『スリープレス・ナイト』 ― 混沌と緊張の渦へと引き込まれる! 世界が熱狂したフランス発ノンストップ・ノワールアクション。

  • 2012年09月14日更新

 マフィアからドラッグを強奪した刑事と、刑事の息子を誘拐したマフィア。パリの巨大ナイトクラブを舞台に、閉ざされた空間での熾烈な攻防戦を描く『スリープレス・ナイト』。追う者と追われる者、それぞれの思惑が複雑に絡み合いながら、物語は予期せぬ方向に進んでいく……。  

 2011年トロント国際映画祭で喝采を浴び、各国映画会社の争奪戦の末にワーナー・ブラザーズによるハリウッドリメイクも決定したフランス発の傑作ノワール・アクション。日本でも2012年の6月に行われたフランス映画祭で上映され、大きな反響を呼んだ。

予想を裏切る展開とノンストップ・アクションに手汗びっしょり!

 金儲けのためにドラッグの転売に手を染めた刑事のヴァンサンと同僚のマニュエル。ある日、マフィアのクルマを襲い大量のコカインを強奪するが、素性がばれたヴァンサンは息子のトマを人質に取られてしまう。単身、敵の本拠地に乗り込んだヴァンサンを待ち受けていたのは、悪夢のようなアクシデントの連続だった……! さらに、ヴァンサンを追う麻薬捜査官のラコンブと女性刑事も加わり、奪還劇はますます混迷していく。ケガの痛みに耐えながら、絶体絶命の状況に立ち向かうヴァンサン。その裏にはさらなる秘密が隠されているのだった—。

 予想を裏切る展開とノンストップで繰り広げられるアクションに一気に引き込まれ、最後までハラハラさせられる作品である。立ちはだかる群衆、大音量の音楽、ホコリっぽい空気とアルコールの混ざった匂い。綿密な計算により作り上げたナイトクラブの雑多な雰囲気が、観客をさらに混沌と緊張の渦へと引き込んでいく。

フランス映画界期待の注目株。フレデリック・ジャルダン監督とトメル・シスレーを要チェック!

 主演をつとめるのは、『ラルゴ・ウィンチ』シリーズで豪快なアクションを披露したトメル・シスレー。本作でもすべてのアクションを自らこなし、一人息子を取り戻すために命をかけて戦う父親役を熱演している。家庭をおざなりにしていた父と、いつの間にか心が離れてしまった息子。二人は絆を取り戻すことができるのか。感情を揺さぶる父子のストーリーからも目が離せない。

 そして監督は、脚本も手がけたフレデリック・ジャルダン。二人とも日本ではまだ無名な存在だが、フランス映画界の注目株として名前を覚えておくことをオススメしたい。また撮影には、多くのクリント・イーストウッド作品を手掛けた巨匠トム・スターンが参加し、スピード感あふれるカメラワークでスリルをさらに加速させる。

 フランス映画祭の際には揃って来日も果たしたジャルダン監督とトメル。当サイトのインタビューでも本作の見どころをたっぷり語ってくれているので、そちらも是非チェックを!

▼『スリープレス・ナイト』作品・上映情報
2011年/フランス・ルクセンブルク・ベルギー合作/フランス語/102分/ビスタサイズ/ドルビーSR
原題:NUIT BLANCHE(SLEEPLESS NIGHT)
監督:フレデリック・ジャルダン
脚本:フレデリック・ジャルダン、ニコラ・サーダ
出演:トメル・シスレー、ジョーイ・スタール、ジュリアン・ボワッスリエ、ローラン・ストーケルほか
配給:トランスフォーマー
コピーライト:© Chic Films – PTD – Saga Film
『スリープレス・ナイト』公式ホームページ
※9月15日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー

文:min

▼過去の関連記事
『スリープレス・ナイト』 — フレデリック・ジャルダン監督&トメル・シスレーさん(主演)&ニコラ・サーダさん(脚本家) インタビュー
「20th アニバーサリー フランス映画祭」 ― 記念すべき20回目を迎え、豪華ゲストも多数来日!


  • 2012年09月14日更新

トラックバックURL:https://mini-theater.com/2012/09/14/snsyoukai/trackback/