『婚前特急』-自己中心、上から目線!それでも憎めない悪女の恋人査定。

  • 2011年04月01日更新

仕事も出来て、プライベートも充実している24歳のOLチエ。5人の恋人のメリットを最大限に活かして色々な経験を楽しんでいる。そんな中、親友のトシコが結婚!幸せそうな親友トシコに影響を受け、チエは5人の中から“ほんとうの相手”を絞り込むべく、恋人たちの査定をし始める。一番メリットの少ない恋人に別れを切り出したものの帰って来た答えは意外なものだった。4月1日(金)より、テアトル新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷他全国ロードショー!

 

恋人は五人!査定の低い人から分かれていけば“ほんとうの相手”を探し出せる
チエは営業の仕事をバリバリこなし、プラベートを満喫する24歳。それもそのはず、チエのつきあっている恋人は5人。違う職業、異なる年齢、様々な利点をもっている。愚痴を聞きつつも的確なアドバイスをくれる人、研修と称して海外旅行に連れて行ってくれる人、時間に融通がついて気が向い た時に遊んでくれる人、かわいい年下、そして楽な人。「人生、限られた時間を有効に使わなきゃ。いろんな人と、いろんな体験をしたほうが絶対トク!」それぞれのいいところを切り取って自分の人生に活用するというチエ。そんな時、親友のトシコが結婚する。結婚など考えられないチエ だが、トシコからの提案で、5人を査定して消去法で“ほんとうの相手”を探し始めることになる。いとも簡単に最初の相手は決まった。ほとんどいいところが見あたらなかったパン工場の工員タナシ。遠慮がちに別れを切りだすチエにタナシの答えは「俺達つきあってないじゃ ん」という衝撃の捨てゼリフ。納得がいかないチエ。なんだか私が振られたみたいになっているじゃない。上から目線でこの恋を終わらせたいチエは、自分を惚れさせてから再度振るという作戦を実行すべく、タナシを理解するため、彼を尾行する。脱線を始めるチエの恋人査定。”ほんとうの相手”は見つかるのだろうか?


上から目線、自己中心的。それでも悪女になりきれない愛すべきコメディエンヌ
仕事ができて、美人でスタイルも良いチエは当然モテる。演技や小細工なんてしなくったって男はみんな寄ってきて夢中になってくれる。恋人たちそれぞれのいいところをちょっとずつ楽しんでなにが悪いというチエの言葉は自信にあふれて、ゆるぎがない。そんなチエが衝撃を受けたのは”しょうがなく”付き合ってあげていたダメ男タナシの言葉。「俺達つきあってないじゃん」。その一言で、今までの女王様ポジションが一気に下僕へと急降下。選ばれて当然、幸せにしてもらって当然の自信がなくなった瞬間のチエのとまどいの姿は悪女なんかじゃなくて、痛みを感じながら恋人たちにぶつかっていく、もろい愛すべきキャラクターだ。前田弘二監督が作りだす常識にとらわれないストーリー展開と生々しいセリフがこの悪女ををより魅力的なものしていく。低温なイメージの吉高由里子がはじけて自身をさらけ出す様をじっくりご堪能あれ。




▼『婚前特急』作品・公開情報
(2011年/カラー/107分/日本映画)
監督:前田弘二
脚本:髙田 亮、前田弘二
出演者:吉高由里子、加瀬亮、浜野謙太(SAKEROCK)、杏、石橋杏奈、青木崇高、榎木孝明、吉村卓也
配給:ビターズ・エンド、ショウゲート
©2011『婚前特急』フィルム・パートナーズ
●『婚前特急』公式サイト
※4月1日(金)より、テアトル新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷他全国ロードショー!

文:白玉

  • 2011年04月01日更新

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