「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2010」グランプリ、各部門受賞作品が決定

  • 2010年06月24日更新

IMG_03812010年6月20日(日)明治神宮会館にてショートショートフィルムフェスティバル&アジア2010授賞式が行われ、グランプリ1作品と各部門の優秀作品が発表された。審査員には忽那汐里さん、佐藤江梨子さん、プレゼンターとして壇れいさんなど女優陣も参加。華やいだ雰囲気で映画祭を締めくくった。グランプリはオランダ、トマス・コルタレス・アルテス監督の「Vera/ミュージアムとショコラ」が選出され、次年度の米国アカデミー賞短編部門ノミネート選考対象として出品が予定されている。

 

IMG_0458「雑でもいい、雇われていない感のある、勇気のある作品」
桃井かおり審査員は賞の発表前に「雑でもいい、雇われていない感のある、勇気ある作品を観たい」と、短編映画がもつ可能性と期待を述べた。
その期待の中、「相当いい」と審査員達のお墨付きを受けた作品は10分のオランダ作品。美術館に勤める孤独な女性とホームレスとの不思議なつながりを描くこの作品はセリフがないにも関わらず、女性の繊細な心の移り変わりを鮮やかに描き出し、10分とは思えない満足感の高い作品だ。
グランプリ受賞に登壇した女優のビェン・デ・モアーは「私は(オランダ人ではなく)ベルギー人。昨日のワールドカップでは日本を応援していた」と語り、場内がわっと沸くシーンもあり、和やかな授賞式となった。

 
IMG_0488グランプリ
インターナショナル部門 優秀賞
「Vera/ミュージアムとショコラ」監督:トマス・コルタレス・アルテス
桃井かおり審査員講評:音楽でも文学でも表現できないから、やっぱり映画がある。そういう風に思わせてくれる作品。本当に肌触りでその女優さんの感触で感情が分かって、映画が進んでいく。ショートムービーだからこその素敵な物語でした。相当いいです。

女優ビェン・デ・モアー:人生は驚くようなことが起こるものなんです。そういうことを実感しました。この映画、Veraは驚くような素晴らしいことをもたらしてくれました。今回東京に参りまして素晴らしい賞をいただいたことを感謝しています。

 

IMG_0428○アジア インターナショナル部門優秀賞/東京都知事賞
「Bonsai」監督:アルフォンソ・トーレ
行定勲審査員講評:アジア部門の力強い作品がそろう中、アジアの美しい風景の中でユーモアとペーソスあふれる演出が光った作品でした。


アルフォンソ・トーレ監督
:このような名誉ある映画祭におきまして賞をいただきまして、大変うれしく思っております。この作品を通して私が感じましたことは、愛という言語は普遍的なものだということです。ありがとうございました。

 

IMG_0438○ジャパン部門優秀賞該当作品なし
草野仁審査員講評:審査員一同、大きな期待感と強い関心をもって全作品を見させていただきました。壁を打ち破って、前にぐんぐん出ていく力強い作品を期待しておりましたけれど、内容的にはいいものを持っていながら、壁を越えられる作品がなかったというのが審査員一同の見解でした。

グランプリ作品および各優秀作品は6月23日(水)~8月15日(日)までブリリアショートショートシアターにて上映中。詳細はブリリアショートショートシアターHPにて

ストップ! 温暖化部門、旅シヨーット! プロジェクト、ミュージックShort等の入賞作品はこちらから→Short Shorts Film Festival 2010公式サイト

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文:白玉、撮影:南野こずえ
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改行

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