『宇宙人ポール』-宇宙人とのとんだ遭遇。『E.T.』のあの巨匠も『エイリアン』のあの女優にもまさかの遭遇。

  • 2011年12月29日更新

SFオタクのイギリスコンビが憧れの宇宙人と遭遇!感動の出会いのはずが….
イギリスのSF作家、クライヴとイラストレーターのグレアムは夢だったコミックマーケット“コミコン”に参加するためにサンディエゴにやってきた。熱狂的なコスプレーヤーに囲まれながらコミコンの居心地の良さに幸せをかみしめる二人。たっぷりとコミコンを満喫した二人はもう一つの夢「UFOスポット巡り」という最高に興奮する旅に出発する。RVに乗り込んだ二人はエリア51付近を走行中に車の事故現場に遭遇する。人名救助のために二人が恐る恐る近づくと暗がりに見えたのは…SFの世界ではおなじみ、子どもほどのか細い体系に大きな頭を持ったまぎれもない異星人。政府の追手から逃げ、故郷に帰る手伝いをして欲しいと馴れ馴れしく頼む異星人に「なんか思っていた宇宙人と違う」と乗り気ではない二人だったが、旅を続けるうちにポールと名乗る宇宙人の不思議な能力と映画界へ与えた影響力に驚きながら、うちとけていく。 男2人と異星人一人の不思議な旅行、その一方でポールの行方を必死で追う捜査官の手がそこまで迫ってきていた。


友達以上ゲイ未満?!サイモン・ペッグ&ニック・フロスト。ブレない面白二人組。
グレアムとクライヴを演じるのはサイモン・ペッグとニック・フロスト。タランティーノやピーター・ジャクソンにも愛されるコメディアン二人のやりとりは極上漫才のごとくおバカなお笑いワールド全開。作品中ホテルで「ハネムーンですか?」と何度も聞かれるグレアムとクライヴの二人の中の良さは男の友情だけでは語れない、相手をリスペクトしあうマニアの強い絆。恋人同士のゲイじゃないけど、本音でネチネチ話すオタク二人の会話の妙を堪能していただきたい。


宇宙つながり!?あの巨匠も、大物女優も出演。
『宇宙人ポール』は70年代後半のSF映画とサイエンス・フィクションというジャンルにオマージュを捧げた作品。共同脚本のサイモン・ペッグとニック・フロストはエイリアンとロード・トリップについての映画を50本以上観て、アイデアを膨らませていったという。特筆すべきは巨匠スティーヴン・スピルバーグ監督作品をネタに思いっきり遊んでいること。なんとそのネタにつきあって、巨匠自らも楽しんじゃっているのだ。また『エイリアン』シリーズのあの大物女優も脚本に惚れこんで出演を快諾。宇宙映画好きの愛あるパロディネタが人をつなげていく。『未知との遭遇』『E.T.』『エイリアン』きっともう一度あの宇宙映画を見返したくなるに違いない。


おバカだけでは終わらない。コミコンのリアリティ、異星人ポールのリアリティ。そして...
グレアムとクライヴに『初めて来た気がしない』と言わしめるコミコンシーンはサンディエゴでの地球最大級のコミコン会場を使用。会場だけではない。エキストラは近隣のコミコンファンが自前の衣装で参加。レイア姫やダース・ベイダーの衣装などその個性的なコスチュームはどれも愛と情熱にあふれたリアルなコミコンそのもの。そんな妥協なきオタク二人組が相手だからこそめぐりあう宇宙人のクオリティは限りなく高い。「グレアム、クライヴと同じ重さを観客に感じさせたい」と語るグレッグ・モットローラ監督の言葉通り、GCを感じさせない重量感のある宇宙人との遭遇が実現。宇宙人ポールを演じるのは声も動作もセス・ローゲンが担当。姿は見えないけれど、セスの名優ぶりにも注目を。最後にこの映画の中にあるのは単に宇宙人に出会うことだけではない。宇宙人に出会うキリスト教原理主義者のルースとの出会いは価値観の会わない他者と、どう向き合うかを問いかける。今や宇宙人だけではなく、自分の受け入れがたい他者がたくさんある。そんな存在と向き合い、その存在と共存できるのか?ポールとルースとの価値観を超えた関係性を見ながら、宇宙人に会ったら「私だったらこんな風にするな」と最後に少しだけ想像出来たらたっぷりこの作品を楽しめる。


▼『宇宙人ポール』作品・上映情報
2010年/米=英/ 104分
原題:PAUL
監督:グレッグ・モットーラ
脚本:サイモン・ペッグ&ニック・フロスト
プロデューサー:ニラ・パーク/ティム・ビーヴァン/ エリック・フェルナー
出演:サイモン・ペッグ、ニック・フロスト、ジェイソン・ベイトマン、クリステン・ウィグ、ビル・ヘイダー、ブライス・ダナー、ジョー・ロー・トルグリオ、ジョン・キャロル・リンチ、シガーニー・ウィーヴァー、セス・ローゲン
ユニバーサル映画作品/配給協力:アステア+パルコ
『宇宙人ポール』公式サイト
※12月23日(祝・金)全国ロードショー!
(C)2010 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED

文:白玉

  • 2011年12月29日更新

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