最新作品情報
『コズモポリス』― 鬼才クローネンバーグが終末感ただよう映像でスリリングに描く、資本主義社会の“膿”
鬼才デイヴィッド・クローネンバーグ監督の最新作『コズモポリス』は、若くして巨万の富を手中にした投資家エリック・パッカーが破滅へと向かう1日を描いた、緊迫感溢れるサスペンススリラー。独自の世界観から映像化は不可能といわれた現代アメリカ文学の巨匠ドン・デリーロの同名小説を、終末感ただよう映像でスリリングに描く。70歳にして枯渇知らずのクローネンバーグ監督の想像力、そして映像センスには「さすが鬼才!」と唸ることだろう。すべてを手に入れながらも深い虚無感を抱える美青年を演じたロバート・パティンソンの演技と存在感、顔色の悪さにも大注目!?
4月13日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー!
(c)2012–COSMOPOLIS PRODUCTIONS INC. / ALFAMA FILMS PRODUCTION / FRANCE 2 CINEMA
『観ずに死ねるか!傑作ドキュメンタリー88』-観るべきドキュメンタリー、聴くべきトーク
著名人73人が個人的な視点から作品を語った書籍「観ずに死ねるか!傑作ドキュメンタリー88」の出版を記念したイベントが、ポレポレ東中野で開催中。選りすぐりの16本ドキュメンタリー作品が上映され、上映後に豪華ゲストによるトークライブが実施されている。高橋栄樹(映画監督 「DOCUMENTARY of AKB48」シリーズ)×松江哲明(映画監督)など「これが聴きかった」とうなりたくる絶妙なトークショーと「観ずには死ねない」選りすぐり上映作品ついてご紹介。
『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』-圧巻ミュージカルシーン。歌と踊りに心がわしづかまれるボリウッドムービー。
年間映画製作本数1,000本以上の映画大国インド。そのインドで2007年興業成績トップとなった『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』はインドのスーパースター、シャー・ルク・カーン主演のボリウッド・ロマンティック・大河ムービー。脇役俳優オームが恋焦がれているのは大人気大物女優のシャンティ。火を使う危険なシーンでシャンティをオームが助けたことで急接近する二人だったが、シャンティは敏腕プロデューサー、ムケーシュとの間に子どもを宿していた。野望を抱くムケーシュは大物出資者の娘との結婚が控えているためにシャンティ殺害を企てるが…インド屈指の振付師、ファラー・カーン監督の絶品ミュージカルシーンがみどころのボリウッド大作。観客が歌って踊れるマサラ上映も企画されているの劇場で歌って踊ってすっきりしてみては?© Eros International Ltd
※3月16日(土)より、渋谷シネマライズ、シネ・リーブル梅田ほか全国順次公開
『セックスの向こう側~AV男優という生き方』-極めつくしたものが語る女性とは?セックスとは?
2012年、アダルトビデオ=AVが誕生していから30年。現在ではメーカー数100社以上、月間販売タイトル推定4500本、業界年間売上約550億円の一大産業へと発展している。業界を支える現役AV女優は推定10,000人ともいわれるが、一方AV男優は約70人と驚くほど少ない。男優の数が少ないという事は、一人の男優が“からむ”女優の数は数千人に上り、休む間もなくフル稼働をしているのが現状だ。本作はセックスを仕事とし、日々セックスと向き合う男達20人の生の声を追い求めるドキュメンタリー。加藤鷹を始めとする伝説の男優から新世代のイケメン男優が女性について、セックスについて語りつくす。極めつくした者だけが語れる言葉に男性だけでなく、女性も耳を傾けていただきたい。2月23日(土)より渋谷アップリンクにてレイトショー以降全国主要都市にて順次公開!
『愛、アムール』―美しく誠実な人生を共に歩んできた夫婦を襲う、豊かで哀しい愛の終焉
『白いリボン』でカンヌ最高賞に輝いた名匠・ミヒャエル・ハネケ監督が次に選んだテーマは、老境の夫婦愛。誇り高く誠実な人生を歩んできた音楽家の夫婦。その二人に重くのしかかる「老い」と「病い」の哀しみ。重い題材ではあるが、感情に訴える悲劇的な演出ではなく、ときおり象徴的なシーンを織り込み、美しくシンプルな印象を残す。フランスを代表する名優2人が主人公の老夫婦を演じ、円熟した人物像を細やかに体現している。第65回カンヌ国際映画祭パルムドール賞に続き、先日発表となった第85回アカデミー賞で外国語映画賞も受賞。その他にも数々の栄冠に輝いている話題作。Bunkamura ル・シネマ、銀座テアトルシネマ、新宿武蔵野館 他全国ロードショー(c)2012 Les Films du Losange – X Filme Creative Pool – Wega Film – France 3 Cinema – Ard Degeto – Bayerisher Rundfunk – Westdeutscher Rundfunk
『メッセンジャー』-イラク戦死者の遺族に訃報を伝えるメッセンジャーの苦悩
2003年、イラクの大量破壊兵器を摘発するという名目で、アメリカを中心とする多国籍軍はイラクに侵攻する。結局大量破壊兵器は見つからず、戦争の大義名分は崩壊した。イラク戦争における米軍の死者数は約3500人。本作のタイトルにもなっている“メッセンジャー”とは、故郷で帰りを待ちわびる家族に、悲しい報告を伝える軍人のことだ。ここでは、自らも負傷し、この過酷なミッションに任命された軍曹の苦悩と心の再生が描かれる。『プライベート・ライアン』のプロデューサーが製作し、第82回アカデミー賞でも助演男優賞と脚本賞にノミネートされた秀作である。3月9日(土)より、新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー © All the Kings Horses, LLC ALL RIGHTS RESERVED
『メモリーズ・コーナー』-フランス人ジャーナリストが追う「孤独死(KODOKUSHI)」に込められた阪神・淡路大震災死者の思い
神戸を訪れたフランス人ジャーナリストのアダ(デボラ・フランソワ)は通訳の岡部(西島秀俊)とともに震災によって住居を失った人々が住む復興住宅を取材する中、うつろな目をした男性、石田(阿部寛)の部屋に迎え入れられる。『地震はどうやって生まれるのか?』と尋ねる石田にアダは強く興味をひかれる。新聞記者だという石田の記事を見つけたアダは “孤独死(KODOKUSHI)”の問題が頭から離れず再び石田の部屋を訪ねていく。熱心に石田を取材するアダに岡部は取材をやめるように忠告するが。※2013年2月23日(土)よりシネマート六本木他、全国順次ロードショーⓒ NOODLES PRODUCTION, FILM ZINGARO 2 INC., FRANCE 3 CINEMA, 2011
『アルマジロ』-刺激的なゲームを待ち望む兵士。アフガニスタンの荒んだ土地で、現実の戦闘が始まろうとしている
2009年、アフガニスタン、南部ヘルマンド州にあるタリバンの拠点まで1キロ足らずという対タリバン基地『アルマジロ』。デンマーク軍とイギリス軍の200名が駐留するこのキャンプは過去に死者を出したこともある最も危険なエリアの一つ。『アルマジロ』で治安維持活動に従事するデンマーク兵士達の6ヶ月間を追うドキュメンタリー。ここで描かれているのはフィクションではなく全て、実際アルマジロ基地とその周辺で起こった現実の出来事である。前線で任務を遂行する兵士達の息遣い、アフガニスタンの住人の表情を生々しく捉えた一本だ。渋谷アップリンク、新宿K’s cinema、銀座シネパトスほか全国順次公開
『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』―老齢を迎えてから旺盛に生きるための7つの事例
大切なひととの再会のため、病気の治療のため、様々な事情を抱えた7人の老男女が旅に出る―行き先はインド。「神秘の国インドの高級リゾートホテルで、穏やかで心地よい日々を」という謳い文句に惹かれて、はるばるイギリスからやってきた彼らが目にしたのは、熱気溢れるインドの文化と、リゾートとはほど遠いボロホテルだった! 異国の地で彼らが見つける人生の機微とは? ウイットに富んだ会話と、画面から溢れんばかりの色彩が楽しいこのイギリス式インド映画を観たあとは、少しだけ、心のしこりがほぐれているに違いない。2013年2月1日よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国順次公開。©2012 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.
「演劇」と映画館の『親密さ』- 映画館で、演劇を、観る?生でしか味わえないはずの演劇が、映画という違ったフィルターを通した時、新たな創造として生まれ変わる。
オーディトリウム渋谷で2月9日(土)から行われる〈「演劇」と映画館の『親密さ』〉のラインナップが充実している。“演劇を題材にした映画”と言っても、その切り口は実に多彩。山下敦弘監督の舞台演出作品の記録『ぶたい版・中学生日記』、昨年公開されて話題になった想田和弘監督の平田オリザの演劇制作現場を追った長編ドキュメンタリー『演劇1』『演劇2』から、実在する歌舞伎を題材に作られ、原田芳雄の遺作となった『大鹿村騒動記』まで様々。演劇ファンと映画ファンを同時に満足させる有意義な11作です。