『シュアリー・サムデイ』
- 2010年07月23日更新
「いつか、きっと」を英語にしたら?
10代の頃の小さな疑問から生まれた ― 『シュアリー・サムデイ』 ―
構想から9年、長年の思いを形にした小栗旬さんの初監督作品。10代の頃、親戚のおじさんに訊いた「いつか、きっと」を英語にしたら?という小さな疑問から生まれた『シュアリー・サムデイ』。
『クローズ ZERO』などで圧倒的な支持を得ている脚本家の武藤将吾さんに小栗が原案を持ち込んで脚本を依頼し、4年を経て全国公開となった。
今作はゆうばり国際ファンタスティック映画祭2010 (2010年2月25日から3月1日開催) にて、オープニング招待作品としても上映された。
キャスティングには小栗自らも参加し、岡村隆史さん、竹中直人さん、大竹しのぶさん、井上真央さん、妻夫木聡さん、上戸彩さんなど、主役を張れる豪華な面々が、なんと脇役で出演している。見逃してしまいそうな僅かなシーンであるにも関わらず「小栗のためなら」と一肌脱いだ結果である。それは『俳優・小栗旬』としての人徳であり、作品への熱い思いの理解者たちとも言えるだろう。
「僕の全てです」と言い切ったこの作品には、青春、アクション、コメディ、感動など、沢山の見どころがパンパンに詰まっていて、作りたいモノを思い切り作りました! という監督の思いが隅々まで活かされている。出演しているキャストは豪華だが、作品自体は商業映画という枠ではなく、自主映画の要素を強く感じた。
今作でCDデビューを果たした小出恵介さん、その楽曲提供にトータス松本さん。エンディング曲には手嶌葵さんの澄んだ美声が心地よい余韻を与えてくれる。
スタイリッシュな世界観と巧妙に仕掛けられた伏線、加速するストーリー展開。
そして最後に待ち受ける、圧倒的な爽快感。
まるで、おもちゃ箱をひっくり返したような、賑やかで贅沢な自主映画である。
▼公開直前イベント記事▼(7/15掲載)
小出恵介さん熱唱!『シュアリー・サムデイ』イベントで小栗旬監督が自画自賛?!
【あらすじ】
モテるために必死でバンドの練習をし、文化祭に出る事を夢見ていた。が、突然、文化祭が中止となる。納得出来ない5人は文化祭復活のために教室占拠し、爆弾予告!だけのつもりが……誤爆!
その結果、学校爆破犯のレッテル、退学、勘当、引きこもり、しまいには親の自殺。
爆破事件以来、何をやっても上手くいかない、巧(小出恵介)、京平(勝地涼)、和生(鈴木亮平)、雄喜(ムロツヨシ)、秀人(綾野剛)。
『明るい未来なんてない』そう思いながら過ごしてきた。
そんなある日、ヤクザ稼業に身を落とした和生のせいで大事件に巻き込まれ 「明日までに3億円と女(小西真奈美)を持ってこないと臓器を売って沈める」と脅迫される。太刀打ちできない状況、挙句の果てには父(竹中直人)から負け犬呼ばわりをされた巧。 「バカで最強だった俺たちを取り戻す!」と、自分から逃げることをやめ、過去と向き合う決心をする。
離れ離れだった5人が命を懸けて再び集結。こいつらとなら本気になれる、そんな巧みの熱い思いが仲間を突き動かす。果たせなかった夢を片手に。バカでもいい、格好悪くてもいい、本気ならそれでいい!
5人が背負った罪と罰。その全てを取り戻すように、再び立ち上がる!
― 青春 ― それは何かに思い切り夢中になれる事だ。
▼『シュアリー・サムデイ』作品・公開情報▼
監督:小栗 旬
脚本:武藤将吾
音楽:菅野よう子
キャスト:小出恵介/勝地 涼/鈴木亮平/ムロツヨシ/綾野 剛/モト冬樹/原 日出子/遠藤憲一/山口祥行/高橋光臣/須賀貴匡/高橋 努/笹野高史/井上真央/阿部 力/大竹しのぶ/津田寛治/妻夫木 聡/上戸 彩/小西真奈美/横田栄司/竹中直人/岡村隆史/吉田鋼太郎
上映時間: 122分/配給: 松竹 (C)2010「シュアリー・サムデイ」製作委員会
2010年7月17日 全国ロードショー
<「シュアリー・サムデイ」公式サイト>(注:音が出ます)
文・南野こずえ
- 2010年07月23日更新
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