『ムラサキカガミ』

  • 2010年06月05日更新

murasakikagamimain

主演に紗綾、脇を固めるのは長澤奈央と、今をときめく若手女優が顔を揃えた「オール女性キャスト」の『ムラサキカガミ』。

高校の女子テニス部が舞台で、ハートフルな青春映画の担い手として印象の強い三原光尋がメガフォンとくれば、「甘酸っぱくてせつない青春群像劇かな?」と早とちりをしてしまいそうだが、戦慄する準備を整えて、映画館へ足を運ぼう。『ムラサキカガミ』は、恐怖の都市伝説をテーマにしたホラー映画である。

午後11時35分に、校舎の大鏡の前で、「紫の鏡」と5回唱えると、焼けただれた少女が現れる ― かつて、この噂が真実かどうかを冗談半分に試した女生徒2名は、ひとりは顔の皮を剥がれた遺体で発見され、もうひとりは気がふれてしまったという。この都市伝説を顧問から聴いて、高校の女子テニス部の部員たちは笑ったが、感受性の強い美奈子は胸騒ぎを覚えた。美奈子を含めた部員たちは、大鏡のある校舎に合宿で泊まりこむことになる。夜を迎えて、はしゃぐ部員のひとりが、「大鏡の前に行ってみよう」と美奈子を誘うが……。

murasakikagami2

「深夜の学校」の教室を、トイレを、階段を、乏しい灯りだけを頼りに、「大鏡」を目指して歩く女生徒たち。

「するべきではないこと」には、不気味な魅力があるもの。「命にかかわるかもしれない」と頭ではわかっていても、集団心理が働くと、好奇心旺盛にも、友達に対して残酷にもなりうる。

美奈子には、集団に惑わされない「理性」と「直観」があったはずだった。しかし、真実を純粋に見抜いた美奈子だからこそ、……「彼女」に懐かれてしまったのかもしれない。

murasakikagami3

▼『ムラサキカガミ』作品・公開情報
日本/2010年/63分
監督・脚本:三原光尋
出演:紗綾 長澤奈央
上杉奈央 森下まい
安岡あゆみ 岡本奈月 他
製作:エースクルーエンタテインメント ポニーキャニオン
配給:日本出版販売
コピーライト:(C)2010「ムラサキカガミ」製作委員会
『ムラサキカガミ』公式サイト (注:音が出ます)
※2010年6月5日(土)よりシアター・イメージフォーラム(東京)にて、同7月17日(土)よりシネ・ヌーヴォX(大阪)にて、それぞれレイトショー。

文:香ん乃
改行

『ムラサキカガミ』主題歌:Lay『RED』
この愛であるように(DVD付)【ジャケットA】 この愛であるように【ジャケットB】

改行

三原光尋監督作品
しあわせのかおり [DVD] スキトモ [DVD] 村の写真集 [DVD] ドッジGO!GO! [DVD]

改行

  • 2010年06月05日更新

トラックバックURL:https://mini-theater.com/2010/06/05/4785/trackback/