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『陶王子 2万年の旅』— 本予告編公開! 女優「のん」の語りが耳に心地よい、陶磁器の発展を辿る2万年の旅
- 2020年12月06日更新
『ひめゆり』『千年の一滴 だし しょうゆ』の柴田昌平監督による6年ぶりの新作映画、『陶王子 2万年の旅』が2021年1月2日より全国順次公開されることが決定し、併せて本予告編映像が解禁となった。本作は、2万年にわたる土器から陶磁器への発展の歴史を追いながら、人類の限りない探求心と創意工夫を描く壮大なスケールのドキュメンタリー。女優「のん」が語りを務めることでも話題を呼んでいる。
陶磁器の発展の歴史を通して
人類の探究心を辿る2万年の旅へ
本作は、もともと2019年にNHKのBSプレミアムで放送された「陶王子 2万年の旅 器の来た道」というテレビ作品。その後、人形アニメーションや撮影を加えて2020年1月にNHKのBS4Kで放送され、放送界で権威あるATP賞ドキュメンタリー部門優秀賞を受賞した。劇場版では、NHKの放送にはなかったカットが加わり、さらに見ごたえのある作品へと昇華している。
◆『陶王子 2万年の旅』本予告編映像◆
【あらすじ】2万年前――日本列島を含むアジアの東端。粘土の手触りが気持ち良くてこねくり回していた古代人が、それを 火に入れたとき硬いものが生まれた。それが土器、つまり陶磁器の始まりだ。より硬く、より便利に、カッコよく、キレイに……私たち人間の果てしない探求心を追いながら、カメラは青森から日本各地、中国、メソポタミアか らマイセン、セーヴルへ、更には宇宙に飛んでいく。そこから見えてくるのは、陶磁器の発展を可能にした人 類の欲求と創意工夫だ。この映画を観おわって飲む一杯のお茶、それは格別の香りに満ちていることだろう。
「のん」の声と語りが心地よい
柴田昌平監督6年ぶりの新作
メガホンを執ったのは、2007年のドキュメンタリー映画賞を独占した『ひめゆり』、2015年の日仏合作の話題作 『千年の一滴 だし しょうゆ』で知られる、柴田昌平監督。6年ぶりの新作となる。
そして、本作の語りを務めたのが、12月18日(金)に主演映画『私をくいとめて』の公開も控える、女優の「のん」だ。2016年公開の『この世界の片隅に』で主人公・すずの声を好演し、今年8月に日本公開され現在も一部劇場で公開中のアニメーション映画、『マロナの幻想的な物語り』の吹き替え版でマロナ役を演じるなど、声の演技にも定評のある彼女が、本作ではドキュメンタリー映画の語りに初挑戦する。のんの素直な声と語りが耳に心地よく、本作に温かな彩りを添えているのも見どころだ。
2021年1月2日(土)よりポレポレ東中野 、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開。
日本は土器の発祥地でもあり、土の種類も豊か。窯や作家の数も、世界的に見てずば抜けて多い。でも、今の多様な日本の器の背景には、洋の東西を行き来しながら、人類がみなで育ててきた歴史がありました。セラミック・ロード――この地球の東西を、人々の「用と美」の欲求を乗せてつないだ道。この映画が分断する世界をつなぐ希望となることを願っています。
▼『陶王子 2万年の旅』作品・公開情報
( 2021年 / 日本・中国 / カラー / 110分 )
語り:のん
監督:柴田昌平
人形アニメーション:耿雪 Geng Xue (2019年ヴェネツィア・ビエンナーレ、中国代表)
制作・著作 : プロダクション・エイシア/NHK/NHKエデュケーショナル
国際共同制作: Tencent Penguin Pictures(中国)
配給:プロダクション・エイシア 配給協力:ポレポレ東中野
©プロダクション・エイシア/NED
※2021年1月2日(土)よりポレポレ東中野 、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
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