ジャック・ロジェのヴァカンス〜伝説の6作品、奇跡の上映!
- 2010年01月19日更新
ジャック・ロジェは、ゴダールが絶賛し、トリュフォーが嫉妬したという伝説の映画監督で、日本でも一部の映画ファンに絶大的に支持されている監督のひとり。日本での上映は映画祭などでしかなく、『ブルー・ジーンズ』以外は、日本初上映となります。
今回は、トリュフォーが「ヌーヴェル・ヴァーグの最も成功した作品」と評した『アデュー・フィリピーヌ』と『オルエットの方へ』『メーヌ・オセアン』の長編3作品と、当時噂の二人だった、ブリジット・バルドーとゴダールを撮影したドキュメンタリー『パパラッツィ』『バルドー/ゴダール』と『ブルー・ジーンズ』の短編3作品が公開されます。半世紀を超えても色褪せない、ロジェの鋭い観察力と先見性は脱帽もの。いまに甦るヌーヴェル(あたらしい)映画の輝きをお見逃しなく!(左画像は長編『メーヌ・オセアン』より)
▼『オルエットの方へ』(69-70)
華やかなパリの街から、陽光溢れるビーチにヴァカンスにやってきた、おしゃれ女子3人組。女子が3人寄れば、話題は「恋」と「ダイエット」と相場は決まってますよね?「痩せるための免許証」という本とスイーツを手に、他愛もない会話を繰り広げる彼女たちを待ち受けているのは、出会いとか嫉妬とかetc…。即興的な演技をひたすら記録し続けたという撮影スタイルは、彼女たちの魅力を存分に引き出し、観る側をも幸福な気分にしてくれます。
▼『アデュー・フィリピーヌ』(60-62)
兵役を数カ月後に控えたイケメンのミシェルは、仕事場のTV局でモデルの美女2人と出会う。2人は親友同士でいつも一緒にいたせいか、ほぼ同時にミシェルに惹かれていく。3人でヴァカンスを過ごすも女子2人の仲は嫉妬でぎくしゃくしていく。兵役を控えているミシェルの恋はどこか刹那的だ。それでも3人の関係が底抜けに明るいのは、開放的なビーチと若さのせいだけなのだろうか。その瞬間を生きようとする、若者たちの青春の輝きを永遠に焼きつけた傑作。
▼『バルドー/ゴダール』(63)『パパラッツィ』(63)
個人的に絶対に見逃したくないのが、『バルドー/ゴダール』と『パパラッツィ』。両作ともゴダールの『軽蔑』(63)のカプリ島での撮影現場を取材した短編ドキュメンタリー。『パパラッツィ』がブリジット・バルドーと彼女を追うパパラッチとの攻防戦に焦点を当てた作品であるのに対し、『バルドー/ゴダール』は、バルドーとゴダールの関わりを中心に構成されている。短編の3作品は一挙上映です。(左画像は『バルドー/ゴダール』より)
1月23日より、渋谷・ユーロスペースにて(全国順次)公開。
公式サイト:http://www.rozier.jp/index2.html
配給:アウラ 宣伝:テレザ
画像クレジット:(C)2009.A17
文:おすず
改行
- 2010年01月19日更新
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