フレデリック・バックの映画-宮崎駿監督、高畑勲監督に影響を与えるアニメーション作品

  • 2011年07月10日更新

宮崎駿監督、高畑勲監督はじめ、世界のアニメーション作家に影響を与えるカナダのアニメーション作家フレデリック・バックさん。神保町シアターでは、東京都現代美術館『フレデリック・バック展』開催中にフレデリック・バックさんの短編アニメーション4本を上映。高畑勲監督監修による新字幕・ニュープリントでお届けします。上映作の一つ『木を植えた男』は人物が行動すればその周りに空間が立ち現れるユニークな表現スタイル。高畑監督に「私はフレデリック・バックさんを、わが師、とあがめている」と言わしめたその作風をぜひ劇場で。神保町シアター劇場招待券を5組10名様にプレゼント(7/29まで有効モーニングショーも使用可/応募は締め切りました)© Société Radio-Canada 


自然と人間を描くフレデリック・バック制作の4作品
『木を植えた男』(1987年 / 30分)
フランスの小説家、ジャン・ジオノの原作のアニメーション映画化。羊飼いのエルゼアール・ブッフィエは植物の育たない荒地に選びぬいたドングリを一日100個埋めている。羊飼いの日々の小さな行動は広大な土地に影響を与えるようなものではなかったがそれでも羊飼いは地道にドングリを植え続ける。やがて長い歳月を経て荒地に変化が起き始める。バックさんが5年半をかけて2万枚の作画作業をほぼ一人でこなすことによって生れた代表作。羊飼いとバックさんの地道な作業が重なる作品© Société Radio-Canada 


『クラック!』(1981年 / 15分)
フレデリック・バックの長女、スーゼルのアイデアをもとに作られた一脚のロッキングチェアの物語。伝統的な習慣にのっとって自然と共に生活をする人々から次第に文明化をしていく人々の姿を椅子の視点から描いていく。『木を植えた男』と共にアカデミー賞短編アニメーション部門受賞作品© Société Radio-Canada 

その他『大いなる河の流れ』『トゥ・リアン』の2作品も同時上映。


ジブリの作家が影響を受けた『木を植えた男』。そのテーマとユニークな表現方法
スタジオジブリの高畑勲監督、宮崎駿監督が敬愛し共鳴するのはフレデリック・バックさんのテーマと作風。カナダの農園で自然と寄り添いながら生きるバックさんにとって「自然との共存」はごく当たり前で、大きなテーマ。種を埋め、芽が出て、葉を茂らせ、根を張る。ごくシンプルな自然の営みがストーリーの中に盛り込まれている。自然と共存することでもたらされる豊かさを語る語り口はどこまでも優しい。テーマと共に『木を植えた男』はユニークな作風で高畑勲監督に勇気を与えてくれた作品とされている。人物が行動すればその周りに空間が立ち現れるユニークな表現スタイルに影響を受けた高畑勲監督は「ホーホケキョ となりの山田くん」の制作にあたりバックさんの作品を参考にしているのだそうだ。© Société Radio-Canada 

同時開催
フレデリック・バック展 7.2(土)-10.2(日) 東京都現代美術館
フレデリックバック展公式サイト


▼『フレデリック・バックの映画』作品・公開情報
『木を植えた男』1987年/カナダ/30分
原題:L’Homme qui Plantait des Arbres
監督・脚本・原画:フレデリック・バック
『大いなる河の流れ』1993年/24分
原題:Le Fleuve aux Grandes Eaux
『クラック!』1981年/15分
原題:CRAC!
トゥ・リアン1978年/11分
原題:Tout-Rien
© Société Radio-Canada 

●『フレデリック・バックの映画』公式サイト
※7月2日(土)より神保町シアターにてロードショー

文:白玉

  • 2011年07月10日更新

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