『死ね死ねシネマ』-原点に向き合うプロの映画監督の痛くて生々しい「究極の一本」

  • 2011年07月23日更新

映画学校の試写会で学生の作品を「映画ですらない」と酷評する講師シマザキ。反対に観客から「お前のトウニョウジマよりはマシ」と野次をとばされ、発狂したシマザキは会場内の観客42人を虐殺し逮捕される。それから4年後、シマザキ作品のファンだった生徒、なつきは究極のホラー映画を撮影するために廃墟となった学校にもぐりこむ。『東京島』の篠崎誠監督が映画美学校の卒業制作として撮影をした短編作品を大幅に修正。 “映画”に真正面に向き合い、とり憑かれた人々を生々しく描く。プチョン国際ファンタスティック映画祭招待作品。7月23日よりオーディトリウム渋谷にて公開。

人を変えてしまう映画。究極の一本を撮る覚悟を持って映画を撮る
映画学校の卒業制作上映会。映画監督で講師のシマザキの講評は「こんな作品は映画ですらない」と手厳しい。その言葉を聞いた観客から反対に「おまえのトウニョウジマよりはマシ」との野次が飛ぶ。痛烈な批判に自信を失い怯えるシマザキに追い討ちをかけるようにシマザキのファンだという女子学生、なつきからの言葉が突き刺さる。「覚悟がないのなら映画など撮るべきではない」。ついに発狂したシマザキは観客を次々と虐殺し、逮捕される。4年後、シマザキを追い詰めた女子学生が虐殺のあった学校で究極のホラー映画を撮影しようと試みるが、なつきの映画への強い思いは周囲を巻き込み、映画自身にその痛みを刻みつけていく。

映画の原点に真正面から向き合うプロ映像作家の痛くて生々しい「究極の一本」
本作の原型になるのは映画美学校の授業の一環で制作された30分の短編映画。この作品を不気味なまでに成長させたのは篠崎誠監督の狂気とも言える映画へのとめられない思いだ。虐殺の引き金となる、主人公なつきのセリフ「覚悟がなければ映画など取るべきではない」といういかにも学生映画らしい正論を受けて、プロの映像作家のやり場のない映画への気持ちをどう表現するか?商業映画だから自主映画だからといった垣根を越えて「映画を撮る」行為が妥協なく生々しく描かれる。

 

強烈なプロットに惹かれ映画ファン、映画関係者が集結。虐殺シーンが出来るまで。
撮影前、エキストラ募集に書かれていたのはこんなプロット-映画学校の試写会で、学生の作品を講師が酷評。しかし、客席から「お前の映画よりよほどマシ」と野次が飛び、逆上した講師が大暴れ。場内がパニックに- この強烈なプロットに惹きつけられ劇場を埋め尽くすエキストラが集結。低予算でありながら映画ファン、映画製作者によって作り上げられた圧巻の虐殺シーンは見どころの一つ。

 

 

▼『死ね死ねシネマ』作品・上映情報
2011年/72分
 英題:DIE, DIRECTORS, DIE!
製作・監督・脚本:篠崎誠
助監督:宮崎圭祐、杵築啓祐、原健一
音楽:長嶌寛幸
撮影:秋山由樹、染谷有輝、植村将之
録音:飯野洋平、久保紫苑
出演:森京子、鈴木あけみ、藤井義浩、工藤トシキ、福井瑠香、金子裕昌
製作協力:映画美学校
配給:コムテッグ
(c)篠崎誠 映画美学校

文:白玉


  • 2011年07月23日更新

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