『ラ・ブーム』『ラ・ブーム2』40周年記念デジタル・リマスター版—2作品同時劇場公開
- 2022年12月16日更新
フランスの国民的女優、ソフィー・マルソーを1980年代初めにトップアイドルにした『ラ・ブーム』とその続編『ラ・ブーム2』が、40周年記念デジタル・リマスター版としてスクリーン帰ってくる。
十代の少女の恋と青春を瑞々しく描いた『ラ・ブーム』は本国フランスで観客動員数450万人という大ヒットを記録。13歳のヴィックを演じた1966年生まれのソフィーは、700人の応募者の中から選ばれた。日本では1982年に同作が公開されるやいなや、その愛らしさから多くのファンを獲得する。
『ラ・ブーム2』の後は大胆な役に挑戦するなどあっというまに大人の女優へと変身し、当時の日本のファンはその変化に戸惑いを隠せなかったようだ。その後『アンナ・カレーニナ』『ブレイブハート』『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ』などの自国以外の大作にも出演し着実にキャリアを重ね、フランスを代表する女優となった。2023年にはフランソワ・オゾン監督の最新作『すべてうまくいきますように』の日本公開が控えている。
********
『ラ・ブーム』では、固定電話の本体を持って家の中をうろうろしたり、友達とローラースケートを楽しんだりなど、この時代ならではのシーンが多々あるが、それらは若い人には新鮮に、リアル世代には懐かしく映るはず。
ソフィー・マルソーの鮮烈なデビューが印象に残る本作だが、クロード・ブラッスール、ブリジット・フォッセー、ドニーズ・グレイ、ベルナール・ジロドーなど実力派が脇を固め、周りを取り巻く大人の悩ましい人間模様もしっかり描かれる。なかでもヴィックの心の拠り所となる恋多きひいおばあちゃんの存在感が光る。
製作陣とキャストが再集結した『ラ・ブーム2』は、新しいボーイフレンドとなるフィリップに出会ったヴィックと、両親やひいおばあちゃんなど魅力的な登場人物たちの2年後の物語となり、少し大人になったソフィーに出会える。これら2作のそれぞれの挿入楽曲「愛のファンタジー」(『ラ・ブーム』)と「恋する瞳」(『ラ・ブーム2』)もヒットした。
40年前の若者が胸を熱くした作品には初恋の相手に再び会えたようなドキドキ感があり、それらは今も輝きを放ち続けている。2022年12月23日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋、新宿シネマカリテほかにて2作品同時劇場公開。
上映作品
『ラ・ブーム』
(1980年/フランス/111分)
原題:LA BOUM
監督:クロード・ピノトー
出演: クロード・ブラッスール、ブリジッド・フォッセー、ソフィー・マルソー
© 1980 Gaumont
新学期を前に、歯科医の父フランソワ、漫画家の母フランソワーズとともにパリに越してきた13歳のヴィック。クラスメートに誘われた初めてのブーム(=パーティー)でマチューに出会い、惹かれていく。初めての恋で頭がいっぱいのヴィックだったが、同時にいつも彼女を見守っていた両親の関係に、ある大きな変化が訪れていた……。
『ラ・ブーム2』
(1982年/フランス/108分)
原題:LA BOUM2
監督:クロード・ピノトー 出演: クロード・ブラッスール、ブリジッド・フォッセー、ソフィー・マルソー
© 1982 Gaumont
あれから2年。15歳のヴィックは田園風景の美しいドイツのバイエルンで夏の休暇を過ごしている。ひいおばあちゃんの誘いにのり、一足早くパリに帰ることになった彼女は、パリ行きの列車内でフィリップという青年と知り合う。彼とのパスポートの取り違えがきっかけで再会し、付き合うことになったヴィック。かつてのボーイフレンド、マチューが開いたブーム(=パーティ)に2人で参加するが……。
予告編・作品情報
◆『ラ・ブーム』『ラ・ブーム2』40周年記念デジタル・リマスター版
日程・場所:2022年12月23日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋、新宿シネマカリテほかにて2作品同時劇場公開
上映の詳細は公式サイトでご確認ください。
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
配給:ファインフィルムズ
文・編集:吉永くま 編集:富田旻
- 2022年12月16日更新
トラックバックURL:https://mini-theater.com/2022/12/16/2-2-4/trackback/