5月公開映画 短評 ―New Movies in Theaters― Vol.2

  • 2019年05月22日更新

5月下旬(25〜31日)公開映画の中から、ミニシアライターが気になった3作品をピックアップ! あなたが気になるのは、どの映画!?

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5/25(土)公開『台北セブンラブ
5/31(金)公開 『イングランド・イズ・マイン モリッシー, はじまりの物語
オーファンズ・ブルース


『台北セブンラブ』

台北の“今”を生きる男女7人のスタイリッシュな恋愛模様

映画『台湾セブンラブ』メイン画像台北のデザイン事務所を舞台に、7人の男女の恋愛模様をスタイリッシュに描く物語。監督・脚本を手掛けるのは、CMやMVでも活躍するチェン・ホンイー。2年後に開催される「世界デザイン首都」に選定され、デザイン業界が盛り上がる2014年の台北。美人デザイナーのドロシーは元カレのバーズに誘われ、上海から台北のデザイン事務所へと移ってくる。デザインホテルの改装プロジェクトに加わったドロシーは、ホテルの御曹司のマークとバーズから猛アプローチを受けるが、フランスにいる元恋人を忘れられずにいた……。個性的で創造力に富んだ登場人物たちは、自分の恋愛に関しては不器用で誰もが孤独を抱えている。果たして、彼らは自らの「愛」もデザインすることができるのか? 変わりゆく台北の“今”と、変わらない“思い”が交差するストーリーには驚きの展開が待ち受ける。仕掛けられたのは誰か? ぜひ、劇場で確かめて。(min)

2019年5月25日(土)より全国順次公開 公式サイト
(2014年/台湾/116分)原題:相愛的七種設計 Design 7 Love 監督・脚本:チェン・ホンイー 出演:アン・シュー、モー・ズーイー、チウ・イェンシャン、トム・プライス、ダレン・ワン、チェン・ユーアン 配給:台湾映画社 © Red Society Films


『イングランド・イズ・マイン モリッシー, はじまりの物語 』

ザ・スミス結成前のモリッシーの青春時代を描く

映画『イングランド・イズ・マイン』メイン画像

1980年代の伝説的バンド、ザ・スミスのフロントマン、モリッシーの若き日を描く。1976年、17歳のスティーヴンは学校を辞め、ライブを見たバンドの批評を音楽紙に投稿するだけの毎日を送っていた。そんな時に出会った美大生リンダ―の後押しもあり、バンドを組むことになる。初ライブは成功し彼は音楽の道を志すが、その先には別れや挫折が待っていた。1982年、まだ音楽を続けている彼のもとに一人のギタリストが訪問。それはのちにザ・スミスのメンバーとなるジョニー・マーだった。繊細で内向的かつ皮肉屋。そんな彼の青春時代は痛々しい。だがそのあきらめない心が報われる瞬間、胸が熱くなる。『ダンケルク』のジャック・ロウデン主演。(吉永くま)

2019年5月31日(金)より全国公開 公式サイト 予告編動画
(2017年/イギリス/94 分/PG-12)原題:ENGLAND IS MINE 監督・脚本:マーク・ギル 出演:ジャック・ロウデン、ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ、ジョディ・カマーほか 配給:パルコ © 2017 ESSOLDO PICTURES LIMITED ALL RIGHTS RESERVED.


『オーファンズ・ブルース』

永遠の夏のなかで、薄れゆく愛しき面影を探して

映画『オーファンズ・ブルース』メイン画像みずみずしい才能がスクリーンで光を放つロードムービー。新鋭・工藤梨穂が京都造形芸術大学映画学科の卒業制作として監督・脚本・編集を手掛け、「ぴあフィルムフェスティバル2018」グランプリを受賞した一作だ。夏が永遠のように続く世界で生きるエマは、ひどくなる物忘れに悩んでいる。そんなある日、彼女の元に幼馴染で今は行方不明となっているヤンから象の絵が届く。消印を手がかりにヤンを探す旅に出たエマは、ヤンの弟バンやその周囲の人々と出会う。しかし、旅が進むにつれ記憶の喪失は加速していき……。異国情緒とノスタルジー、光と記憶、湿った空気と乾いた古い傷。それぞれのピースが心の中で不思議な陰影を作り、静かに深い余韻を残す作品。主演・村上由規乃の存在感が素晴らしい。(min)

2019年5月31日(金)より全国順次公開 公式サイト
(2018年/日本/89分)監督・脚本・編集:工藤梨穂 出演:村上由規乃、上川拓郎、辻凪子、佐々木詩音、窪瀬環、吉井優 配給:アルミード © Riho Kudo

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