吉永くま

『君はひとりじゃない』-すれ違う父娘の心の距離を縮めたのは、思いもかけないことだった

大切な人を亡くした父と娘、そして彼らと同じ痛みを持つ女性セラピストが織り成す「愛と再生」のドラマ。家族への愛憎や摂食障害といった現実的な問題にスピリチュアルな要素を絡ませ、残された者の葛藤と希望を描く。ベルリン国際映画祭銀熊賞と、ポーランドのアカデミー賞と言われるイーグル賞で主要4部門を受賞。7月22日(土)よりシネマート新宿、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開。

『アムール、愛の法廷』-熟年の恋愛劇と法廷劇を通して見えてくるものは……

熟年同士の恋愛と法廷での卑属殺人裁判。全く異なる2つのテーマを織り交ぜながら、大人の淡い恋がもたらす“変化”を描く。本作では、主演のファブリス・ルキーニ(ミシェル役)がベネチア国際映画歳男優賞、デンマークのベテラン女優シセ・バベット・クヌッセン(ディット役)がセザール賞助演女優賞を受賞。抑制の効いた情感細やかな演技を堪能させてくれる。5月13日(土)より、シアター・イメージフォーラム等で順次ロードショー。

『ストロングマン』-オジさんの“生態”を垣間見られるオジ専垂涎のギリシャ映画

舞台はギリシャ・エーゲ海。“少しヨレた中年男たちが、競争心も露わにひたすら馬鹿げたゲームで優劣を競う”という設定だけでも、オジさん好きの人々の心をくすぐる。後からじわじわと可笑しさがこみ上げてくる作品だ。監督・脚本は『ビフォア・ミッドナイト』の共同プロデューサーで、女優としても出演をしているアティナ・ラヒル・ツァンガリ。脚本や編集などには『ロブスター』のスタッフが当たっている。3月25日(土)より新宿シネマカリテほか全国順次公開。

『スモーク・アンド・ミラーズ 1000の顔を持つスパイ』-スペイン全土を驚愕させた実際の巨額詐欺事件を映画化!

スペインのアカデミー賞といわれるゴヤ賞で10冠を獲得した「マーシュランド」のアルベルト・ロドリゲス監督最新作。1994年にスペイン治安総局局長が巨額横領の末国外逃亡し、同国を揺るがした「ロルダン事件」を描く。この逃亡劇を手助けしたフランシスコ・パエサは元スパイ。ほかにも武器商人、銀行家などさまざまな顔を持つ。本作はいまだ多くの謎に包まれている彼が、原作者マヌエル・セルドンに語った実話に基づいている。「未体験ゾーンの映画たち 2017」上映作品。2月25日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷、2月26日(日)よりシネ・リーブル梅田にて公開。

『真夜中のパリでヒャッハー!』-超ハイテンションコメディ『世界の果てまでヒャッハー!』の前日譚!

今年もバラエティに富んだ作品が揃った「未体験ゾーンの映画たち」。この「日本未公開作品ばかりが集結する劇場発信型映画祭」(劇場HPより)は、諸般の理由で劇場では公開されない傑作・怪作を鑑賞できるまたとない機会だ。今回は数ある作品の中から、昨年日本公開された大爆笑映画『世界の果てまでヒャッハー!』の前日譚、『真夜中のパリでヒャッハー!』を紹介。1月21日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷、順次シネ・リーブル梅田にて公開。

『世界の果てまでヒャッハー!』-おバカなフランス人が南米リゾートで繰り広げる抱腹絶倒のアドベンチャー

人気TV番組とゆるキャラの決め台詞(?)が合体したような能天気な邦題。内容も期待を裏切らないハイテンションなコメディだ。フランスでは昨年興行収入2週連続No.1、8週連続Best10入りを果たす大ヒットを記録した。手持ちカメラで撮影された、洞窟や密林での予測不能の冒険シーンに思わず心が躍る。オシャレや難解な作品だけがフランス映画じゃない! 11月19日(土)ヒューマントラストシネマ渋谷、シネマート新宿ほか全国ロードショー。

「MDGP(モースト・デンジャラス・シネマグランプリ)2016」-選りすぐりの作品の中から最も危険な映画を決定。公式レフェリーは天龍源一郎!

昨年に引き続き、今年も「MDGP(モースト・デンジャラス・シネマグランプリ)」が開催される! 今回は、90年代UK音楽シーンの狂気に満ちた世界を描く「マッド・ドライヴ」(ニコラス・ホルト主演)、スティーヴン・セガールの新作「沈黙のアフガン」などパワフルな6作品がエントリー。公式レフェリーには天龍源一郎が就任し、最もデンジャラスな作品が観客の投票で決定される。10月29日からヒューマントラストシネマ渋谷、12月10日からシネ・リーブル梅田にて開催。

「第3回夏のホラー秘宝まつり」-キネカ大森の夏の風物詩、観客参加型ホラー映画祭を開催!

キングレコードの人気映画レーベル【ホラー秘宝】が放つ、「夏のホラー秘宝まつり」。3年目を迎える今年は、Jホラーからスプラッターまで幅広い新作5本をはじめ、新旧併せて23本を上映。また、本映画祭の代名詞“ホラー総選挙”のほか、“パーティーピーポー上映”やゲストによるトークショー“ホラーしゃべれ場”など、観客参加型のイベントも目白押しだ。詳細は公式サイトで確認を。8月20日~9月9日まで、キネカ大森にて開催!

『マン・アップ! 60億分の1のサイテーな恋のはじまり』-サイモン・ペッグ主演。オトナの男女が「イタさ」を炸裂させながら繰り広げるラブ・コメディ。

7月16日(土)から8月19日(金)まで開催される「カリテ・ファンタスティック! シネマコレクション2016」。3回目の今年はバラエティに富む70本の作品を上映。今回はその中からイギリス映画『マン・アップ! 60億分の1のサイテーな恋のはじまり』を紹介したい。

サイモン・ペッグが主演・製作総指揮を務め、『ショーン・オブ・ザ・デッド』『宇宙人ポール』『ワールズ・エンド 酔っ払いが世界を救う!』のスタッフが参加したこの作品、面白くないわけがない。『007 スペクター』でMI6の幕僚長ビル・タナーを演じたロリー・キニアの暴走変態ぶりにも注目! 7月16日(土)より新宿シネマカリテにて公開。

『ブレイク・ビーターズ』-冷戦時代末期、東ドイツの若者たちはブレイクダンスに自由と希望を見た

1980年代末、東欧諸国の社会主義体制が次々と終わりを告げ、40年以上続いた東西冷戦は終結する。東西ドイツを隔てていたベルリンの壁の崩壊は、その象徴ともいえる出来事だった。その数年前、東ドイツに流入してブームを巻き起こしたのは、アメリカ発のブレイクダンスだ。本作の主役は、ブレイクダンスに魅せられたダンスチームの若者たち。チームは政府の監視・統制下に置かれるが、彼らはそうした状況に疑問を持つようになる。自由と希望を追い求める彼らの姿は、自分の好きなことに妥協しないことの素晴らしさを教えてくれるだろう。6月25日(土)、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー。