カンヌ国際映画祭で特別上映された『ABEL』は、なんとも不思議な“感触”を観る者に与える作品だ。
9歳の男の子アベルは、父親が家を出て以来、話すことをやめた。暫く病院で治療を受けた後にアベルは帰宅するが、ある時突然、自分を父親であると倒錯することで再び口を開きはじめる。母親を妻として扱い、姉や弟を監視するアベル。みなアベルを思って同調し、アベルが一家の長として振舞う様子がユーモアを交えて描かれる。
アベルと、その弟パウロの子どもならではの低位置にある、無邪気な視点。アベルの母親の溢れんばかりの愛情。それらがスクリーン上であまりに純粋に混在する。監督したのはメキシコ人俳優で、『ミルク』などハリウッド映画でも活躍するディエゴ・ルナ。初の長編監督作品となる今作を携えてカンヌ入りした彼にインタビューした。






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