吉永くま
『オボエテイル』
2005年の完成後、諸事情により公開が凍結されていたまぼろしのオムニバス作品が5年の時を経てついに公開される。“記憶”をモチーフにした高橋克彦の小説の中から、直木賞受賞作「緋い記憶」など3本を映画化。怖さと切なさと入り混じったストーリーとどこか懐かしさを感じさせる映像は、日本人の心にしっくりくるに違いない。1月8日(土)より、新宿K’s cinema、横浜ニューテアトルにてロードショー。
ミニシアターに行きたくなる監督達―東京フィルメックス、Q&Aハイライト
若い映画製作者の登竜門“東京フィルメックス”。内田伸輝監督『ふゆの獣』が最優秀作品賞を受賞して幕を閉じた。Mixiで俳優を集め、たった110万円で制作された自主映画が、そのカメラワークと俳優の演技を高く評価され世界への第一歩を踏み出す。「完成度の高い作品」ではなく、「可能性あふれる作品」を発掘する東京フィルメックスは作品上映とともに行われるQ&Aも見どころ。今回は東京フィルメックスの取っておきQ&Aをピックアップした。将来、国際映画祭で活躍する映画人たちの熱い思いをチェックしよう。
※第11回 東京フィルメックスの公式パンフレットを2名さまにプレゼント致します。ご応募はこちらから。応募〆切は、2010年12月31日(金)です。
最優秀作品賞を受賞した『ふゆの獣』の内田伸輝監督から独占コメント!―第11回 東京フィルメックス 審査員記者会見・閉会式
11月28日(日)、第11回 東京フィルメックスが大盛況のうちに閉幕しました。コンペティションで最優秀作品賞に輝いたのは、内田伸輝監督の『ふゆの獣』。受賞に寄せて、内田監督から当サイトの読者さまへ向けて、コメントをいただきました。審査員記者会見と閉会式の模様を、たっぷりの画像と共に、じっくりとお楽しみください。また、第11回 東京フィルメックスの公式パンフレットを2名さまにプレゼントする企画も実施中です(応募〆切は12月31日)。
『白いリボン』
2009年のカンヌ国際映画祭パルムドールに輝いた『白いリボン』が、12月4日(土)より日本公開。田舎の素朴な村、敬虔な信者、純真な子供 ― 本来なら美しさや崇高さを連想させる要素が、ミヒャエル・ハネケ監督の手にかかると、不穏かつ不気味な雰囲気を放つ。ハネケ監督の集大成ともいわれる本作の謎解きに頭をひねりながら、独特の空気が漂うミステリーを自分なりに咀嚼して味わうのもまた一興。
フィンランド映画祭 2010 オープニングセレモニー
大盛況開催中のフィンランド映画祭 2010。10月30日(土)、恵比寿ガーデンシネマにてオープニングセレモニーが開催され、『ツイステッド・ルーツ』のサーラ・サーレラ監督、『4月の涙(仮題)』のアク・ロウヒミエス監督、『ヤコブへの手紙』のクラウス・ハロ監督、そして、駐日フィンランド大使館からユッカ・パヤリネン一等書記官が舞台挨拶をおこないました。携えてきた作品への愛と自信を語った監督たちの模様を、どうぞお楽しみください。
フィンランド映画祭 2010
旅行先としても人気の高まっているフィンランドですが、同国の映画が日本国内で商業公開される機会はあまり多いとはいえません。フィンランド映画に出会えるこの貴重な映画祭。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。恵比寿ガーデンシネマにて2010年10月30日(土)より開催中です!(画像はクラウス・ハロ監督作品『ヤコブへの手紙』)
『約束の葡萄畑 あるワイン醸造家の物語』 ニキ・カーロ監督 インタビュー
『クジラの島の少女』『スタンドアップ』でその手腕が高く評価されている、ニュージーランド出身のニキ・カーロ監督が来日。10月23日(土)に日本公開の新作『約束の葡萄畑 あるワイン醸造家の物語』について、お話を伺いました。本作は、究極のワイン造りに魅了されたひとりの男と、彼を巡る女たち、そして美しい天使が紡ぐ30年にわたる愛の物語です。
アラン・ドロン生誕75周年記念映画祭
1957年、『女が事件にからむ時』でデビュー後、その類まれなる美貌と翳りのある色気で、フランス国内のみならず世界中を虜にしたアラン・ドロン。クールで危険な香りを漂わせ、スキャンダルさえ自分の糧にしてしまう不屈の精神力も持ち合わせる彼は、長い間フランス映画界の頂点に君臨してきました。2010年の今年、彼の生誕75周年を記念して、新宿K’sシネマにて1960年代の作品5本が一挙上映されます。約46年ぶりの公開となる『黒いチューリップ』をはじめ、『若者のすべて』、『地下室のメロディー』、『世にも怪奇な物語』、『あの胸にもう一度』というラインナップ。この秋、彼の魅力に浸ってみませんか?
『約束の葡萄畑 あるワイン醸造家の物語』
極上のヴィンテージワイン造りに魅了されたひとりの男を巡る、ファンタジーとリアリティーが融合した美しい物語。一面に広がる葡萄(ぶどう)畑の土の匂いと、グラスの中で揺れる芳醇なワインの香りが漂ってくるような錯覚にとらわれる。視覚だけではなく、五感が刺激される本作品。秋の夜長にじっくりと楽しむというのはどうだろう。
『死刑台のエレベーター ニュープリント版』
あの名作が、ニュープリント版で蘇る! 名匠ルイ・マル監督25歳のデビュー作である本作は、マイルス・デイビスの退廃的なトランペットの響きと緊張感漂うストーリーが絡み合ったサスペンス映画の傑作。かつて観た人も、そうでない人も、「蘇ったオリジナル」を堪能するべく、映画館へ足をお運びください。10月9日より、シアター・イメージフォーラム他、全国順次公開です。