エリック・ロメール追悼特集上映 アデュー ロメール
- 2010年03月06日更新
ゴダールやトリュフォーとの交流も深く、ヌーベル・ヴァーグの最重要人物と言われたエリック・ロメールが2010年1月11日、逝去されました。享年89歳。晩年まで精力的に制作活動を続け、新作が待ち望まれていたエリック・ロメール監督。ユーロスペースでは3月6日よりエリック・ロメール監督長編全26作品を一挙に上映いたします。
当サイトでエリック・ロメール監督が取り上げられたのは「映画の達人」のコーナーでのこと。世界で映像作品を制作する舩橋淳監督に「世界中どこにいても見たい、世界水準の映画」と言わしめたのは「飛行士の妻」。「(エリックロメールのコメディは)偶然の成り行きの鮮やかさに納得させられてしまう。偶然の連鎖でこの世界はできているということを映画の中で見せられてしまう。ロメール印の偶然には説得力があり、時折騙されてみたくなってしまうんです」とロメール作品の魅力について熱く語っていただきました。
今回はエリック・ロメールをこよなく愛する舩橋監督に、追悼特集上映で上映されるロメール作品ベスト3を伺いました。軽快に、そしてエロチックなロメール印の極上恋愛コメディをぜひお見逃しなく。(飛行士の妻:(C)Les Films du Losange)
舩橋監督の「とにかく見てほしいエリック・ロメール三本」 その1.『六つの教訓物語第三話 モード家の一夜』(1969年) まだドラマを緻密に構築してゆく演出をしていたころのロメールの傑作。 撮影N. アルメンドロスのモノクロームは凜として、美しい。
(C)Les Films du Losange
その2『喜劇と格言劇集 緑の光線』(1986年)
軽やかに映画を撮る、と易々と口にできないのはこの作品が映画史に燦然とあるから。
故・佐藤真は「阿賀に生きる」をこの光線のもとに撮ろうとした・・・
作り手を限りなく刺激する一篇。
(C)Les Films du Losange
その3『我が至上の愛~アストレとセラドン~』(2007年)
時代設定もあるようでなく、見る者の”良識”を脱臼させ続けるアナクロニスムに満ちた空 気の中で、奇跡のような男女の邂逅に息をのむ。ロメールの恋愛遊戯に、またしてやられた!と膝を叩くしかない。
▼その他の上映作品
『獅子座』 『六つの教訓物語第一話 モンソーのパン屋の女の子』『六つの教訓物語第二話 シュザンヌの生き方』『六つの教訓物語第四話 コレクションする女』『六つの教訓物語第五話 クレールの膝』『六つの教訓物語第六話 愛の昼下がり』『O侯爵夫人』『聖杯伝説』『喜劇と格言劇集 美しき結婚』『喜劇と格言劇集 海辺のポーリ-ヌ』『喜劇と格言劇集 満月の夜』『レネットとミラベル四つの冒険』『喜劇と格言劇集 友だちの恋人』『四季の物語 春のソナタ』『四季の物語 冬物語』『木と市長と文化会館』『パリのランデブー』『四季の物語 夏物語』『四季の物語 恋の秋』『グレースと侯爵』『三重スパイ』『パリところどころ』
3月6日より、渋谷、ユーロスペースにて上映スタート
※作品詳細、スケジュールなど詳しくは劇場HP (http://www.eurospace.co.jp/)にてご確認ください。
文:白玉
改行
- 2010年03月06日更新
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