『瞳の奥の秘密』

  • 2010年08月18日更新

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すべてを知りながらも、もの言わなかった瞳は、最後に何を語り、どんな秘密を打ち明けるのだろうか。

2009年に『おくりびと』 の受賞で注目されたアカデミー賞外国語映画賞。2010年の第82回開催で、その栄冠に輝いたのが本作だ。

刑事裁判所を定年退職したベンハミンは、25年前に担当した忘れ難いある殺人事件を題材に小説を書き始める。それは、幸せな新婚生活を送っていた女性が暴行殺人された残虐な事件だった。ベンハミンは越権行為で証拠を押さえ犯人逮捕に至るが、犯人は釈放されてしまう。そんな苦い事件を思い返すと同時に、当時の上司だったイレーネへの秘めた想いも鮮やかに甦ってくる。

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この作品は、未解決事件を追う犯罪ドラマであり、その謎解きを楽しむミステリーでありつつも、秘めた想いを抱えるベンハミンの純愛と葛藤を丁寧に描いたラブストーリーでもある。

オープニングの駅のシーンは、言葉を語らずとも「瞳」が想いをはらんでいる。そこにどんな想いが秘められているか、話が進むにつれ、それがじわじわと沁みてくる。

エリートで美しい上司、イレーネに想いを抱きつつも、身分の違いや婚約者の存在を目のあたりにして自分を抑えるベンハミン。

しかし、そんなベンハミンにイレーネは何度かチャンスを与えるのだ。聡明で強く、愛されている確信があったとしても、女は男にはアクションと言葉を求めるのである。

25年の歳月を越えて再会したベンハミンとイレーネの想いの行方。

そして、未解決殺人事件から25年経って判明する衝撃の事実。

すべての封印が解き放たれる結末やいかに―

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▼『瞳の奥の秘密』
作品・公開情報

スペイン・アルゼンチン/2009年/129分
原題:”EL SECRETO DE SUS OJOS”
英題:”THE SECRET IN THEIR EYES”
監督・共同脚本・編集:ファン・ホセ・カンパネラ
出演:リカルド・ダリン ソレダ・ビジャミル ギレルモ・フランチェラ 他
配給:ロングライド
コピーライト:(C)2009 TORNASOL FILMS – HADDOCK FILMS – 100 BARES PRODUCCIONES – EL SECRETO DE SUS OJOS (AIE)
『瞳の奥の秘密』公式サイト(注:音が出ます)
※2010年8月14日(土)より、TOHOシネマズシャンテ(東京)ほかにて全国順次ロードショー!

文:那須ちづこ
改行

  • 2010年08月18日更新

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