『とら男』8月公開決定— 元刑事が主演!? 実在の未解決事件の真相に迫る!

  • 2022年05月19日更新

元刑事主演で描く未解決事件の真相
『とら男』ユーロスペースほか全国順次公開

30年前に起きた「金沢女性スイミングコーチ殺人事件」。この未解決事件の真相に迫るセミドキュメンタリータッチのミステリー映画『とら男』が、 2022年8月6日(土)より東京のユーロスペースほか全国順次公開される。

監督・脚本を手掛けたのは、映像ディレクターとしてCMやMVを中心に活躍し、2017年には映画『堕ちる』が32分の短編ながら単独劇場上映された気鋭、村山和也。当時事件を担当していた元石川県警特捜刑事の西村虎男を主演に迎えるという前代未聞のキャスティングで、初の劇場用長編映画に挑んだ。


犯人はまだ生きている——
闇に葬られた事件の謎と真実を世間に問う

映画『とら男』5【STORY】とら男(西村虎男)は、ある事件のことが忘れられないまま孤独に暮らしている元刑事。そんなある日、東京から植物調査に来た女子大生かや子(加藤才紀子)と偶然に出会う。とら男の話に興味を持ち、彼女は事件を調べ始める。誰からも忘れられた事件はゆっくりと動き出していくことになる……。

映画『とら男』41992年9月に起きた「金沢女性スイミングコーチ殺人事件」は未解決のまま、2007年に時効が成立した。犯人の目星をつけながらも、逮捕に至ることができなかった担当刑事の西村虎男。しかし、刑事歴30数年の執念の捜査は終わらない。時効から15年、当事者本人役で主演し、現実とフィクションの二重構造を軸に、闇に葬られた事件の謎と真実を世間に問う——。

演技初挑戦で第22回TAMA NEW WAVEベスト男優賞を受賞!

「虎男さんの無念さを映画で表現したかった」と語る村山監督は、幼い頃に殺人現場の近くに住んでおり、当時から事件に興味を持っていたという。そんな思いで撮り上げた本作で主演を務めや西村は、演技初挑戦ながら第22回TAMA NEW WAVEでベスト男優賞にも輝いた。

映画『とら男』3 映画『とら男』6

コメント&プロフィール

村山和也/監督・脚本

みなさんは、人生で一番幸せな時はいつですか?

私は、何も心配することなく暮らせて親友も父もおばあちゃんもおじさんも、みんな生きていた小学生の頃です。そんな時代にある殺人事件がありました。しかも、よく野球をしていた公園で犯行が起こった事件です。この映画は、そのことなら彼らにも分かるのではという個人的な想いから始まっています。

事件を調べていく中で出会った元刑事の西村虎男さんには、本を書いてまで誰かに伝えたかった積年の想いがあります。それを背負って映画を作ることになるわけですが、撮影しながら取材したりと、事件を再捜査するような感覚で作った映画です。こんな特殊な映画に参加してくれた加藤さんはじめ役者、スタッフのみなさん、そして亡くなった撮影監督の鈴木イヴゲニには本当に感謝の気持ちしかありません。

さまざまな想いの詰まった『とら男』が、この化石のような未解決事件を少しでも動かすことができたらと思います。

【プロフィール】1982年石川県生まれ。2002年ニューヨーク市立大学在学中に短編映画から映像制作を始める。帰国後、CM制作会社を経て2008年よりCM・MVを中心に映像ディレクターとして活動をスタート。2017年、映画「堕ちる」が、32分の短編映画ながら映画館で単独上映されるなど、国内外で話題を呼ぶ。

西村虎男/主演:とら男役

映画『とら男』メイン画像映画の世界とは無縁の私が『とら男』の主演として銀幕に? 未だに信じられないような気持ちでいます。

村山監督とは、私が警察を退職した後、ある目的を持って出版した電子書籍を通じて知り合い「事件を題材にした映画を作る……」との話は聞いていたのですが、私が出演する映画になるとは夢にも思っていませんでした。

3年後に「ロケハンに付き合って欲しい」と言われ、軽い気持ちで撮影場所などの案内をし、その時に初めて私が出演する映画として準備が進められていることを知り、一瞬戸惑ったのですが、村山監督の映画に掛ける熱意と人柄に押し切られ「なるようになれ」との思いで、カメラの前に立つことにしました。

現場では、かや子役の加藤才紀子さんに合わせてもらうような撮影で「加藤さんは、やりづらかったのでは?」と思っています。

村山監督同様、この映画で「社会の何かが変わるきっかけになれば?」と思っています。

【プロフィール】1950年石川県生まれ。元石川県警特捜刑事。42年間の警察人生の内、32年間刑事人生を歩き、未解決となった女性女性スイミングコーチ殺人事件捜査を最後に、刑事生活を終える。退職後は事件を扱った電子書籍「千穂ちゃん、ごめん!」を書きあげた後、農園で野菜作りをしながら、細々と執筆活動をしている。本作で第22回TAMA NEW WAVEベスト男優賞を受賞。

加藤才紀子/主演:かや子役

映画『とら男』1情報過多な時代を生きる中で、誰もが「既に終わった」と思う事柄に対して、「終わることができない」人たちがいます。私が演じた梶かや子という役は、その点に関して強いこだわりを持っているのですが、周りの人は次へ次へと進んでいってしまう。

そんな中、とら男さんと出会い、まるで初めて見つけた同志のような気持ちを抱き、未解決事件に深く関わるようになります。撮影中はドキュメンタリーとフィクションの狭間にいるような、なんとも不思議な感覚でした。俳優として、人の人生にここまで関わったことは、後にも先にも『とら男』が初めてで、村山監督との出会いから撮影、完成に至るまで、たくさんの奇跡の連続だったように思います。ぜひ、スクリーンでご覧ください。

【プロフィール】1993年生まれ、東京都出身。『リップヴァンウィンクルの花嫁』(2016)にてスクリーンデビュー後、映画・ドラマ・CMなどの映像作品を中心に活躍。主な出演作に『飢えたライオン』(2018)、『普通は走り出す』(2019)、『海辺の映画館ーキネマの玉手箱』(2020)、『春』(2021)など。劇場公開長編の主演作は本作が初である。


▼『とら男』作品・公開情報

映画『とら男』ポスター画像(2021年/日本/98分/DCP)
監督・脚本:村山和也
撮影:Evgeny Suzuki 音楽:前口渉
出演:
西村虎男加藤才紀子
緒方彩乃、河野朝哉、河野正明、長澤唯史、南一恵、 吉田君子、中谷内修、深瀬新、安澄かえで、大塚友則、河原康二、石川まこ
製作・配給:©「とら男」製作委員会

『とら男』公式サイト

※ 2022年8月6日(土)より執念のロードショー! ユーロスペースほか全国順次公開

 

編集:min

  • 2022年05月19日更新

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