『婚前特急』初日舞台挨拶-おばあちゃんごめんなさい。三人増えちゃいました。

  • 2011年04月07日更新

つきあっている5人の恋人を査定して、“ほんとうの相手”を探していく小悪魔チエを描く『婚前特急』。4月2日にテアトル新宿にて、公開初日舞台挨拶が行われた。前田監督は、昨年までテアトル新宿でアルバイトをしていたという経歴の持ち主。記念すべき商業映画第一作目の舞台挨拶を思い出深いテアトル新宿できることに深く感謝し、震災の影響の中、少しでも楽しんでもらえる作品になることを願うイベントとなった。今回は撮影裏話を中心にロングレポートを掲載。

おばあちゃんから「今度はまた、3人も増えとるやないかー」といわれました(吉高さん)
– 皆様からご挨拶をお願いします
吉高由里子(以下吉高):本日はこういった状況の中お越しくださいましてありがとうございます。緊張しますね。面白かったですか?(場内より拍手)優しいお客様達で本当に良かったです。主役と言いましても監督はじめ、浜野さんや加瀬さんに助けられての作品になったもんでね。今日、おばあちゃんとお父さんが来ているんです。おばあちゃんが最初この話を聞いた時に『蛇にピアス』っていう映画があったので「今度はまた、3人も増えとるやないかー」って(会場笑い)。残念ながら、そういった描写はなかったんですけれど。良かったね、おばあちゃん。今日は楽しんでいってください。

加瀬亮(以下加瀬):加瀬亮です。今日は初日からたくさんの方に来ていただき、本当に感謝しています。僕は前田監督とは初めてだったんですけれども、経歴を見させていただいたら、自主作品で小さな作品をたくさんたくさん積み上げて長い道のりを歩いてきて、ようやく商業映画に辿りついているということに心を打たれて。台本もすごく面白くて、一緒にやりたいなと思って参加させていただきました。

去年までここでアルバイトをしていまして、こういう形で戻ってくるのがとってもうれしいです。(前田監督)
浜野謙太(以下浜野):タナシタクミ役を演じました、浜野謙太です。今日お越しくださいましてありがとうございます。SAKEROCKというバンドでミュージシャンをやっていて、映画に出るという事はなかったのですけれど、前田監督から、そういえば五年前に見たライブで面白い奴がいたなということでご指名が来て、天から降ってきたような配役をいただきました。今日はどうもありがとうございます。

前田弘二監督(以下前田):監督をしました、前田弘二といいます。よろしくお願いします。本日はお越しくださいましてありがとうございます。脚本は四年前に書いたんですけれど、なかなかうまくいかなくて、今回実現することができまして、これ以上ないスタッフと最高のキャストに出ていただきまして、僕が思っていた以上の作品になりました。今考えると今まで撮らなくてよかったって思っているくらいです。それから自身の話なんですけれど、去年までここでアルバイトをしていまして、こういう形で戻ってくるのがとってもうれしいです。

– 去年まで8年間、テアトル新宿で切符を切ったり、チラシ渡したりそういうことをしてらっしゃったんですね。もしかしたらテアトル新宿のファンの方は会っているかもしれないですけれどね。その間に映画作りの勉強をされていたんですか?
前田:もう独学です。好きなものやろうと思って。この劇場でやりたかったので、かなってうれしいです。

いじめといいますか、もはや無視されてました。演出ということなんですが… (吉高さん)
僕のほうがしかけたのにしかけられた感じがうれしいです。 (前田監督)

– 協力いただいたインタビューで印象に残っているのが、「監督にいじめられた」かわいそうな現場だったということなんですが。
吉高:いじめといいますか、もはや無視されてました。演出ということなんですが、私は演出と気づかず、監督はずっと私のことが嫌いだと思いながらやっていまして、二人(加瀬さんと浜野さん)としゃべっている時はニコニコするんですけれど、私が近寄った瞬間、笑顔が消えて、さみしい思いにかられました。私は(感情の)起伏が激しい役なので、いつもイライラしている感情でいて欲しかったらしいんです、カットかかっても。それをクランクアップして打ち上げで実はこうだったんだよと言われた瞬間、「ああ~」(監督を抱きしめる格好)ってなりましたね。私の態度もひどかったと思います。すいません。

– でも、負けずに全てクリアされて吉高さんの新たな顔が生まれましたね。
前田:つらい思いをさせてしまいました。チエが失敗してどんどんカラ回りしていく役ですので、常にイライラを維持して、切迫感を出したいなと思って。チエってご覧になったら分かると思いますけれども、一歩間違えると嫌な女の子になりかねないキャラクターなんですけれど、それを可愛く、魅力的に演じてくださいました。僕のほうがしかけたのにしかけられた感じがうれしいです。

目の前にいる吉高さんや、浜野さんとただしゃべるような感覚で画面の中にいました。 (加瀬さん)
– 五人いる男子の一人ということで、今回のらりくらり演じられたいうこと。ご自身と西尾と言うキャラクターは遠い存在ですか?それとも近い役どころでしたか。
加瀬:そうですね、近いと思います。吉高さんとの関係はそんな感じかなと。しゃべりかけられても、話半分に聞いているみたいな。そういうところはあるかもしれません。作りこんだとかいうことは記憶にないですし、目の前にいる吉高さんや、浜野さんとただしゃべるような感覚で画面の中にいたような気がします。

– 男として、加瀬さんは五人の中でどのタイプに憧れますか?
加瀬:浜野君が演じたキャラクターみたいのが自由そうでいいと思います。

– 浜野さんはご自身と役柄がリンクする部分はありますか?
浜野:そんなにないですね。ちょっと僕も憧れるっていうか、こんな風に見られていたらいいなというのがあるんですけれど。あんなおいしくないし。

– 吉高さん、もしご自身がチエだったら、どなたを選ばれますか?
吉高:チエはダメですし、男達もダメですよ。ダメはダメとくっつくんです。(本当の)浜野さんも加瀬さんも素敵でしたよ。

吉高由里子は現場を支配するんですよ。主演って言うこと以上に。 (浜野さん)
―今お話されている吉高さんはクールですけれど、作品の中では(テンションが)高いです。(テンションを)キープするのにエネルギーを使うものですか?
吉高:すっごい疲れてましたね。やたら食べてました。監督のしごきもすごくて。本当に妥協しないんですよ。100%で返さなきゃ、全然響いてくれなくて、くじけそうになった時も(監督は)慰めるってことは一切なかったですね、静かに遠くから見てたんだろうなっていうような感じはしましたけれど。一度私が現場を止めてしまって、泣いてしまった事があったんですけれど、そういった時に相棒(浜野さん)は助け舟出してくれるのかなと思っていたら、ファーっとセットから出ちゃって。

―浜野さん、それはなぜですか?
浜野:吉高由里子は現場を支配するんですよ。主演って言うこと以上に。すごい雰囲気を持っていて、それに飲み込まれたら、成立しなくなっちゃうなと。ちょっとウォークマン聴いていました。あ、ウォークマンじゃなくてipodですけど。

―なに聴いてらしたんですか?SAKEROCKですか?
浜野:EGO-WRAPPIN’です。

箸やすめ的な存在でいいのでほっこり笑えるような映画でいたい。(吉高さん)
 ―最後に皆様から一言ずつお願いします。
吉高:二年前、加瀬さんと一緒だった時は笑ってしまうから、視界に入らないでくれと言われていました。二年経った今、ようやく(視界に)入ることができました。なにがいいたいのか・・・。(会場から笑い)監督が大事に大事に温めて作った映画が昨日から皆さんにいったわけですが、こういう時期だからこそ、箸やすめ的な存在でいいので、ちょっとほっこり笑えるような映画でいたいなと思っています。ふらっと来てください。ありがとうございました。

加瀬:こういう状況の中、この時間がどういう時間になるのか複雑だったんですけれども、今日見終わって拍手をたくさんいただいて、すごく安心しました。今日は本当にありがとうございました。

浜野:この状況の中、集まっていただき僕も安心しました。この映画はダメな人ばっかりが出て、だめな人達が肯定されて、かわいく映っています。吉高さんもおしゃっていたけれど、みんながんばっちゃうと思うんで、箸やすめ的に、気楽に見られる映画としてぜひ楽しんで欲しいと思います。今日はどうもありがとうございます。

前田:まだ実感なかったんですけれど、ここを舞台として、拍手をいただけて、皆様から元気をいただきました。(この映画を見て)楽しい気持ちになってその気持ちを持ち帰ってもらえたらと思います。本日は本当にありがとうございました。

恒例靴チェック!
吉高さんは黒のミュールにピンクのネイルで華やかに。加瀬さんは大人スタイリッシュ。 

吉高由里子さん  加瀬亮さん  浜野謙太さん 
     

※4月1日(金)より、テアトル新宿ヒューマントラストシネマ渋谷他全国ロードショー!

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取材・編集・文:白玉 スチール撮影:柴崎朋美

  • 2011年04月07日更新

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