の姿としての「肉体」をテーマにした作品が上映される。森達也監督、田原総一朗さん、是枝裕和監督など多彩なゲストセレクターが作品をとことん語りつくすトークイベントも開催。作品の理解を深める機会を見逃さないで。ミニシア注目作をご紹介します。
『New York 結婚狂騒曲』-「愛のエキスパート」も結婚に迷う!? ユマ・サーマン主演のラブ・コメディ
結婚は人生の一大イベント。そんな大事の結婚式の日取りも決まり、招待状も出したのに、思いがけないきっかけから、新たに気になる男性が現われる。長身美女ユマ・サーマンと真面目で優しい役が似合うコリン・ファース、大らかな雰囲気漂う自由人を演じるジェフリー・ディーン・モーガンが織り成す三角関係の行方は? 登場人物が皆温かく、ハッピーな気分になれるラブ・コメディ。サム・シェパード、イザベラ・ロッセリーニなど豪華脇役陣にも注目! 1/18(土)<未体験ゾーンの映画たち2014>にて、ヒューマントラストシネマ渋谷他公開。
『アイドル・イズ・デッドーノンちゃんのプロパガンダ大戦争ー』 ―生き残りをかけて戦うアイドルたちのバトルロイヤル!
新生アイドル研究会・BiSという現役のアイドルを主演に据えながら、アクション、スプラッターなど過激な描写を盛り込んだ映画『アイドル・イズ・デッド』(加藤行宏監督/2012)は、音楽×映画のコラボレーション作品を集めた映画祭『MOOSIC LAB 2012』に出品され、観客賞を受賞するなど好評を博した。
続編である本作は、アイドル同士の生死をかけた殺し合いやパワーアップしたアクションシーンに加えて、原発問題にまで踏み込んだ非常に濃~い内容となっている。イバラの道をかいくぐらなければ生き残っていけない現代のアイドルたち。心身ともに傷だらけになりながら、それでも笑顔でステージに立つ彼女たちの姿は、最高にカッコイイ! 2014年1月11日より、テアトル新宿にてレイトショー他全国順次公開© 2014『IID2』製作委員会
『旅人は夢を奏でる』 〜哀愁の音楽と脱力系ユーモア。 観応えたっぷりの北欧ロードムービー〜
愛すべきペテン師の父と、几帳面でストイックなピアニストの中年息子。35年ぶりに顔を合わせた対照的なふたりが、車で北を目指す旅に出る。ゆる〜く流れる北欧時間を濃厚に熟成させる素晴らしきキャストと音楽を配し、脱力&ブラック・ユーモアたっぷりに仕上げた人生讃歌!「音楽」と「ロードムービー」という、ミカ・カウリスマキ監督が得意とする絶好の組み合わせに、大小の仕掛けもぬかりなし。観応えたっぷりの作品だ。
2014年1月11日(土)、シアター・イメージフォーラム他にて全国順次公開 配給:アルシネテラン
(C)Road North
『フォスター卿の建築術』― ノーマン・フォスターの建築を巡る、美しい旅に出掛けよう
イギリスを代表する世界的建築家にして「モダニズムのモーツァルト」と呼ばれるノーマン・フォスター卿。現在78歳にして、意欲的に仕事を続ける創作の原点と核心とは何か。ドキュメンタリー映画『フォスター卿の建築術』は、彼が手掛けた数多くの建築作品を巡りながら、仕事上のパートナーであったリチャード・ロジャースや芸術家のリチャード・ロング、蔡國強、U2のボノへのインタビューや、エコロジストで建築家のバックミンスター・フラーとの会話映像などを通して、さまざまな角度からそのデザイン哲学に迫る。 2014年1月3日(金)から渋谷アップリンクほか全国で順次公開 。 ©Valentin Alvarez
『パリ、ただよう花』-5年間の映画製作禁止の中でロウ・イエ監督が描きたかったものはセックス?
パリにやってきた中国人、花(ホア)。北京で出会った恋人に捨てられ、パリの街をさまよう。解体工のマチューに出会ったホアは強引に体を奪われるが、セックスの後もお互い、離れることが出来ない。お互いの体を求め、激しく愛し合う二人。ある日、ホアはマチューの仕事仲間、ジョバンニに誘われた別荘でレイプをされる。ホアの愛を確かめるためマチューが仕掛けたことだった。お互いの価値観の違いに気づきながらもなお、離れがたい二人。激しく体を重ねていく二人はどこに行きつくのか。中国電影局から5年間の映画製作、上映禁止処分を受けたロウ・イエ監督が処分期間中に制作した作品の一つ。セックスをテーマにぶつかりあう人間を描く。
『フォンターナ広場 イタリアの陰謀』-イタリア最大の未解決事件の真相は?
史実に基づいた作品である。当時この爆破の現場を目撃したマルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督は、イタリアの若い世代がこの事件を正しく理解していないことに衝撃を受け、映画化を決めたという。今もなお、犯人が分からないという未解決事件。この事件後、イタリアでは無差別テロが相次ぐ“鉛の時代”に突入していく。12/21(土)、シネマート新宿ほか全国で順次公開。
『祭の馬』 ―3.11以降、タブーの存在となった馬たちの生を追ったドキュメンタリー
東日本大震災で津波に飲み込まれながら、奇跡的に生き延びた南相馬市の馬たちの姿を追ったドキュメンタリー『祭の馬』。本作は、松林要樹監督が震災後の福島県南相馬市江井地区を取材し2012年に発表した『相馬看花 第一部 奪われた土地の記憶』の第二部に位置づけられる作品である。本作に登場するのは、震災後、世間に居場所を公表することを禁止された馬たち。タブー視された馬たちの運命を、松林監督はユーモアあふれる視点で切りとる。震災が過去のこととして語られようとしている現在、本作がドバイ国際映画祭アジア・アフリカ・ドキュメンタリー部門でグランプリを受賞したのは、非常に喜ばしいことだ。2013年12月14日(土)よりシアター・イメージフォーラムにてロードショー、ほか全国順次公開 © 2013記録映画『祭の馬』製作委員会
『少女は自転車に乗って』―自転車で走る少女の姿にこめられた、サウジ女性の勇気と希望―
これは世界に一石を投じたと言ってもいい! 映画館の設置すら禁じられているサウジアラビアで、初の女性監督とともに奇跡の傑作が誕生した。本作は10歳のオテンバ娘が自転車を手に入れようと奮闘するシンプルなストーリー。少女の勝気な笑顔と活躍ぶりが印象的だ。しかしその芯には、重い因習を打破しようと果敢に戦うサウジ女性の苦悩と反骨精神が詰まっている。世界の国々で公開され、多数の映画賞を受賞し評判を呼んでいる、宝石のような輝きを放つ作品だ。12/14(土)岩波ホールほか全国順次ロードショー。© 2012, Razor Film Produktion GmbH, High Look Group, Rotana Studios All Rights Reserved.
『SAVE THE CLUB NOON』― 大阪のクラブ「NOON」摘発をめぐる、奇跡のライブドキュメンタリー
2012年4月、大阪中崎町の老舗クラブ「NOON」が風営法違反により摘発された。メジャー、インディーズを問わず、さまざまな音楽とカルチャーの発信源として、関西のクラブシーンを牽引してきた「NOON」。この場所に特別な思いを抱く人々の声は瞬く間に広がった。そして同年7月、「NOON」への感謝と救済を訴えるミュージシャン約100組が集結し、4日間にわたるイベント『SAVE THE NOON』が開催される。本作は、そのライブの模様と出演ミュージシャンたちの、貴重なインタビューを収めたドキュメンタリー作品だ。
(c)「SAVE THE CLUB NOON」製作委員会
