吉永くま

『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』-悲劇は仕組まれた罠か、人智を超えた存在によるものか? 奇才監督が放つ不条理サスペンス

前作『ロブスター』では、“結婚できない男女は動物に変えられてしまう”というシュールな設定で、強烈なインパクトを残したヨルゴス・ランティモス監督。ここでもその独特な世界観は健在。仕事にも家族にも恵まれた男の身に降りかかる、不可思議で身の毛がよだつ悲劇を描く。第70回カンヌ映画祭脚本賞受賞作品。3月3日(土)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか公開。

『クイーン 旅立つわたしのハネムーン《オリジナル完全版》』-自分の殻を破れば新しい世界が広がる! 最高にハッピーなボリウッド発ガールズムービー

インド・アカデミーショー2015最優秀作品賞、最優秀監督賞などを受賞し、アメリカ・イギリス・カナダでも大ヒットを記録したガールズムービー。前向きに生きるパワーを与えてくれる、魅力溢れる作品だ。1月6日(土)より、シネマート新宿、ココロヲ・動かす・映画館○他全国ロードショー
© Viacom 18 Media Pvt Ltd & Phantom Films Pvt Ltd

『彼女が目覚めるその日まで』-突然原因不明の病に侵された女性をクロエ・グレース・モレッツが熱演

「人格を奪われ、正気と狂気の間をさまよう病」―抗NMDA受容体脳炎を発症したニューヨーク・ポスト紙の女性記者、スザンナ・キャラハン。彼女の壮絶な闘病経験を綴った本をシャーリーズ・セロンらがプロデュースし、クロエ・グレース・モレッツを主演に迎えて映画化した。行き詰まった状況にありながら、決してあきらめない家族と恋人の心が希望をつなぐ。12月16日(土)より角川シネマ有楽町ほかロードショー。
© 2016 ON FIRE PRODUCTIONS INC.

『ポーランド映画祭2017』-古典的名作からアニメ、ドキュメンタリー、話題の最新作まで一挙上映

2017年11月25日(土)~12月15日(金)、恵比寿・東京写真美術館ホールにて、イエジー・スコリモフスキ監修『ポーランド映画祭2017』が開催される。6年目を迎えた今年も、充実したラインナップが揃った。
今回はポーランド派を代表する監督のひとり、イエジー・カヴァレロヴィッチの没後10年特集として、『影』『夜行列車』『尼僧ヨアンナ』『太陽の王子ファラオ』の4作品が上映される。また、幻の傑作『早春』が上映されるスコリモフスキ監督など、多彩なゲストによるトークイベントも予定されている。

『女神の見えざる手』-“勝利依存症”の女性ロビイストの奇策とは? 予測不能の政治サスペンス

裏切りや罠が日常茶飯事の世界で生きるロビイスト、エリザベス・スローン。銃規制法案を巡るロビー活動の熾烈な攻防と、勝利に固執する彼女の強烈な生きざまが描かれる。『恋に落ちたシェイクスピア』や『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』のジョン・マッデン監督作品。エリザベスを演じるジェシカ・チャステインのクールな美貌が光る。10月20日(金)より、TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー
© 2016 EUROPACORP – FRANCE 2 CINEMA

『ジュリーと恋と靴工場』-“なにもない”女性が自分の足で一歩前に踏み出す姿を描くフレンチ・コメディ・ミュージカル。

主人公は“なんでもするけど、なんにもできない”25歳のジュリー。高級靴工場に就職した彼女が、同僚の女性たちと行動をともにし、人生を切り開いていく。ジャック・ドゥミテイストのカラフルな色彩やオリジナルの歌とダンスに注目。9月23日(土)より、新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国公開。
© 2016 LOIN DERRIÈRE L’OURAL – FRANCE 3 CINÉMA – RHÔNE-ALPES CINÉMA

『禅と骨』-『ヨコハマメリー』の監督が追う“青い目”の禅僧の破天荒な人生

大ヒット作『ヨコハマメリー』の中村高寛監督によるドキュメンタリー第2作。禅僧でありながら、人間臭く波乱に満ちた日系アメリカ人の人生が描かれる。8年の歳月をかけて作られた本作は、ドキュメンタリー、ドラマ、アニメから構成されており、ドラマパートでは、ウエンツ瑛士、余貴美子らが出演。また、エディ藩、CRAZY KEN BANDの横山剣、大西順子、岸野雄一、野宮真貴、コモエスタ八重樫らが音楽面をサポートしている。2017年9月2日(土)より、ポレポレ東中野ほかロードショー。

『君はひとりじゃない』-すれ違う父娘の心の距離を縮めたのは、思いもかけないことだった

大切な人を亡くした父と娘、そして彼らと同じ痛みを持つ女性セラピストが織り成す「愛と再生」のドラマ。家族への愛憎や摂食障害といった現実的な問題にスピリチュアルな要素を絡ませ、残された者の葛藤と希望を描く。ベルリン国際映画祭銀熊賞と、ポーランドのアカデミー賞と言われるイーグル賞で主要4部門を受賞。7月22日(土)よりシネマート新宿、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開。

『アムール、愛の法廷』-熟年の恋愛劇と法廷劇を通して見えてくるものは……

熟年同士の恋愛と法廷での卑属殺人裁判。全く異なる2つのテーマを織り交ぜながら、大人の淡い恋がもたらす“変化”を描く。本作では、主演のファブリス・ルキーニ(ミシェル役)がベネチア国際映画歳男優賞、デンマークのベテラン女優シセ・バベット・クヌッセン(ディット役)がセザール賞助演女優賞を受賞。抑制の効いた情感細やかな演技を堪能させてくれる。5月13日(土)より、シアター・イメージフォーラム等で順次ロードショー。

『ストロングマン』-オジさんの“生態”を垣間見られるオジ専垂涎のギリシャ映画

舞台はギリシャ・エーゲ海。“少しヨレた中年男たちが、競争心も露わにひたすら馬鹿げたゲームで優劣を競う”という設定だけでも、オジさん好きの人々の心をくすぐる。後からじわじわと可笑しさがこみ上げてくる作品だ。監督・脚本は『ビフォア・ミッドナイト』の共同プロデューサーで、女優としても出演をしているアティナ・ラヒル・ツァンガリ。脚本や編集などには『ロブスター』のスタッフが当たっている。3月25日(土)より新宿シネマカリテほか全国順次公開。