巨匠たちのサイレント映画時代―神保町シアターのお正月特別興行で、無声映画をじっくりと。

  • 2012年01月08日更新
サイレント映画を映画館で楽しんでみたいとは思っても、「どこで上映しているのか、どの作品を選べばよいのか、わからない」というかたは多いかもしれない。

2012年1月4日(水)~14日(土)、東京・神田の神保町シアターで、新年の特別興行として「巨匠たちのサイレント映画時代」が開催されている。無声映画に造詣が深いかたはもちろん、このジャンルの初心者のかたにも心身ともにアクセスしやすい、日本のサイレント映画をじっくりと味わわせていただける企画だ。

『御誂次郎吉格子』―ピアノ伴奏と味わう、鼠小僧次郎吉の物語。

今回の企画では、大半の作品に音楽の伴奏が、一部の作品に活動写真弁士による語りがつく。伴奏と語りは、もちろん、「生」。ライヴ感にあふれた公演は、映像への想像力と高揚感を増幅させてくれるので、まさに「劇場へ行かなければ体験できない喜び」のひとつだ。

『御誂次郎吉格子』
日本/1931年/60分
監督:伊藤大輔
出演:大河内傳次郎 伏見直江 伏見信子 山口佐喜雄 山本禮三郎 高瀬(勢)實乗
(C)日活 

1月9日(祝・月)12:00 伴奏:柳下美恵 語り:坂本頼光
1月10日(火)19:30 伴奏:柳下美恵

伊藤大輔監督と名優・大河内傳次郎による時代劇の傑作。鼠小僧次郎吉の物語。

『折鶴お千 [サウンド版]』―昭和初期の神田界隈に思いを馳せよう。

古い時代の実写映画を観る楽しみのひとつは、当時の情景を教えてもらえること。東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵のプリントで上映される『折鶴お千 [サウンド版]』では、昭和初期の神田の姿を見せてもらえる。

『折鶴お千 [サウンド版]』
日本/1935年/90分
監督:溝口健二
出演:夏川大二郎 山田五十鈴 芳沢一郎(羅門光三郎) 芝田新 島井正 藤井源市

1月13日(金)12:00 (生演奏なし)

17歳の山田五十鈴が演じる艶めくヒロインに注目。神田明神やニコライ堂など、当時の神田界隈の情景が映っているのも見どころ。


(画像は『折鶴お千 [サウンド版]』より)
▼お正月特別興行 巨匠たちのサイレント映画時代
期間 2012年1月4日(水)~14日(土)
場所 神保町シアター
※その他の上映作・上映スケジュール・出演者等の詳細は、上記、劇場の公式サイトをご参照ください。

文:香ん乃


  • 2012年01月08日更新

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