『あぜ道のダンディ』初日舞台挨拶―光石研さんのシブさとユーモアが満載

  • 2011年06月25日更新

不器用な五十路の親父達が、精一杯子供とコミュニケーションをとろうとする姿を描く、平成ニッポンの中高年おじさん賛歌『あぜ道のダンディ』。2011年6月18日(土)、テアトル新宿にて公開初日舞台挨拶が行われ、石井裕也監督、出演者の、森岡龍さん、吉永淳さん、そして、33年ぶりの主演作となる光石研さんが駆けつけました。←の写真、左から、石井監督、光石さん、森岡さん、吉永さんです。

2010年に『川の底からこんにちは』が大ヒットを飛ばした、若干27歳の石井監督、期待の第2作目。「父の日」前日でもあったこの日は「ダンディ川柳」の発表という粋な企画もあり、光石さんや石井監督のトークもユーモア満載。会場は温かな笑いに包まれました。光石さんファン必見のロングレポート!

―  この33年間、何度も舞台挨拶に立たれていると思いますが、33年振りの主役の舞台挨拶はいかがでしょうか。

光石研さん(以下、光石) 33年振りの主役の光石研です。今日は朝早くも…ないですけど(笑)、お休みの所皆さん来ていただきありがとうございます。

森岡龍さん(以下、森岡) やっと皆さんにお見せすることができて嬉しく思います。

吉永淳さん(以下、吉永) 今日は会場に父が来てます(笑)。知らなかったので、びっくりしてるんですけど…。私にとって『あぜ道のダンディ』が特別なように、私の父にとって、日本全国のお父さんにとって、この映画が素敵な1作となるように願っております。

「この映画は光石さんあっての映画であり、光石さんのための映画でもあり、僕の一番の責任は、光石研さんを主演俳優として輝かせるという1点のみ」(石井監督)

石井裕也監督(以下、石井) 光石研ファンの皆様、お待たせしました! 33年振り!(盛大な拍手につつまれ盛り上がる会場)この映画は光石さんあっての映画であり、光石さんのための映画でもあり、本作における僕の一番の責任は、光石研さんを主演俳優として輝かせるという、その1点のみだと思っています。

―  「ダンディ川柳」を発表させていただきます。ご応募いただいた作品の中から、石井裕也監督と落語家の立川志の輔師匠に10編選んでいただいた中から代表して1作ずつご紹介します。

「教室の 外からのぞく 参観日」(石井裕也監督選)

― こちらをお選びいただきました、その心は?

石井 ドラマチックだなと思って。きっと(教室の)中に入れない理由があるんですよね(笑)。あえて入ろうとせずに、でも陰ながら一人外で見てるというのがすごくいじらしくていいなあと思って選びました。

「父さんは 負けてばかりの 武勇伝」(立川志の輔さん選)

― 光石さん、いかがですか、師匠の選ばれた川柳は。

光石 えっ、ええー・・・良いと思います(笑)(うろたえる光石さんに会場から笑いが漏れる)

― 本日の登壇者の皆さんに一編ずつ作っていただいたので、お読みいただきます。

石井 発表の前に。10句くらい考えたんですけど、川柳って真面目にやっちゃうとすごくつまんないですよね。すごく軽量なセンスが必要っていうか、五七五と文字数も少ないですし。だから軽い気持ちで聞いていただければ…。(一同爆笑)

石井監督作「ちゃぶ台を ひっくり返して 叱られる」

石井 説明はないですよ。説明が要るようならダンディ川柳じゃないんで(笑)。ちゃんと叱られて最後のところまでいくっていう…説明しちゃいましたね。(会場爆笑)平成日本版ダンディズムです。

森岡龍さん作「ご飯先? お風呂先? いや 家族先」

(「おおー!」と会場から感心の声)

森岡 川柳を作ることになった時に、光石さんから「俺は全然考えてないから。子供っぽいやつにしてくれよ」ってメールがあったんです(笑)。

吉永淳さん作「あーまあね その距離感が ベストじゃない」

吉永 撮影期間中に光石さんとの空き時間があったんですけど、ぎこちない感じが残りつつも、それが心地良いような感じがあって、その時を思い描いて作りました。

光石 僕も7つくらい出したんですけど、どれが選ばれたんですか?

森岡 7つも考えてるじゃないですか!(森岡さんのツッコミに、会場爆笑)

光石研さん作「先寝るぞ 廊下に響く ひとりごと」

光石 かなり(主人公の)宮田の気持ちになって考えました。

―  ここで、一人にはお知らせしてないサプライズがあります。ある方からメッセージをいただきました。

《堀ちえみさんからのメッセージ映像》
光石さんとは丁度28年前に「スチュワーデス物語」というドラマで共演をさせて頂きました。当時、(私が演じた)松本千秋は、光石さん演じるサブちゃん(魚屋・江原三郎)を本当に振り回し続けていたと思います。だからサブちゃんが、たまに切なくみえて胸がキュンって痛んでいたのを昨日のように懐かしく思います。33年振りに『あぜ道のダンディ』で主演されたということで、公開を楽しみにしております。

光石 本当にありがたいことです。あれ以来お会いしたことないんですけど(笑)。ドキドキしました。今度お会いしたらきちんとご挨拶したいと思います。(会場爆笑)

―  皆さんに愛されている光石さんですが、石井監督からどうしても見ていただきたいところを教えてください。

「“地味”は“シブい”ということです」(石井監督)

石井 光石さんを始めとする全員の仕草、地味さじゃなくて仕草を見ていただきたい。“地味”は“シブい”ということです。静かな映画ですが、そのあたりをじっくり見ていただきたいなと思います。

― 最後に、出演者の皆様から一言ずつお願いします。

森岡 何にも考えずに見たら楽しい映画なんで、楽しんでいただければと思います。

吉永 現場でも光石さんファンがどんどん広がっていっていたので、この映画を通して、この会場の方だけでなく、日本全国の方が光石さんファンになって下さったら、光石さんファンの一人として嬉しいです。

光石 海外には中年オヤジの映画は沢山あるんですけど、日本ではまだまだ少ないので、これからどんどん増えていくと嬉しいなと思っています。監督、スタッフ始め皆寝ずに頑張った映画なんで、一人でも多くの人に観ていただければと思います。
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▼『あぜ道のダンディ』作品・公開情報
2011年/日本/110分
監督・脚本:石井裕也
出演:光石 研 森岡 龍 吉永 淳 西田尚美 / 田口トモロヲ
山本ひかる 染谷将太 綾野 剛 蛍雪次朗 藤原竜也(友情出演) 岩松 了
主題歌:清 竜人『ホモ・サピエンスはうたを歌う』(EMIミュージック・ジャパン)
配給:ビターズ・エンド
コピーライト:(C)2011『あぜ道のダンディ』製作委員会
『あぜ道のダンディ』公式サイト
※2011年6月18日(土)より、テアトル新宿、ユナイテッド・シネマ前橋、シネマテークたかさき ほか全国順次ロードショー。

取材・編集・文:しのぶ スチール撮影:柴崎朋美

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