第12回 東京フィルメックス ラインアップ発表会見―今年のフィルメックスの予習は、これで完璧!~特集上映編

  • 2011年10月09日更新

2011年11月19日(土)~27日(日)に、東京の有楽町朝日ホールをメイン会場に開催される、第12回 東京フィルメックス。9月15日(木)に映画美学校にておこなわれた記者会見をもとに、この映画祭の徹底予習として、3記事に渡ってラインアップをご紹介しています。

第1弾の「コンペティション編」第2弾の「特別招待作品編」に続く第3弾の今回は、「特集上映編」。映画ファンのつぼを心得た東京フィルメックスだからこそ組める、「こういう企画が観たかったんだ!」と唸るしかない3つの特集上映を、市山尚三プログラム・ディレクター(↑の写真、右)の解説を引用させていただきながら、ご紹介致します。

《特集上映》―ニコラス・レイ監督、川島雄三監督、相米慎二監督の世界を堪能。

特集上映『ニコラス・レイ生誕百年記念上映』

『ウィ・キャント・ゴー・ホーム・アゲイン』
We Can’t Go Home Again

アメリカ/1973-2011年/93分
監督:ニコラス・レイ
コピーライト: (c) 2011 by Charlie Levi.

「『レイ監督の意に最も沿ったバージョン』を忠実にデジタル復元した、幻の作品」

市山尚三プログラム・ディレクター(以下、市山) 『大砂塵』や『理由なき反抗』等がハリウッドで大ヒットしたニコラス・レイ監督は、1911年生まれ。生誕100年の今年を記念して、『ウィ・キャント・ゴー・ホーム・アゲイン』と『あまり期待するな』の2本を上映する。
『ウィ・キャント・ゴー・ホーム・アゲイン』は、映画の授業の講師をしていたレイ監督が教え子たちと制作した学生映画がもとである。オリジナルは1973年のカンヌ国際映画祭で上映されたが、ほとんど話題にならなかった。その後、レイ監督が自ら追加・編集を施した。そうして完成した「レイ監督の意に最も沿ったバージョン」を忠実にデジタル復元したものを、今回は上映する。復元作業をおこなったのは、レイ監督の夫人、スーザン・レイさん。本作は「幻の映画」と言われていて長らく観られずにいたが、今年のヴェネチア国際映画祭でワールド・プレミアを迎えた。
とてもアヴァンギャルドで実験的な作品である。ハリウッドで有名スターを使った大作を手がけてきたレイ監督が、このような実験映画を撮っていたという事実に驚かされる。

『あまり期待するな』
Don’t Expect Too Much

アメリカ/2011年/70分
監督:スーザン・レイ

市山 レイ監督の妻で、ニコラス・レイ財団代表のスーザン・レイ監督によるドキュメンタリー。『ウィ・キャント・ゴー・ホーム・アゲイン』のメイキングであると同時に、ジム・ジャームッシュ監督やビクトル・エリセ監督等の発言から、ニコラス・レイ監督の作家性を知ることのできる作品である。スーザン・レイ監督は、本年の東京フィルメックスで審査員を務める。

特集上映『限定!川島パラダイス♪』

「川島雄三監督の1950年代の作品から、『とんかつ大将』、『昨日と明日の間』、『愛のお荷物』、『洲崎パラダイス 赤信号』の4本をセレクト」

『昨日と明日の間』
Between Yesterday and Tomorrow

日本/1954年/120分
コピーライト:(C)1954 松竹
出演:鶴田浩二 月丘夢路 淡島千景 進藤英太郎 菅佐原英一 御園裕子 大木実 片山明彦

市山 この特集上映を組んだ目的のひとつは、川島雄三監督の功績を外国のかたがたにも知っていただくこと。多大な功績のある監督でありながら、外国での認知が低いので、この企画をきっかけに、川島監督の魅力が海外にも広まると嬉しい。
代表作の『幕末太陽傳』以前の1950年代の作品から、『とんかつ大将』、『昨日と明日の間』、『愛のお荷物』、『洲崎パラダイス 赤信号』の4本をセレクト。いずれも、すべてニュープリントの英語字幕付きで上映する。中でも、『昨日と明日の間』は上映の機会が少ないので、日本の観客のみなさまにもぜひ楽しんでいただきたい。

「木下惠介監督の『お嬢さん乾杯』を、英語字幕付きのニュープリントで上映」

『お嬢さん乾杯』
Here’s to the Young Lady

日本/1949年/89分
監督:木下惠介
コピーライト:(C)1949 松竹
出演:佐野周二 原節子 佐田啓二 坂本武 村瀬幸子 永田靖 東山千栄子 森川まさみ

市山 来年が生誕100年にあたる木下惠介監督のプレ・イベントとして、『お嬢さん乾杯』を上映。これまで英語字幕付きの版が存在しなかったこともあり、上映の機会が少なかった作品である。今回は、英語字幕を付けたニュープリントで上映する。木下監督の通常のイメージとはまったく異なるタイプの傑作を楽しんでいただきたい。

特集上映『相米慎二のすべて -1980-2001全作品上映-』

「デビュー作の『翔んだカップル』から、遺作の『風花』まで。相米慎二監督の全13作品を一挙上映する、非常に珍しい機会」

上映作一覧
『翔んだカップル』
『セーラー服と機関銃』
『ションベン・ライダー』
『魚影の群れ』
『台風クラブ』
『ラブホテル』
『雪の断章 -情熱-』
『光る女』
『東京上空いらっしゃいませ』
『お引越し』
『夏の庭 The Friends』
『あ、春』
『風花』
※画像は『セーラー服と機関銃』より。 (C)1981 角川映画

「三浦友和さん、永瀬正敏さん、笑福亭鶴瓶さん……、豪華なゲストが秘話を明かすトーク・イベントは必聴」

市山 2011年の今年は、相米慎二監督の没後10年にあたる。全13作品を一挙に上映する、非常に珍しい機会。毎回、上映の終了後に、ゲストをお呼びしたトーク・イベントを開催する。素晴らしいゲストのかたがたが、これまで知られることのなかった、とっておきのエピソードを明かしてくださる。
※画像は『東京上空いらっしゃいませ』より。 (C)1990 松竹

トーク・イベント一覧
●11月20日(日) 『台風クラブ』 三浦友和さん
●11月22日(火) 『ションベン・ライダー』 永瀬正敏さん
●11月22日(火) 『ラブホテル』 寺田農さん
●11月23日(水・祝) 『あ、春』 山崎努さん
●11月24日(木) 『光る女』 武藤敬司さん・三枝成彰さん
●11月25日(金) 『東京上空いらっしゃいませ』 笑福亭鶴瓶さん

※いずれも上映終了後に開催で、ゲストはすべて予定です。イベントは追加される予定。詳細は公式サイトをご参照ください。

3記事に渡って、第12回 東京フィルメックスの徹底予習をお届け致しました。開催期間中、ミニシアは各種トーク・イベント、舞台挨拶、ティーチ・イン等を取材致します。リポートを、どうぞお楽しみに。

▼第12回 東京フィルメックス
期間 2011年11月19日(土)~27日(日)
会場 有楽町朝日ホール 他
主催 特定非営利活動法人東京フィルメックス実行委員会
「第12回 東京フィルメックス」公式サイト
※特集上映には、会場が異なるものもございます。詳細は上記の公式サイトをご参照ください。

取材・編集・文:香ん乃 記者会見スチール撮影:荒木理臣

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映画の達人-映画プロデューサー市山尚三さん


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