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山嵜晋平監督『つゆのあとさき』― “パパ活をする軽薄な男たち”役に前野朋哉、渋江譲二ほか5人の追加キャスト発表&コメント到着!
- 2024年03月11日更新
永井荷風の同名小説を原案に、パパ活をする令和女性のリアルな青春描く山嵜晋平監督の長編作『つゆのあとさき』が、2024年にユーロスペースで公開される。本作の追加キャストとして、前野朋哉、渋江譲二、守屋文雄、松㟢翔平、テイ龍進の5人が “パパ活をする軽薄な男たち” として登場することが発表され、各自のコメントが到着した。
前野は、コロナで経営する会社が倒産し、妻子に捨てられ、失望の中で出会い喫茶に通うことになる川島役、渋江は琴音に住まいを提供し囲っているIT会社社長の清岡役、守屋は父親が経営する不動産会社に勤め、仕事をさぼってパパ活に励む矢田役、松㟢は彼女と喧嘩をして出会い喫茶に憂さ晴らしに来るダンサーの木村役、テイは3P好きで羽振りの良い野口役をそれぞれ演じる。5人の俳優達がパパ活をする男たちをどのように演じ、髙橋ユキノ演じる琴音、西野凪沙演じるさくら、吉田伶香演じる楓に関わっていくのかに注目だ。
“パパ活をする軽薄な男たち”を演じる
5人の追加キャスト&コメント
前野朋哉/川島役
歌舞伎町などの繁華街を歩いていて、道ゆく人とすれ違いながら「この人たちはこれからどこに行くんだろう?」とよく思う。
そんな道ゆく人の一部の、物語の一片を、今回知れたような気がします。
「寂しさ」は時に人を狂わす狂気をはらんでいる。
僕は今「寂しさ」を抱えてないが、いつかまた「寂しさ」は必ず襲ってくる。そんな時、どうするだろう……。
脚本を読んで、少しでも他人の気持ちに寄り添えるように生きていたいなと願い、演じました。
1986年生まれ。岡山県出身。『剥き出しにっぽん』(05/石井裕也監督)で映画デビュー後、俳優・映画監督を並行して活動。主な映画出演作に『桐島、部活やめるってよ』(12)、『大人ドロップ』(14)、『エミアビのはじまりとはじまり』(16)、『チェリーボーイズ』(18)、『魔法少年☆ワイルドバージン』(19)、『私をくいとめて』(20)、『ある用務員』(21)、『ハケンアニメ!』(22)、『ひみつのなっちゃん。』(23)などがある。25年『室町無頼』の公開を控えている。山嵜晋平監督作品は『ヴァンパイアナイト』(18)以来、2度目の出演となる。
渋江譲二/清岡役
「出会い系」を「マッチングアプリ」と言い換えたような、「パパ活」という、ていの良い言葉をよく耳にするようになりました。でもこの言葉の変化が、今の世の中を表しているような気がします。コロナ禍で人生を狂わされた人も多かったはず。僕自身も路頭に迷う可能性が実際ありました。しかし僕は周りの人達のお陰でなんとか生きて来られたんです。でも、もし頼れる環境さえ自分に無かったら……。彼女達の生き方を否定することは決してできません。そして男達も、彼女達によって自分に空いた何かを埋めようとしているのかも。「パパ活」の言い換えは、そんな孤独を抱えた人々が容易に依存できる場所を作る必要があったからなのかもしれないと思いました。この作品を観た皆さんが何を思ったか聞きたいです。
1983年生まれ、長野県出身。2003年、TBS系ドラマ「美少女戦士セーラームーン」タキシード仮面役でデビュー。その後、ドラマ「仮面ライダー響鬼」(05)、「砂時計」(07)、「ホタルノヒカリ」(07)、「ブラックペアン」(18)など話題作にレギュラー出演。映画主演作に『ふるさとがえり』(11)、『新卒ポモドーロ』(20)がある。近年の出演作にドラマ「下剋上球児」「スーパーのカゴの中身が気になる私」(23)、「ジャンヌの裁き」(24)、映画『静かなるドン』『無情の世界-あなたと私の2人だけの世界-』(23)等がある。
守屋文雄/矢田役
渋谷の町が舞台の映画だから渋谷の町で撮影するというのは一見もっともらしいけれど、これほど狂ったことは無くて、撮影にはキャストもいるしスタッフもいるし、カメラがあってマイクがあって移動車だって必要だし、どうしたって十人か二十人くらいの人間が渋谷の町をぞろぞろ動き回ることになって、ユーチューブだ、テレビだ、と、撮影は日常茶飯事の渋谷の人たちだって、どうしたってカメラを見る。芝居中の役者に話しかける。通りがかりのサラリーマンが監督の脇からモニターを真剣に覗き込む、と思ったら、そのサラリーマンは、よく見ると、川島役の前野さんで、私はびっくりした。よく見なかったらわからなかった。
1976年、宮城県出身。『まんが島』(17)、『すずしい木陰』(19)、『almost people』(オムニバス映画/23)などの監督。『UNDERWATER LOVE -おんなの河童-』(いまおかしんじ監督/11)、『キツツキと雨』(沖田修一監督/11)などの脚本。出演作『恋の豚』(城定秀夫監督/18)で第31回ピンク大賞・男優賞。近年の出演に『銀平町シネマブルース』(城定秀夫監督/22)、『さかなのこ』(沖田修一監督/22)、『白鍵と黒鍵の間に』(冨永昌敬監督/23)、『きのう生まれたわけじゃない』(福間健二監督/23)など。
松㟢翔平/木村役
出会い喫茶、パパ活。
『つゆのあとさき』で描かれる世界は、自分とは遠い世界の話だと思っていた。だけど、実際に画面に映っていたのは、自分をずっと置いてけぼりにしている人たち。
「軽薄」にもなりきれず、ただただ「軽率な」人たちの、何かに報復するように送る生活だ。そんな登場人物たちは、自分とそう変わらないかもしれないし、やはり自分とは遠い世界の話なのかもしれない。
『つゆのあとさき』、宜しくお願い致します。
1993年生まれ。大学在学中から俳優としての活動を始める。2018年から約8か月間、台湾に移住。帰国後、人気リアリティー番組に出演。俳優として映画・ドラマに出演する他、モデル業を中心に、幅広く活躍中。主な出演作に映画『葵ちゃんはやらせてくれない』(21)、『激怒』(23)など。公開待機作に映画『雲ゆくままに』(楊礼平監督)がある。
テイ龍進/野口役
『つゆのあとさき』の脚本を初めて読ませて頂いた時、頭に浮かんだのはこのご時世、山嵜監督がどう具現化されるんだろうか?と少し戸惑いました、ここ昨今、表現の自由が奪われつつある社会の中でこの映画を世に送り出し、作品を観てくださられた方々が何を感じるのか?
しかしながら鑑賞後、そんな一抹の不安はどこかへ消えて行くと同時に、映画とはこう有るべきかもと席を立ち家路に向かいました。
今の生き難い社会のルールに真摯に向き合い、何かしら答えを探そうとしている山嵜監督だからこそ、この作品が生まれたのだと感じてます。『つゆのあとさき』どうか劇場にて観劇して貰えると幸いです。
1973年生まれ。兵庫県出身。2007年に、映画『キネマの大地(紀録黎明)』(向陽監督)で主役の日本生まれの華僑役を演じ、注目を集める。日本生まれの華僑が主役を務めるのは中国映画史上初のことである。主な代表作に映画『禅 ZEN』(09)、『スマグラー』(11)、『図書館戦争』シリーズなど。24年5月公開予定の『バジーノイズ』にも出演している。
作 品 概 要
小説の持つ普遍性を踏襲しながら、「令和の渋谷の現在(いま)」を映し出す
原作小説は昭和初期の銀座のカフェーを舞台に、自由奔放に逞しく生きる女給の主人公と彼女と関係を持つ軽薄な男たちを描き、谷崎潤一郎に「文学史上に我が昭和時代の東京を記念すべき世相史、風俗史とでも云ふべき作品」と称賛された名作であり、「昭和初期の銀座の風俗史」ともいえる作品。
山嵜晋平監督がメガホンを執った映画では、小説の持つ普遍性を踏襲しながら、時代をコロナ禍の渋谷に置き換え、さまざまな事情でパパ活をすることになった女性たちの姿を通して「令和の渋谷の現在(いま)」を映しだす。
出演:高橋ユキノ、西野凪沙、吉田伶香、渋江譲二、守屋文雄、松㟢翔平/テイ龍進、前野朋哉
原案:永井荷風「つゆのあとさき」
監督:山嵜晋平
脚本:中野太、鈴木理恵、山嵜晋平
製作著作:BBB 配給:BBB 配給協力:インターフィルム
制作:コギトワークス ©2024BBB
【STORY】キャバクラで働いていた琴音(20)は、コロナ禍で店が休業、一緒に住んでいた男に家財を持ち逃げされ、家賃を払えなくなり……完全に生活につまづき、行き場を失ってしまう。そんな中、知り合った楓(21)の 紹介で出会い系喫茶に出入りする様になり、男性客とパパ活をすることで日々を切り抜ける生活をしている。
おかしな客に絡まれたりネット上で中傷をされたりしながらも、あっけらかんと逞しく生きている琴音は、あることがきっかけで、同じ出会い系喫茶でパパ活をする大学生のさくら(20)と出会う。性格も育ちも自分とは正反対。生まじめで何事も重く受け止めてしまうさくらと琴音は不思議とウマが合い、友情を深めていくのだった。
体目当ての矢田(42)、出版社の社長でパトロンでもある清岡(36)、容姿端麗なダンサーの木村(28)ら軽薄な男たちと、生活のため、ホスト狂いのため、学費のため、各々の理由でパパ活をする女性達の対比で物語は進んでいく。
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