翔太サマ 新作を語る!

  • 2009年11月29日更新

松田翔太来夏公開の『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』が、東京フィルメックスでワールドプレミア上映され、主演の松田翔太さん、高良健吾さん、安藤サクラさんと大森立嗣監督が、観客とのQ&Aセッションに参加しました。

翔太サマがステージに登場すると、期待と緊張感で会場の熱気はピークに!ダークスーツをサラッと着こなす181センチ(しかも細マッチョ!)の長身で、サラサラの黒髪にツルツルお肌、そしてやや低めで静かな声、とその姿はまさに王子!そして、ケンタという役柄で体現してみせた、ほとばしるような野生。亡き父・松田優作さんのDNAをちゃんと受け継いでいらっしゃいます。真剣取材中にもかかわらず、クラッときてしまいました。だって、あまりにもOMP(おすず的・見た目・パーフェクト)なんですもの。

高良さんもイケメンなんだけど、帽子を目深に被っていたので、お顔がよく見えずちょっと残念。「I LOVE 下北沢」と書かれたTシャツを着てました。安藤サクラさんは、ブスでバカなカヨちゃんという役柄を体当たりで演じきっていたのですが、実物はとてもキレイでチャーミングな方でした。俳優の奥田瑛二さんと安藤和津さんの娘なので、ブスなわけないんですけどね。昨年フィルメックスで上映された『愛のむきだし』など、いつもエキセントリックというか、難しい役に挑戦されています。

ケンタとジュンとカヨちゃんの国

ところで、この作品の監督の大森立嗣さんは、俳優大森南朋さんのお兄さんなんですね。言われてみれば、目もとが似てるかも。前作『ゲルマニウムの夜』(花村萬月/原作)で監督デビューし、ロカルノ映画祭をはじめ多くの国際映画祭で上映され、話題になりました。

本作もまた、作り手の本気度がビシビシ伝わってくる力強い作品です。孤児として施設で育ったケンタ(松田翔太)とジュン(高良健吾)は、過酷な労働、理不尽な状況から逃れるように抜け出す。そして途中で、ジュンの彼女カヨちゃん(安藤サクラ)も加わり、行き当たりばったりの旅に出るというお話。三人のキャラクターのアンサンブルが絶妙な、青春ロードムービーです。「ぶっ壊して、抜け出すんだよ」というセリフに痺れました。

「演じた役柄に共感できる部分はありましたか」という客席からの質問に、翔太さんはしばらく考えて、「抜け出したいという気持ちですかね。そのために、いろいろやってみるけど、やり方がわからないというようなところは同じかもしれない」とコメント。

松田翔太,高良健吾,安藤サクラまた、演じていて苦労した点について聞かれると、「いろんな情報を頭に入れてしまっていて、いろいろ考えてしまったので、それを止めることが難しかったです。例えば、旅の理由とか関係性とか、考えれば考えるほどやりづらくなっちゃって」と振り返り、高良さんとの自然な芝居を楽しむよう心がけたという。

今回取材をして、松田翔太さんはとても真面目でストイックな方だな、という印象を受けました。役に対する姿勢とか質問に応じる雰囲気が、とても誠実でピュアで、そんな松田翔太というフィルターを通したからこそ、ケンタというキャラクターは生きてくるのだと思いました。劇場公開が待ち遠しく、何度でも観たい映画です。

ちなみにこの翌日、翔太サマはお忍びで『蘇りの血』(豊田利晃監督)を観に、フィルメックスに来ていました。実兄の松田龍平さんが同監督の『青い春』に出演してます。バイクで来ていたらしく、フルフェイスのヘルメットを片手に抱え、ライダースジャケットにジーンズという、ワイルドな装いがまたお似合いでした。お忍びで来ていたのに、上映後のQ&Aで、「豊田監督が、松田翔太さんに感想を聞きたいそうです」と司会の市山さんに紹介されてしまって…。ファンにとってはたまらないサプライズでした☆ グッジョブ、市山さん!翔太さんは、突然振られて驚きながらも、「豊田監督の作品は、兄の出演した作品『青い春』からずっと観ています。今回もハートにでっかいパンチ食らいました」と、感想を述べていました。

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『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』 作品紹介

(取材・文/おすず)
改行

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