第5回 聖なる夜の上映会 音楽と体感するサイレント映画 『東への道』―リリアン・ギッシュの名演を、荘厳な礼拝堂で味わう一夜。

  • 2011年12月08日更新

 今年で5回目となる「聖なる夜の上映会」が、2011年12月10日(土)、東京の本郷中央教会で開催される。サイレント映画(無声映画)を、音楽の生演奏と共に上映するイベントである。今回の上映作は、『東への道』。「アメリカの映画の父」とも呼ばれるD.W.グリフィス監督が、彼のミューズのひとりリリアン・ギッシュを主演に撮った、1922年の作品だ。

『東への道』
WAY DAWN EAST

アメリカ/1922年/白黒/108分
監督:D.W.グリフィス
出演:リリアン・ギッシュ リチャード・バーセルメス
メリー・ヘイ ノーマ・シアラー
凍傷になっても演じ続けたリリアン・ギッシュ。

 リリアン・ギッシュと聞くと、ベティ・デイヴィスと共演した遺作『八月の鯨』(1987年)の老婆役を思いだすかたも多いだろうが、彼女がアメリカの映画界にデビューしたのは1910年代。サイレント期のアメリカを代表する大女優でもある。『東への道』は、ギッシュ演じる美しくてひたむきなアンナが、遊び人の男に騙されて妊娠させられ、挙句の果てに捨てられて……、という物語。極寒の冬、居場所のなくなったアンナは、猛吹雪の中をさまよう。可憐なギッシュが凍傷になりながらも体当たりで演じ続けたアンナの姿に、涙腺を決壊させられると同時に、「信念」とはなにかを教えてもらえることだろう。東日本大震災が起こった今年、「復興の歩みを続ける被災地へ思いを寄せる一夜に」という主催側の想いから、「勇気をもらえる映画」として、『東への道』が上映作に選ばれた。

会場の本郷中央教会は、「日本で初めて日本映画が上映された場所」。

 サイレント映画は、「交わされているはずの会話」や「登場人物の心の内側」を、ストーリー性のある映像と役者の表情を観ながら考えるのが楽しいもの。そんな「想像力を駆使する喜び」を活性化してくれるのが、上映時の生演奏である。今回の上映では、サイレント映画ピアニストの第一人者・柳下美恵さんと、フルート奏者の菊池香苗さんが、『東への道』をドラマティックに彩る。柳下さんが演奏するピアノは、会場の本郷中央教会が関東大震災後に購入してから大切に保存しているスタインウェイの名器。また、この教会は「日本で初めて日本映画を上映した場所」でもあるので、映画ファンには「会場そのもの」も見逃せない。

▼第5回 聖なる夜の上映会 音楽と体感するサイレント映画 『東への道』
日時 2011年12月10日(土) 17:00開場 18:00開演
会場 本郷中央教会 2階 礼拝堂 地図はこちら
会費 2,000円(当日券のみ)
定員 150人
上映作 『東への道』
演奏 柳下美恵(ピアノ、シンセサイザー) 菊池香苗(フルート)
詳細 柳下美恵さん公式サイト
※開場から開演までの1時間、カフェとギャラリーが開店致します。珈琲やホット・ワイン、手作りのケーキを味わいながら、リリアン・ギッシュのコレクション展示をお楽しみください。

文:香ん乃


  • 2011年12月08日更新

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