『OROKA』の原作・監督を務めた、YORIYASUさんにインタビュー!【過去の作品映像あり】
- 2010年09月21日更新
本気で命の大切さを考える作品、『OROKA』。 その原作・監督を務めたYORIYASUさんとは、一体何者なのか? という訳で、単独インタビューをして参りました!
数々の映画祭で高評を得ている、過去の短編アニメーション作品もご覧頂けます。
筆者イチオシの“YORIYASUワールド”を是非、ご堪能ください!!!
― 新作『OROKA』の制作で、一番苦労した点は何ですか?
僕が勤めているプロシード(株)という企業は、映画専門の会社ではないので、通常の仕事の合間に作らなくてはいけないのが大変でした。また、メッセージ性の強い作品を作る場合は、テーマについて自分がもともと知っている情報だけで作ると(作品の持つ説得力が足らなくて、勉強不足だと)批判をいただく可能性もあるので、扱うテーマを自分が実際に体験するために、保健所や児童福祉施設等へ取材に行ったり、改めて勉強をしたりしました。そういった点に苦労しました。(写真、左より2番目がYORIYASUさん。プロシード(株)の皆さま)
詳細は『OROKA』プレ上映会リポート記事にて、たっぷりとお伝えしております!
― 本業では、どのような仕事をしているのですか?
プロシード(株)の企画室にて、Webサイトや、CIVIデザイン、コーポレートカラーを考える仕事をしています。また、イラストレーターとしても活動しているので、雑誌のカットなども描かせて頂いています。
― では、肩書きは何になるのでしょうか?
なりたいのは映画監督ですね、現在は“映像作家”と名乗っています。その理由は、長編作品を撮った時に、 “映画監督”と名乗りたいという思いが自分の中にあるからです。
― YORIYASUさんの作品は、コンセプトは異なっても芯が同じで、伝えたいメッセージや思いが、作品に込められていますよね。映画の制作で、大事にしている事は何ですか?
自分が正しいと思った事を作っていきたいのと、自分が正しいと思っている事を改めて実際に体験するために現場へ行き、本当に正しいのかどうかを見きわめてから、みなさまに広めたいと考えていますただ、その中にはたぶん、間違いもあると思うんですね。
例えば、今回の『OROKA』では、仏教の世界で死を判別する事は本来だと「なし」なのですが、敢えて「あり」として描いています。「本当に命を大切にしましょう」という、根本的な軸を伝えたいという事であれば、アニメーションの中では「あり」でもいいんじゃないかな、と考えて、自分の正解として作っています。
― イラストレーターと映像作家は、いずれも表現者ですが、葛藤や不安は?
不安は沢山ありますね。今は、イラストでは自分の描き方にこだわっていて、映像では自分の作りたいものを作っていく事をメインにしているのですが、では、これらが本当にご飯を食べていく種になるのかというと、それは毎回不安ですね。本気になって作らなければならない訳ですが、いざ完成しても「駄作だ」と言われたらそれまでなので、やはりクリエイティブの世界は怖いですね。
― 当サイトのカメラマンでイラストレーターの、さとうまゆみの作品を見て頂きました。(さとうは、当サイトのブログ・ツイッターにて、背景のイラストを担当)
いいじゃないですか! こういう個性は必要ですよ。「見てください」と言ってくるイラストレーターさんは結構いまして、確かに皆さん上手なんですよ。でも、他の誰かが描けない作品かな、と考えると、そうではない場合が多いんです。でも、さとうさんの作品には、完全に個性が出ていますね。
こういう個性的な絵を描いていると、最初はなかなか仕事が来ないんですよ。でも、この個性を「すごくよい」と言って気に入ってくれる方が現れたら、完全にズドーンとはまってくるので、いいと思いますよ。(写真、手前:さとうまゆみ、奥:YORIYASUさん)
― YORIYASUさんご自身は、イラストレーターとして、どんな営業活動をしましたか?
今の会社に就職する前は、電力会社で全く違う仕事をしていました。電柱に登ったり、ダンプやトラックの運転をしたりしていたので、絵を描く機会はなかったんですよ。でも、絵を描くのが大好きで、それをどうにか生かしたいと思っていました。なので、デザインの学校に通って勉強をして、企業で使えるデザインのスキルを習得しました。
ただ、そこからすぐに仕事が生まれた訳ではなくて、『KIBABOT』という短編の映像を作ったんです。僕とロボットが漫才をする、という内容の作品です。その頃から、「ちょっと映画みたいなのを作りたいな」と思っていて。この作品を、TBSの『DegiCon6』というコンテストにエントリーして、奨励賞を頂いたんですよ。その時の審査員の方に声を掛けて頂いて、イラストの仕事をさせて頂くようになりました。以後、『TOKYO★1週間』でイラストを描かせて頂いていたのですが、同じ講談社の、『週刊現代』、『FRIDAY』、『ViVi』などでもイラストを使って頂くようになり、仕事が増えていきました。
コンテストに入賞して、それまで話す機会のなかったかたと話す機会を得られた事が、イラストが仕事になっていくきっかけでした。
― “KIBABOT (左の画像)”は、前作の『RE:Map(リマップ)』、新作の『OROKA』にもちょっと登場していますね。このキャラクターを大事にしているんだな、と思ったのですが、こだわりのひとつですか?
そうですね、“KIBABOT”がきっかけで本格的に映像を作ろうと思ったので……。 『うおっ部長』にだけは出ていませんが、こだわりというか、遊びですね。
― 影響を受けた作品や映像作家、映画監督はいますか?
実は、あまりいないんです。これはいい子ぶっている訳じゃないんですけれども(笑)。ものを作る方はすごいと思うので、尊敬する方は沢山いるんですけれど、実は幼い時から、漫画もアニメも全く観ないんですよ。独自で漫画を作りたい、アニメーションを作りたい、という思いがありました。
実写版の映画では『ノッティングヒルの恋人』が大好きです。「おっさんが何言ってんの?」と言われるかもしれないですけれど、ラブコメが好きです(笑)。熱い映画と恋愛映画は、結構好きです。
前進あるのみなので、行く方向へ行くのかなぁ、と思います。
― 人生の上で、大事にしている事や、思いはありますか?
人生一度きりなので、できるだけ全ての事を本気でやっていきたい。バカと言われてもよいから、本気でやりたいですね。
― 今後の挑戦について、教えてください。
もちろん、長編映画を制作することです。できたら全編アニメーションでやりたいですね。アニメーションを極めたいです。
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YORIYASUさんは、普段からとてもアツい方で、作品にも人柄が出ています!
では、実際にどんな作品を作っているのか? 何よりも、観て頂く事に尽きます!改行
『RE:Map(リマップ)』 (ブロスタTV)
『うおっ部長』 (ブロスタTV)
【映像作家・イラストレーター】 YORIYASU <公式ブログ>
<プロシード株式会社>(3DCG制作、イラスト、デザイン、Web制作など)
<『OROKA』公式サイト>
【イラストレーターとしての主な実績】
似顔絵S1グランプリ準優勝・審査員特別賞受賞。
内閣府認証日本似顔絵検定協会より、『公認似顔絵師』認定。
『愛・地球博公式Jrガイドブック』、イラストマップ制作。
『T-JOY』グループ(新宿バルト6他)、ロゴ制作。
季刊誌humhugにて『もりのてんとうむし』連載、絵本販売。
イラストやデザインでは雑誌以外にも、様々なジャンルを手掛けている。
【映像作家としての受賞歴】
『KIBABOT』
TBS『DigiCon 6』 奨励賞受賞。『BS-i』・『TBSチャンネル』・『王様のブランチ』にて放映。
DVD『関根勤・くりぃむしちゅープレゼンツ!!CGなんかでお笑いを目指しちゃう人のための傾向と対策』に収録。
『うおっ部長』
TBS『DigiCon 6+1』最終選考ノミネート。 GyaoTVにて放送。
『RE:Map(リマップ)』
山形国際ムービーフェスティバル・ノミネート(2008年)。
ロサンゼルス・ジャパンフィルムフェスティバル・スペシャルアワード受賞(2010年)。
大邱広域市短編映画際(韓国)・正式招待(2010年)。
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●『OROKA』プレ上映会のお知らせ(作品紹介)記事 改行
●命の大切さを本気で考える― 『OROKA』プレ上映会リポート記事
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取材・編集・文・スチール撮影:南野こずえ スチール撮影:さとうまゆみ 取材:香ん乃
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