ミニシアターに行こう。

2010年9月16日(木)、テアトル新宿（東京）にて、『乱暴と待機』完成披露試写会が行われました。「攻撃的な妊婦を演じた」と、小池栄子さん。「アニマルプラネットのようです」と語った山田孝之さん。当日の様子をリポート致します！(写真、左より、山田孝之さん、小池栄子さん、美波さん、本谷有希子さん、冨永昌敬監督)

― まずは皆さまに、一言ずつお願いします。
美波　去年の11月に撮影をして、ようやく公開という実感が少しずつあります。本谷さんの世界観を一緒に作る事ができ、嬉しく思っています。『覗く男の興奮と興味』、『覗かせる女の快感』を是非スクリーンを通して味わって頂ければと思います。

小池　苦しかった撮影でした。嫉妬に荒れ狂う女の役だったので、とにかく辛い撮影という記憶があります。『覗く男』と『覗かせる女』を相手にするんですけれど、私は結構正しい事を言っていて、普通の女性が思う目線で、苛立ったり、悔しかったりを演じ、それでも交われない孤独感を味わいました。作品を観た時に自分の撮影が孤独だったという思いが出ているんじゃないかなと思っています。作品自体は辛いものだけじゃなくて、コミカルで声を出して笑えるような作品になっています。

山田　原作者の本谷さんはどう思っているかわかりませんが、すごく面白い映画です。現代に生きている人たちではないような、動物本来の気持ちで動いているような人たちばかりで、アニマルプラネットのようです。楽しんでください。

冨永監督　この日を迎えられた事を感謝致します。『覗く男』と『覗かせる女』、そして全員に共通しているのは、必ず1回は『みっともない格好をさらす』という、そういう映画にしようと思いました。

本谷　演劇、小説、そして映画。私も知らなかった新しい『乱暴と待機』になっていると思うので、楽しんで頂きたいです。

― 覗く男・英則を演じる、浅野忠信さんからのビデオレターが上映された。
「非常に変わった男の役をやりまして、撮影も面白かったですし、迷う瞬間も沢山ありましたが、監督や共演者の皆さんと一緒に乗り越える事ができましたので、とても思い入れのある作品です。もしかしたら、劇場の屋根裏で覗いているかもしれません。」

美波　覗いてくれていたら嬉しいです。
冨永監督　覗いているかもしれないので、何か言ってあげてくださいよ。
美波　「（天井を見上げ）お兄ちゃん！」　（会場笑い）

― それぞれが演じた役について、どうでしたか？
小池　私が演じた番上あずさは、正しい事を他の3人にぶつけているんですけれど、全然響かないんです。「こっちを見て、私が言ってる事が正しいから！」と言っている私が滑稽だ、と本谷さんは言っています。自転車を投げたり、ちゃぶ台を投げたり、サンダルを投げたりと、かなり攻撃的な妊婦をやらせて頂きました。

山田　楽しかったです。とんでもない言葉や行動、普通ではできない事を、番上貴男としてやらせてもらったので楽しかったです。

美波　私が演じる奈々瀬は、痛い女の子という感じでですが、自分が一番の理解者にならなければいけないなと思いました。

― もし、この中の誰かの日常を覗けるとしたら、誰を覗いてみたいですか？
美波　冨永監督です。家を映画のセットのようにしたいと言っていたので、セットを考えてる姿を覗いてみたいです。

本谷　山田さんです。強烈に壁が分厚いの方なので、家ではどのくらい緩んでいるのだろう、という興味があります。

小池　山田さんです。私生活がかなりベールに包まれているので。今回、だらしない男を演じているので、実際の山田さんにもその要素があるのかなと。　
山田　だらだらーっとしていますよ。（笑）

山田　本谷さんですね。どんな顔をしてこのような作品を書いているのかが気になります。
本谷　真剣な顔をしてると思いますよ。（笑）

冨永監督　誰かを覗くより、上映中にこの劇場を覗きたいですね。初めてお客さんに観て頂くので、気がかりです。

― 最後に、監督からメッセージをお願いします。
冨永監督　今作はキャストが最低1回ずつ、みっともない姿をさらけ出しています。今日は浅野さんがいなくて残念ですが、浅野さんは最初から最後まで、その姿をさらしていますので、そこを楽しんで頂ければと思います。
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▼『乱暴と待機』作品・公開情報▼
出演：浅野忠信、美波、小池栄子、山田孝之
監督・脚本・編集： 冨永昌敬
原作： 本谷有希子
(c)2010『乱暴と待機』製作委員会
●『乱暴と待機』公式サイト
2010年10月9日（土）より、テアトル新宿 他全国ロードショー

取材・編集・文・スチール撮影：南野こずえ　　

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