『ホテルチェルシー』のヒロ・マスダさんと長澤奈央さんが、トーク・ショーで撮影秘話を!

  • 2010年05月19日更新

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2010年7月16日にDVDが発売&レンタル開始の『ホテルチェルシー』。

渋谷シアターTSUTAYA(東京)での公開期間中に、企画・プロデューサー・脚本・出演を務めたヒロ・マスダさんと、主演の長澤奈央さんによるトーク・ショーが開催されました!

撮影秘話と、ファンにはたまらないエピソードが満載だった、このトーク・ショー。映画館で本作をご覧になったかたは復習に、DVDの発売をお待ちのかたは予習に、リポートをお楽しみください!

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「日本から発信する海外映画を作りたい、と思いました」(マスダさん)

2010年5月12日のトーク・ショーに登壇したのは、ヒロ・マスダさん。『ホテルチェルシー』の撮影が2009年の1月に8日間でおこなわれたということは、当サイトでのインタビューでも聴かせてくださいましたが、撮影初日にあたった2009年1月20日は、バラク・オバマ大統領の就任式の日だったそうです。

まずは、マスダさんの解説付きで、『ホテルチェルシー』のメイキング映像が上映されました。そのあとは、駆けつけたお客さまとのQ&A! さてさて、どんな質疑応答が繰り広げられたのでしょう?

― 本作を作るにあたって、日本発の映画を海外に出したいとの意図があったということですが、なぜ日本の東京等ではなく、アメリカのニューヨークを舞台にしたのですか?

ヒロ・マスダさん(以下、マスダ) 純日本映画も、もちろん、よいのですが、本作は主には、日本のマーケットに向けて作った作品なので、(日本ではない場所の)ニューヨークで撮ったほうが、日本のお客さまに魅力的に映るのでは、と思いました。
単に、「日本の映画を、海外で撮影した」というものではなくて、「海外とのやりとりがある映画を作りたい」と考えたんです。日本で新しいマーケットを開拓していきたいのと同時に、海外での日本映画のマーケットを広げていきたい、という意味で、「海外を題材にした日本映画」を作りました。

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― では、「本作を通じて、日本のカルチャーを発信したかった」というわけではなく、敢えて、ワールド・ワイド(の作品)にしたい、と考えていた、ということですか?

マスダ ユニヴァーサルという意味では、英語(の映画である、ということ)がユニヴァーサルになります。ただ、海外、特にアメリカから見ると、たとえば(本作のように)日本人の女優さんが出演しているのは、魅力的に映ると思います。

― ニューヨークが舞台の本作ですが、登場する警官や、マスダさんが演じた田中ケンジの描きかたは、日本的に見えました。そういった部分は、日本人の観客に対して、意図的に親近感を持たせようとしてのことだったのですか?

マスダ 日本映画としての部分も出していきたかったので、半分は、そうとも言えます。
アメリカ映画になりきるのか、日本映画になりきるのかは、難しいところなのですが、その中間を巧く出したいと思いました。日本のお客さまから観れば外国映画風なのですが、海外のお客さまには日本のテイストの映画として観ていただきたくて、そういった感じになるよう工夫しました。

― 主人公の田中エミ役に長澤奈央さんを起用した理由と経緯は?

マスダ 日本側のキャスティングをしたのは私ではないのですが、私自身も長澤さんの過去の出演作は知っていましたし、(クランク・インの前に長澤さんと)打ち合わせをして、彼女の本作に対する意欲と、海外に進出していきたいというお考えを伺いました。
私は脚本家として、完成した本作を観たときに、自分が書いたキャラクターの田中エミを、長澤さんという素晴らしい女優さんに演じていただけたことと、それが世界の映画祭に認められたことが、とても嬉しかったです。

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― 撮影が始まってから、もともとの脚本に変化が生じたことはありましたか?

マスダ 日数の制限などの撮影の流れで変更してしまった点や、監督との演出の点で変更された点もあります。殺人での凶器やホラー性が強いストーリーも演出によって変更された点です。当初スナッフフィルム(殺人映像があるビデオ映像)を重点において、(2007年のアメリカ映画の)『パラノーマル・アクティビティ』のような家庭用ビデオのような演出を重点において、その後カメラの切り替えたあとのサスペンスに生かして欲しいものがありました。当初はPOVの演出が生きていたものでしたが、実際のエンディングは別のものになっています(笑)。

― 今後、作りたい映画は?

マスダ 私はニューヨークに8年間暮らしていたので、そのときの実体験をもとにした、日本、アメリカ、そして、メキシコの3ヶ国を渡った感動作を作りたいです。また、『ホテルチェルシー』の反響がよければ、『ホテルチェルシー2』の実現も考えたいと思っています(笑)。

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「本作を通じて、全世界から集まったスタッフと撮影ができて、とても楽しかったし、自分にとって大きな財産になった、と思っています」(長澤さん)

2010年5月14日のトーク・ショーに登壇したのは、主人公の田中エミ役を演じた長澤奈央さん。

長澤さんは本作で、2009年のマートルビーチ国際映画祭の主演女優賞に輝きました。記念すべきそのトロフィーは、渋谷シアターTSUTAYAにて『ホテルチェルシー』が公開初日を迎えた際の舞台挨拶で、長澤さんに贈呈されました。

「受賞したと初めに聞いたときは、絶対に『だまされてる』と思ったんですけど(笑)」と、長澤さんは受賞の当時を振り返り、「でも、それから数ヶ月経って、(本作の公開初日舞台挨拶のときに)ようやくトロフィーをいただいて、『本当に受賞したんだ』と実感すると同時に、スタッフや共演者のかたがた、応援してくださるファンのみなさまのおかげで受賞できたんだな、とすごく嬉しく思いました」と笑顔になりました。

まずは、「長澤さんがマートルビーチ国際映画祭の主演女優賞を受賞するまでの軌跡」という趣向で、長澤さんの過去の出演作3本(『Girl’s BOX ラバーズ☆ハイ』、『ロックンロール★ダイエット!』、『ハード・リベンジ、ミリー ブラッディバトル』)のダイジェスト映像が上映されました。
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Girl’s BOX ラバーズ☆ハイ [DVD] ロックンロール★ダイエット! [DVD] ハード・リベンジ、ミリー ブラッディバトル [DVD]

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役によって七変化する長澤さんの映像を楽しんだあと、話題は『ホテルチェルシー』に。集まった観客のみなさまが間違いなく、「長澤さんに、これを訊きたい!」とお思いであろう質問を、MCが長澤さんに投げかけます。

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― どのような気持ちで、『ホテルチェルシー』の撮影に臨みましたか?

長澤奈央さん(以下、長澤) 本作の脚本を初めて読んだときに、「ストーリーの時間経過や時間軸が自分の中でずれたら、演技をする上で大変なことになる」と思ったので、脚本を何回も読み返して、(自分の中で)ちゃんと整理をしてから、ロケ地のニューヨークへ向けて、日本を発ちました。

― 英語の台詞が多かったですが、いかがでしたか?

長澤 英語の勉強は、とても大変でした。撮影現場で外国人のスタッフとディスカッションをするというのは、日常会話とは違いますよね。「今日は、いい天気だね」だなんて、言わないじゃないですか(笑)。たとえば、監督に、「このシーンのエミの気持ちは」などと、自分が今まで英語で使ったことのなかった単語で話さなくてはならないので、大変でした。
また、日本と外国では、撮影スタイルがまったく違うので、戸惑うこともたくさんありました。でも、スタッフのみなさまは、とても明るく親切で、私が不安がっているのを察して、私が安心して納得がいくまでディスカッションをしてくれました。(よい意味で)とてもぶつかりあえたのではないか、と思っています。

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― チェルシーホテルの印象は?

長澤 今でも、全世界から多くのアーティストが集まっているんです。たとえば、ロンドンで活躍しているミュージシャンがロビーでギターを弾いていたり、有名な画家のかたが普通にデッサンを描いていたりするんですよ。
そういったかたがたが集まってくるのがわかる、とても神秘的で不思議なホテルでした。決して新しい建物ではないですし、内装がとても綺麗というわけでもないんですけど、人々がここに住み着いてしまうのがわかる空間なんです。
ホテルの階段の途中に、たくさんの絵や彫刻が置いてあります。それらは、昔、お金のないアーティストのかたがたが、自分の作品をホテルに渡して泊めてもらったから、だそうです。素晴らしいアートがたくさんあるホテルなので、見ていてとても楽しかったです。

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― ニューヨークはいかがでしたか?

長澤 ニューヨークを訪れたのは初めてだったのですが、本当に刺激的な街でした。多くのかたがたが、夢や希望を追いかけて、この場所に集まってくるんだな、と感じました。
道を歩いているだけでも、いろいろなかたがいらっしゃって、すごく楽しかったです。私は英語が流暢に話せるわけでもないのに、この街で全世界から集まったスタッフと撮影ができてとても楽しかったし、自分にとって大きな財産になった、と思っています。

― 今後の目標や、チャレンジしてみたい役柄は?

長澤 もっと英語を勉強して、今回のように海外等の作品にも出演したいとは思います。でも、そういったこととは関係なく、めぐりあった役をひとつひとつ、大切にお芝居をしていきたい、と思っています。
チャレンジしたい役柄は……、私はこれまで、いろいろと幅広く役をやらせていただいているのですが、そういう意味では、「ごく普通の女の子」の役を演じてみたいです。でも、どんな役というよりも、本当、ひとつひとつの役を大切に、自分ができうる限り、精一杯演じていきたいです。

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最後に、当サイト恒例、《セレブの靴チェック!》です!!

長澤さんの足元は、ひと足早く夏のリゾート気分を味わえそうな、ウェッジ・ソールのサンダル。アイヴォリーの上品なサンダルが、脚線美をより引き立てていますね!

『ホテルチェルシー』は、レーダーハンブルク国際映画祭とクィーンズ国際映画祭に正式出品され、マートルビーチ国際映画祭では最優秀外国映画賞と主演女優賞に輝いたのは、みなさまが既にご存知の通りです。2010年8月には、アカデミー賞公認ロードアイランド国際映画祭への出品が決まっています。

これからも各国際映画祭で注目必至の『ホテルチェルシー』。渋谷シアターTSUTAYAでの公開を惜しくも見逃されたかたは、2010年7月16日発売のDVDをぜひチェックなさってみてください。

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↓DVD予約受付中!↓ ▼『ホテルチェルシー』作品情報
日本/2009年/74分
原題(英語):”HOTEL CHELSEA”
監督:ホルヘ・バルデス・イガ
脚本:ヒロ・マスダ
出演:長澤奈央 鈴木砂羽 アンソニー・ローレン ダニエル・ウィルキンソン ジャスティン・モーク
ヒロ・マスダ 他
音楽:the GazettE 「HEADACHE MAN」
製作:エースデュース Ichigo Ichie Films LLC テンダープロ
コピーライト:(C)Hotel Chelsea Film Partners 2009
『ホテルチェルシー』公式サイト(注:音が出ます)
※2010年7月16日、DVD販売及びレンタル開始。
ホテルチェルシー [DVD]

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『ホテルチェルシー』 作品紹介
『ホテルチェルシー』 ヒロ・マスダさん インタビュー

取材・文:香ん乃 スチール撮影:南野こずえ
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