吉永くま

『シェフ! ~三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~』-パリの空の下で繰り広げられる愛と美味しさに満ちたドラマ

パリの由緒ある高級レストランを舞台に、新人&素人シェフたちが三ツ星を守るため奇跡を起こす、何とも痛快な物語。美味しい食事は人生の醍醐味であることに納得し、それを目と舌で味わう幸福を疑似体験できるだろう。繊細かつ華麗な伝統料理以外にも、科学を取り入れた分子料理が登場(そしてなぜか謎の日本人も!?)。 12月22日(土)から銀座テアトルシネマ、新宿シネマカリテ他全国順次ロードショー

「ジェラール・フィリップ生誕90年 デジタルリマスター版特別映画祭」 ― 永遠の貴公子に会える最後の映画祭

2012年の今年は、不世出の俳優ジェラール・フィリップの生誕90年。彼は1959年に36歳の若さで亡くなったが、忘れ去られるどころか、半世紀以上経った今もなお、映画祭が開催されるごとに新たなファンを生み出しているという。今回は、デジタルリマスターで鮮やかに蘇った5本の作品を上映。『赤と黒』『パルムの僧院』など、文芸作品を中心としたラインナップだ。残念ながら、これが「永遠の若者ジェラール・フィリップにスクリーンで会える最後の映画祭」になるそうだ。「スクリーンの恋人」という言葉は、すでに使い古されて陳腐に聞こえるかもしれないが、半世紀前と変わらず、今年も多くのファンが“恋人”に会いに映画館に出向くことだろう。ジェラールの輝くオーラが堪能できる5作品。彼の一挙手一投足から目が離せない。11月24日(土)から2週間限定 ヒューマントラストシネマ有楽町他全国順次公開(画像は『悪魔の美しさ』)。

『ATM』 - 殺人鬼が選んだ場所はATMコーナー! 日常空間が一転、惨劇の場になる。

先月、エレベーターに閉じ込められた人々の極限状態を描いた作品を紹介したばかりだが、今度の“密室”は何とATMコーナー。恐怖映画の舞台が廃墟の病院や邸宅だったのは、もう過去のこと。今は現金を下ろす日常の空間まで、その選択肢は広がっている。閉所に惨劇あり。ただ、今回のこの小部屋、外からはカードがなくては入れないが、内側からは出られる仕組みになっている。それなのに被害者はなぜ逃げられないのか? なぜ犯人は執拗に彼らを狙うのか? 不可解さマックスの90分。10月20日(土)から11月2日(金)までシネクイントにてレイトショー。©2011 GOLD CIRCLE DEVOLOPMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

『エレベーター』 - 密閉空間に閉じ込められる恐怖の中、人間の本性が剥き出しになる。

当然ながら、閉所が苦手な人におすすめできる映画ではない。狭く密閉された空間はほぼ満員状態。登場人物の一人は極度の閉所恐怖症で、その神経の昂りや緊張感にこちらまで息苦しくなる。そのうえ、あと少しで爆発する時限爆弾もエレベーターの中にあるという……。日常頻繁に使用するエレベーターで起こる恐怖は、他人事ではない。9月29日(土)から10月19日(金)までシネクイントにて公開。© Quite Nice Pictures 2011 All Rights Reserved.

『ハーフ・デイズ』 - コインに委ねた1日の運命。NYの恋人同士がパラレルワールドを走り抜ける!

7月4日の独立記念日。人生の岐路に立つ恋人同士のボビーとケイトはブルックリン・ブリッジの上でコインを投げ、お互い反対方向に走り出す。その先に待ち受けるのは、全く異なるパラレルワールド。ブルックリンとマンハッタンでどんな“ふたつの1日(ハーフ・デイズ)”が始まるのか。ジョセフ・ゴードン=レヴィットとリン・コリンズという旬なキャストを起用した疾走感溢れるドラマが、NYの2地区で同時に展開される。8月4日(土)よりシアターN渋谷、ほかにて公開。©2009 Uncertain Partners LLC

『アウェイクニング』 - 寄宿学校に棲む幽霊の正体は? 美しくも哀しい英国ゴシックホラー。

第一次大戦で多くの人が家族を亡くし、国全体がその暗い影を引きずっていた1920年代のイギリス。その時代の陰鬱な雰囲気、もとは私邸だったという広く薄暗い寄宿学校というゴシックホラー格好の要素を従え、背筋が凍るような超常現象とその背景を切なく美しく描く。7月28日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷にてレイトショー公開。(C)StudioCanal/BBC 2011

「20th アニバーサリー フランス映画祭」―記念すべき20回目を迎え、豪華ゲストも多数来日!

6月21日(木)~24日(日)、有楽町朝日ホール及びTOHOシネマズ日劇(レイトショーのみ)にて、第20回フランス映画祭が開催される。アニバーサリーイヤーの今年は、恒例だった団長制がなくなり、新たな制度として“Les Filles du cinéma français”「フランス映画の女たち」がスタート。来日ゲストも過去最多となり、トークショーやサイン会など各種イベントが映画祭を華やかに盛り上げる。また、作品ラインナップも充実し、長編11作品、短編6作品(1プログラム)の計12プログラムを上映。第65回カンヌ国際映画祭に公式出品された未公開アニメーション『アーネストとセレスティーヌ』や昨年の東京国際映画祭でサクラグランプリを受賞した『最強のふたり』など、話題作が目白押しだ。フランスの旬の作品を堪能できるスペシャルな機会をお見逃しなく!

『呼ばれて行く国インド』-バックパッカーの目線でインドの魅力を伝えるヴァーチャルドキュメンタリー。

バックパッカーとして多くの国を訪れている在日3世のキム・スンヨン監督が、ハンディカメラを片手に、不思議の国インドを旅する。歴史を物語る壮大な遺跡、悠々と流れるガンジス川や、活気あふれる街、根強く残る貧困とスラムなど、インドの多面的な魅力と社会的現状を旅人の目線で撮影したヴァーチャルドキュメンタリー。6月2日(土)より、東京・渋谷のアップリンクにてレイトショー。

『ロフト -完全なる嘘(トリック)-』-秘密の情事部屋と裸の女の死体。巧妙な罠が仕掛けられた心理サスペンス。

不倫という肉体的、精神的快楽の果てに、思いがけない落とし穴が待っているとしたら? 男同士5人で共有していた秘密の情事部屋に忽然と血まみれの女の死体が現れる。あわてふためく中年男性たちは、張り詰めた空気の中で心理合戦を繰り広げていく。本作は本国ベルギーで大ヒットを記録し、日本でも2009年に公開された『ロフト.』のオランダ版リメイク。オリジナルの持つ世界観や雰囲気をそのまま受け継いでいる。その予測不可能な展開には誰もが唖然とするだろう。4月21日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷の【未体験ゾーンの映画たち2012】にてレイトショー。(C)2010 Woestijnvis, Millstreet Films and Pupkin Film. All rights reserved.

『HIDDEN ヒドゥン』-病院廃墟の地下に隠された恐るべき秘密。

殺伐とした事件の多い今日でも、人体実験を行い脳内の物質からミュータントを作り出すというシチュエーションはかなり不気味である。低予算、新人監督、若手俳優とB級ホラーファンにはたまらない要素が揃った本作。居合わせた者が次々と犠牲になるという定番のストーリー展開も期待を裏切らない。製作総指揮は『バイオハザードIV アフターライフ』のドン・カーモディ、SFXは『ピラニア3D』のニューブリードVFXが担当している。(C) PCF Hidden The Movie Inc. /Redark S.r.l.