西原理恵子が菅野美穂に花束贈呈〜『パーマネント野ばら』完成披露試写会
- 2010年04月24日更新
菅野美穂が8年ぶりに主演を務める新作映画『パーマネント野ばら』の完成披露試写会が、5/22の上映に先立ち、都内で行われた。
上映前に菅野美穂、小池栄子、池脇千鶴、吉田大八監督のほか、原作者の西原理恵子が登壇し、それぞれが抱く本作への想いが語られた。
「原作ファンを裏切らない作品」というキャスト達の力強いコメントに、客席の空気は大きな期待に包まれた。
●高知での撮影にこだわった理由とは?
「菅野ちゃーん!」という客席の男性からの声援に、「ありがとうございます!」と笑顔で応じ、菅野美穂が登場。「昨年の9月にたっぷり時間をかけて撮影した映画を本日披露することができて、大変嬉しく思います」と喜びを語った。
続いて小池栄子も、「すばらしく優しい映画ができたと思います。原作ファンの方もガッカリしない新しい『パーマネント野ばら』が吉田監督の元でできあがったと思います。とても自信のある作品なので、最後まで楽しんで観ていってください」とコメント。
高知での撮影にこだわった理由について吉田監督は、「原作では高知という設定ではないのかもしれませんが、西原さんの故郷ということで、原作にある西原さんのスピリットみたいなものに助けを借りたくなったんです。ダイナミックな土地や風景、人柄は、映画にとてもいい影響があったと思います」と語った。
●原作者・西原理恵子の感想は?
(西原さん)「今までも描いた作品がアニメや映画になりましたが、今回の映画化は一番嬉しかったです。自分の作品より何倍も良くしてもらってます。女の人って男の人がいなくなると、本当は可愛らしくて、下品で、頭が悪くて、頭が良くて、いろんなところが出てくるんですが、そんな女性の実態をそのまんま出してくれたんです。でも男の人は観てくれるのかな? その辺は不安なんですが(笑)。今回は本当にマンガ描いてて良かったなぁと思いました」。
それぞれの役者のイメージについては、「菅野さんは、直子の脆くて危うい女の子の感じがすごく出ていて、池脇さんはムカつく女の子の感じがとてもお上手で。小池さんは高知の女の、泣いてるけど明日は絶対笑ってみせる、というイメージにぴったりで、言葉がないです。2回観たんですが、2回とも泣いちゃいました。私の周りのクセの悪い女性もみんな泣いてましたね(笑)」。
そのコメントには吉田監督も、「西原さんが2回試写に行ってくれて、すごく嬉しかったです。大好きな原作のマンガだったのですが、マンガだから成立しているというか、マンガだから面白いという部分は、映画にするとどうしても難しいところがあって、ドキドキしながらやってたんです。でも西原さんにそのように評価してもらえて、言葉がないぐらい嬉しいです」と、報われた苦労に喜びもひとしおのご様子。
最後に、3人の女優が語った本作の見どころを、「セレブ靴チェック」の画像とともにお送りします。
まずは、ゴールドのTストラップ・ピンヒールサンダルがとても眩しかった、菅野美穂さん。「女性同士が本音を言っているときの、西原さんの目線、監督の目線が、女性の本当の部分を愛していると伝わってくる映画になっていると思います。パワーがあって、恋にまっすぐで、たまに滑稽な女性たちがたくさん出てきます」。
続いて、メタリックなオープントゥサンダルがセクシーな小池栄子さん。「映画に出てくる女性たちが、みんな愛おしいんです。監督が一人一人のキャラクターに対して、愛情をもって撮ってくれているのが伝わると思います。どのキャラクターでも、親しみを感じていただけたら嬉しく思います」。
最後に、マリンテイストのハイヒールが似合っていた池脇千鶴さん。難しい役どころながら、定評ある確かな演技で本作を支えている。「この映画に出てくる、おばちゃんも子供も、みんな愚かで恥ずかしくて可愛いんですけど、そういうバカなところもそのまま笑ってやってください。(出てくる)男の人もバカです。ステキな映画です(笑)」。
西原理恵子が描く作品のなかでも、叙情的最高傑作といわれる「パーマネント野ばら」。カンヌ国際映画祭の批評家週間部門で上映された「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」など、<人間の愛すべき可笑しさ>を描き続ける吉田大八監督によって、待望の映画化! 5月22日(土)より、新宿ピカデリー他全国ロードショー!
取材・文/おすず 撮影/秋山直子
改行
- 2010年04月24日更新
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