ゲキ×シネ 「蛮幽鬼」完成披露試写会

  • 2010年08月16日更新

banyuki1その骨太なストーリーラインと豪華なキャストでファンを魅了し続け、チケットは秒速で完売の関西老舗劇団「劇団☆新感線」。2009年に上演された「蛮幽鬼」は上川隆也さん、堺雅人さん、稲森いずみさん、早乙女太一さんの豪華キャストを迎え、チケットが入手困難となる話題作となりました。7月25日、この伝説の「蛮幽鬼」を映像にした「ゲシ×シネ 蛮幽鬼」の完成披露披露試写会が行われ、出演者の上川隆也さん、稲森いずみさん、早乙女太一さん、脚本家の中島かずきさんが登壇。結束固い舞台裏とゲキ×シネの見どころについて熱く語っていただきました。

 

IMG_7188ハードな舞台ですみません。上川さんの尋常じゃない汗に会場が湧く
― 蛮幽鬼についてお伺いしたいと思うのですが、実際に舞台に立ちあがった時にご自身の手を離れた作品をご覧になって、どのような印象をもたれましたか?

中島かずき(以下中島):ありがとうっていうか、ごめんなさいっていうか。しんどい思いをしてやっていただいて。上川さんの汗が尋常じゃないんですよ。(会場笑い)そういうのも含めて、僕が書いたことを立体的に立ち上げていただいたことに対して非常に皆さん、すばらしいので、作家冥利につきますね。

― 稲森さんの印象はどうですか?

中島:ゲキシネの試写会の時にちょうどワールドカップをやっていたんですね。印象として「サムライジャパンと同じだな」と思ったんです。最初は役柄のせいなんですけど、頼りない感じで出てきて、本当にこの人で大丈夫なのかなと思うわけですよ。これは試合前ですよね。でも芝居の中でどんどん強くなっていくんです。本当に最後のほうのクライマックスは決勝ラウンドに行ったところですから。(サムライジャパンを見るような思いで)いいぞと思いました。

― 早乙女さんの印象はいかがでしたか?

中島:もうね、きれいでね、若くてね、とんでもないですよね。(会場笑い)

IMG_7327どこまでもまっすぐな男を演じる俳優、上川隆也。
― 汗をかいて主役を演じられました、上川さんに伺いたいんですけれど、この「復讐の鬼」伊達土門という役を演じられていかがでしたか?相当ご苦労があったかと思うんですけれど。

上川隆也(以下上川):そう振られると、答えに窮するのですが、あんまり苦労してないんですよね。まっすぐに描かれている男なので、人に対しての思いが良くも悪くもまっすぐだったんですよね。なので、とにかく、好きになる時もまっすぐ、怨む時もまっすぐ、とことん怨んで、また帰ってくるっていう男だったんですけれど、描かれている心情としてはとてもシンプルだったので、直球で演じさせていただきました。

―中島さんとしてはこれを上川さんにまっすぐな男を演じてもらいたいと

中島:割と上川さんは映像だと正の方向にまっすぐな男というのは多いと思うので、今回は間違った方向にまっすぐ進んでいく男をやってもらおうというのは最初の構想としてありましたね。そういう中でゆらぎながらも、自分で気がついた時に正に方向転換する。そういう人間を書きたいなと思いました。

IMG_7306大好きな殺陣を死ぬほどやらせていただきました(早乙女)
一回でハードな殺陣を覚えちゃうんですよ(上川)
― 今回は稲森いずみさんと早乙女太一さんは新感線の舞台が初体験でいらっしゃったんですけれど、初めて体験された新感線はいかがだったでしょうか

稲森いずみ(以下稲森):ずっと、最後まで楽しかったです。千秋楽が近付くにつれて、後何日しかない、何日しかないという気持ちが強くなって、ずっとこのままやっていたいなぁと思いました。

― それは稽古中から楽しくて?

稲森:いや、稽古中はやっぱり、楽しいというよりは一生懸命で、役を作るということしかなくて、苦しみましたけれど、本番は楽しかったです。

IMG_7336― 早乙女太一さん、初体験の新感線はいかがでしたか?

早乙女太一(以下早乙女):僕も楽しかったです。大好きな殺陣も死ぬほどやらせていただいて(会場笑い)はい、楽しかったです。

上川:本当に楽しかったの?(会場大きな笑い)

― 上川さんは、主宰で演出家のいのうえひでのりさんの演出を過去にもお受けになっていて、新感線のメンバーに親しいところにいらっしゃったと思うんですけれども。初体験の稲森さんと早乙女さんの初体験ぶりはいかがでしたか?

IMG_7155上川:稲森さんに関しては、ご自身でもおっしゃっていましたけれど、当初は役柄をつかみかねていたのかもしれないという部分がちょっと見うけられた瞬間もあったんですけれど、ある日を境に急に(役柄の)美古都になったんですよね。声の張り方、立ち居ふるまいから、居佇まいから。そこからは、なんのゆらぎもなく。後は上り坂を登る一方だったですね。
早乙女さんは。。。なんて呼んでいいのかよくわからない。。。いつも太一って呼んでいるので。太一はですね,僕が(最初に)稽古場でご一緒したのが、太一の殺陣返しのシーン。殺陣返しが始まると、もう、あれよあれよと敵がキレーいに倒されていく。で、殺陣師の方に「これ何回くらい返したの?」て聞くと「一回しかやってません」って。(早乙女さんは)一回(殺陣シーンを)見せたら全部覚えちゃうんですって。
(会場静まり返る) で、わらわらと集まってきた出演者たちが拍手をするっていうのが、ファーストインプレッションだったんです。その印象は変わることなく。刀衣の芝居は(稽古の)後半になって随分変わりましたね。演出も変わったのももちろんなんですけれど、ぐいぐい芝居がくるようになった。後半に行くにつれて、絡みがどんどん楽しくなってきましたね。

IMG_7227ゲキ×シネ版「蛮幽鬼」の見どころは上川さんの汗?
― 他の新感線メンバーの方、堺雅人さんを含め、たくさん出演されていますけれど、一つの作品に向かっていくっていう空気が稽古場からありましたよね。舞台から映像になり、どういう魅力が立ちあがってきたと思われますか?

中島:長い舞台の映像化なんですけれど、一つの映像作品になっています。(クローズアップのシーンで)「あっ、こんな顔してたんだとか」「ここの芝居はこうなっていたんだ」と感じるのは、非常に新鮮で、役者の皆さんの力というのを本当に改めて感じました。ラストシーンは、これはしびれると思います。

― ここのシーンはびっくりしたとかありますか?
中島:いやぁ~、やっぱり(上川隆也)先輩の汗の量ですよね(笑)本当にあれを見るたびに申し訳ない申し訳ないと思いながら。(いつもは)こんなに汗かいている訳じゃないのにね

上川:あれは小峰さんの衣装がですね、前半は結構暑いんですよ。後は歌ったりしているのも汗の要因です。

IMG_7165僕も一応汗かいています(早乙女)
もう汗の話はいいです(上川)
― 早乙女太一さんから、ゲキシネのここを見て欲しいというところがございましたら一言いただけますか?

早乙女:やっぱり、舞台の効果だったり、見えない表情だったり、(舞台だと)全体が視界に入ってくるので集中してみることができないんですけれど、映像だとそこだけに集中しているんで、舞台とは違った楽しさがあると思うので….

― ちょうど(ゲキシネの試写を)ご覧いただいた時に(出演者)皆さんでお話をされていて「太一君汗かいてなかったよね」っていうので皆さんザワザワされてましたよね。ご本人的には(汗をかいていない)言うわけではなかった?

早乙女:上川さんに比べるとかいてないですけれど、一応、かいています。(会場から大きな笑い)

上川:これは汗を見る映画ではないですから。汗の話はもういいです。

IMG_7271橋本じゅんさんのメイクの細かさ。ディテールを見ていただきたい(上川)
―アップとか、お顔もそうなんですけれど、色々な小道具ですとか、細かいところまで、舞台では分からなかったけれど「あ、こうだったんだ」というような新たな発見があって、役者の皆さんもびっくりされたとか。上川さんからここを見てくださいという見どころをお願いします。

上川:今、皆さんが語ったことはもちろんなんですけれど、刀衣が踊っているシーンの酒宴のお盆の上にちゃんと料理が載っているんですよね、ひっくり返しているシーンを一時停止して、DVD買った方は見ていただきたい。あと、橋本じゅんさんのメイクの細かさ。あれは顔にかかれた一幅の絵になっていますから。(笑)細かいディティールと同時に(汗を含め)色んなものを見ていただければ

IMG_7376― 上川さんと早乙女さんの殺陣対決とかはいかがですか?

上川:いや、僕は太一に迷惑しか掛けなかったので、もう本当に申し訳なかったと思っているんです。太一が僕に合わせて切ってくれてたのが実情なので、本当にありがとうございました。

早乙女:いや全然合わせてないです。

― 真剣勝負ですよね。(お二人の殺陣は)本当に素晴らしいので、ぜひ見逃さないでください。

恒例セレブの靴チェック
今回出演者お三方は三人とも黒のお衣装。靴もシックな装いに合わせていらっしゃいました。特に稲森さんの足元はシースルーのスカートからちらっと見える上品セクシー。稲森さんの役柄、美古都のような凛とした美しさでした。改行

上川隆也さん 稲森いずみさん 早乙女太一さん 中島かずきさん
上川 稲森 早乙女 脚本

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繝。繧、繝ウ▼『ゲキ×シネ 蛮幽鬼』
作品・公開情報

日本/2010年/182分
作:中島かずき 
演出:いのうえひでのり
出演:上川隆也 稲森いずみ 早乙女太一 堺雅人 橋本じゅん 高田聖子 粟根まこと 山内圭哉 山本亨 千葉哲也

映像制作:イーオシバイ
配給:ヴィレッヂ ティ・ジョイ
舞台制作:松竹
著作:松竹 ヴィレッヂ

● 「ゲキ×シネ 蛮幽鬼」公式サイト
2010年10月2日(土)より 全国上映スタート

取材・文 白玉 スチール撮影:さとうまゆみ 南野こずえ

  • 2010年08月16日更新

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