【スクリーンの女神たち】『センターライン』主演・吉見茉莉奈さんインタビュー ~続き〜

  • 2019年04月19日更新

皆で一つのものを作り上げた青春時代が、役者への道しるべに

— 高校で演劇部に入られたことが、役者を目指したきっかけだそうですね。その前から演劇には興味があったんですか?

吉見:小学生くらいから演じることに漠然とした憧れはあって、学芸会の役を褒めてもらったり、母親のすすめで地元の豊田市で行われている野外演劇のオーディションを受けて出演したりしていました。でも、中学には演劇部がなくて美術部に入ったんです。もともと何かを作ることが好きなので、演劇や絵を描くことも同じ延長線上にはありました。

— なるほど。高校生で念願の演劇部に入ってからは、自ら部員集めもされたとか。

吉見:はい。当時、演劇部の入部希望者が私ともう一人くらいしかいなくて。それで、同じ中学から高校に上がった子たちを口説いて回ったんです(笑)。というのも、もの作りの才能のある子ばかりだったんですよ。だから「あなたは絵が上手だからセットを作ってみない?」とか、「演技をしたくないなら、裏方をやってみない?」とか、それぞれの特技に合わせて……。

— すごい行動力! そして、すでに演出家目線(笑)!

吉見:あはは(笑)。ただ、この仲間となら絶対に良いものができるっていう謎の自信があったんです。実際にすごく楽しかったし、それまで演劇の大会に出ても地区大会止まりだったのが、私たちの代で初めて県大会にも出たんですよ。皆で一つのものを作り上げたこの体験が私の青春でしたし、演技の道に進んだというよりは、抜け出せなくなってしまったんですよね(笑)。今でも当時のメンバーとはすごく仲が良いんですよ!

— 仲間たちとワイワイ舞台を作り上げている吉見さんの姿が目に浮かぶようです。その後、大阪の劇団「PEOPLE PURPLE」に入られたんですよね? そこからフリーとして上京するまでのプロセスは?

吉見:高校を卒業後、浜松の大学に入って演劇サークルでお芝居をしていたんですけど、本格的に舞台をやりたいと思って、東京や大阪の劇団オーディションを受けたんです。そこで縁があった「PEOPLE PURPLE」に入ることになり、1年間大阪に住んでいました。その頃、「ままごと」という劇団のワークショップに参加したことがきっかけで、同劇団がやっている「シアターゾウノハナ / THEATER ZOU-NO-HANA」というパフォーミング・イベントに参加するために、横浜まで夜行バスで通ったりしていたんです。そのうちに東京で演劇をしている人たちとも繋がりができて、どうしても東京で活動をしてみたくなって上京しました。

演劇はいろいろな世界と自分を繋げてくれるもの

— 本当に好奇心旺盛で行動的ですよね。実は、最初に『センターライン』のポスタービジュアルで吉見さんを見たときは、色白で少女っぽさの残るお顔立ちで、はかなげな女性かと思ったんです。

吉見:あっはっは(爆笑)。本当ですか? 全然違いますよね。

— ほんと、実際は全然違っていて(笑)。映画の米子検事は猪突猛進型というか、はかなげとは真逆のキャラクターで、そのギャップにまず軽くショックを受けて(笑)。それで吉見さんに興味が沸いて調べたら、小豆島名産の「ふしめん」を使ったスイーツを自分でイチから商品化していたり、食をテーマにした演劇の企画や演出も手掛けられているし、めちゃくちゃアグレッシブで。「どういう人なんだろう!? 会いたい!」って、気付いたらインタビューを申し込んでいました(笑)。

吉見:ええー、嬉しいですね。

— 食がらみの活動が多いので、食いしん坊でもあるのかなと(笑)。

吉見:その通りです(笑)。演出や企画はまだそれほど経験していないですが、ここ2年くらい“食”をテーマにした演劇プロジェクト「はらぺこ満月」の主宰者である星茉里さんと一緒に活動をさせていただいています。食に興味を持ったのは、2016年に小豆島で行われた瀬戸内国際芸術祭で「ままごと」がプロデュースする喫茶店に参加したことがきっかけですね。

— 「喫茶ままごと」ですよね。

吉見:そうです。小豆島の特産品を使ったメニューを考案したり、店内でパフォーマンスなどをしていたんですが、食べ物を作るという作業がすごくクリエイティブで、自分にとって刺激的な体験だったんです。その中で提供していたメニューの一つが、そうめんを干すときの曲がり角の部分の麵を使った「ふしめんグラノーラ」というもので。それをパッケージ化して商品にできないかと思い付いて、頭から離れなくなってしまって(笑)。

— 商品化までの行程を綴った「ふしめんグラノーラができるまで」というブログも読ませていただきました。試作から商品化に必要な資格を取るところまで、ガチでやっていて驚きました!

吉見:ブログは中途半端なところで終わっているんですけど、私の思いつきに、いろいろな方が手を貸してくださって商品化できたので、その過程は残しておきたいと思って……。

— 今回の取材で印象的だったのは、吉見茉莉奈という人は、もの作りが好きで、人が好きで、常に好奇心に溢れているってことです。吉見さんにとって演じるということは、職業であり生き甲斐であると同時に、さまざまな世界の扉を開ける“鍵”みたいなものなんじゃないかなって。お芝居を通して新しいことを知ったり、人や物事と繋がっていくことが、ものすごく好きなんだろうなって。……いかがですか?

吉見:嬉しいです。その通りなんだと思います。私にとって演劇は、いろいろな世界と自分を繋げてくれるものなんです。この仕事をしていたから出会えた人がたくさんいて、さまざまな土地や文化を知ることができて。役者をやっていることで私に興味をもってもらえることも多いですし、すごく贅沢な職業だと思っているんです!

— ステキですね。今作を通して、また一つ「映画」という新しい扉を開かれましたが、今後も映画にご出演していきたいという気持ちはありますか?

吉見:はい、もちろんです! 今後もチャンスをいただけるなら、いろいろな役に挑戦していきたいです。

— 今後の吉見さんのご活躍がとても楽しみです! 残念ながら次で最後の質問になりますが……理想の恋愛相手のタイプを教えてください(笑)!

吉見:えっ、最後に、めちゃくちゃ唐突な質問じゃないですか(笑)!

— ははは(笑)。本作で吉見さんのファンになる方もたくさんいると思うので、ぜひ!

吉見:えーと、そうですね。やはり好奇心旺盛で、一緒にいるとお互いに新しい知識を深めて合っていけるような……そんな人がいいですね。

— ふふふ。なるほど!本日は貴重なお話をありがとうございました!



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好奇心という翼を生やした女優——そんな形容詞がぴったりの吉見さん。フットワークも軽やかで、「普段はスニーカーばかり履いています」とのこと。そんな吉見さんですが、撮影当日はちょっぴり気合いを入れてパンプスで登場してくれました!
アースカラーのフラットシューズが、ナチュラルでガーリーな吉見さんの雰囲気にぴったりです。いつかピンヒールの似合うセクシーな役を演じる姿も見てみたいですね!


【吉見茉莉奈(よしみ・まりな)/プロフィール】
1990年8月10日生まれ。愛知県豊田市出身。大阪の劇団PEOPLE PURPLEで活動後、上京し現在はフリー。舞台を中心に活動中。小豆島など、地方での作品作りにも積極的に携わる。日本劇作家協会東海支部主催俳優A賞ノミネート。主な出演作に、はらぺこ満月『SHOKUPAN1』『ある皿の上』『ただいまウォーター』、LIVE RALLY『弱法師-Experience of the End-』など。2019年インディーズ映画の大本命と呼び声も高い本作の主演を務め、今後の活躍に注目が高まる新進女優。

<取材・編集・文:min スチール:ハルプードル>

>>映画『センターライン』予告編映像<<

▼『センターライン』作品・公開情報
(2018年/日本/67分)
監督・脚本・編集:下向拓生
出演:吉見茉莉奈、星能豊、倉橋健、望月めいり、上山輝 ほか
撮影監督:JUNPEI SUZUKI
セカンドカメラ:山川智輝、村瀬裕志
録音:上山輝 モーションアクター:木村翔
音楽:ISAo. 主題歌:「シンギュラリティ・ブルース」小野優樹
ロケーション協力:いちのみやフィルムコミッション協議会/愛知県あま市企画政策課/名古屋大学
配給:プロダクションMOZU
© プロダクションMOZU
『センターライン』公式サイト

【ストーリー】自動運転が普及した安全な時代、平成39年。車同士の正面衝突による死亡事故が発生する。交通部配属の新任検察官の米子天々音(よなご あまね)は、自動運転を制御していた人工知能のMACO2を過失致死罪で起訴しようと画策するが、“彼”は、「誤作動ではなく、わざと殺した」と供述する。AIの“心”は嘘か真か……?

※2019年4月20日(土)より池袋シネマ・ロサにて公開
(4/6(土)より、愛知県シネマスコーレにて先行公開)

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