『ファンタスティックMr. FOX』-アカデミー受賞俳優たちが野原を駆け回りながら声を収録!

  • 2011年03月23日更新

THE FANTASTIC MR. FOXアニメでもない、CGでもない、まるで絵本から飛び出てきたような懐かしくも新しい作品が誕生した。本作を手掛けたのは、『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』『ダージリン急行』のウェス・アンダーソン監督。CGや3Dが主流となっている今、独自の世界観を打ち出してきた彼が、あえてパペットを使ったストップモーションに挑んだと知った瞬間、思わずニンマリしてしまった。ちょっぴりシニカルだけどユーモアたっぷりな“アンダーソンワールド”をぜひご堪能あれ。

 

野生のキツネ vs. 人間。Mr. FOXは逃げ切れるのか?THE FANTASTIC MR. FOX

野生のキツネ・Mr.FOX(声:ジョージ・クルーニー)は盗みのプロで、農家からニワトリやアヒルを失敬する毎日。しかし、妻のMrs.FOX(声:メリル・ストリープ)が妊娠したことをキッカケに泥棒稼業から足を洗うことを約束する。数年が経ち、貧乏な穴ぐら生活に飽きたMr.FOXは、周囲の反対をよそに見晴しのいい丘の上の家を購入することに。しかし、そこは悪評高い3人の農場主が住んでいる危険地帯だった。ところが、Mr.FOXは3人の飼育場から獲物を盗むことに熱をあげ、ついに3人の農場主の怒りは絶頂に。“キツネ狩り”に本腰を入れた男たちからはたして無事に逃げ切ることはできるのか?

 

hd210_0010_L1TK1_0191.dngキツネと言っても、洋服を着て、2本足で立って、もちろん言葉を話してと、人間と変わらない登場人物(動物?)たち。Mr.FOXは子供にしつけもするし、記者の仕事もこなすちょっとニヒルなお父さん。でも、食事のときは野生の本性がむき出しになったり、賢いようで間抜けだったりと、愛嬌も笑いどころもたっぷりだ。

また、動物たちのちょっとレトロな動きもたまらない。昨今のCGアニメに見慣れていると、最初はぎこちなさを感じるかもしれないが、観ているうちに、表情豊かな動物たちはもちろん、生き生きと愉快に動きだす背景や家具、小道具など、ストップモーションアニメの独特の動きに魅了されること間違いなしだ。飛び出す絵本がとても豪華になって動き出したような気分になる。

 

豪華すぎる声優、シニカルでユーモアたっぷりのアンダーソンワールド、大人だからこそ楽しめるアニメ作品

FMF-sub4本作は、「チョコレート工場の秘密」などで知られる作家ロアルド・ダールの「すばらしき父さん狐」に惚れ込んだウェス・アンダーソンが映画化したいと願い続けた作品である。風刺が効いたちょっとブラックなストーリーに、アンダーソン監督ならではのユーモアと愛を織り交ぜた大人も楽しめる、むしろ大人だからこそ楽しめる作品となっている。

そして、豪華すぎる声優たちも見逃せない(聞き逃せない)。ジョージ・クルーニー、メリル・ストリープをはじめ、ビル・マーレイ、オーウェン・ウィルソン、ウィレム・デフォーらが集結。さらに驚くことに、ライブ感を引き出したいというアンダーソン監督のこだわりにより、この豪華声優陣たちは劇中の動物たちと同じ状況で声撮りを行ったという。つまり、アカデミー受賞俳優たちがニワトリを追いかけまわしたり、野原を駆け回りながら声を収録したのだ!その光景を思い浮かべてクスっと笑いながらご鑑賞いただきたい。

 

 

FMF-sub3▼『ファンタスティックMr. FOX』
作品・公開情報
米・英合作/2009年/87分
原題:FANTASTIC Mr. FOX
原作:ロアルド・ダール「すばらしき父さん狐」(評論社刊)
監督:ウェス・アンダーソン
声の出演:ジョージ・クルーニー、メリル・ストリープ、ジェイソン・シュワルツマン、ビル・マーレイ、ウィレム・デフォー、オーウェン・ウィルソン、マイケル・ガンボン、エイドリアン・ブロディ
配給:ショウゲート
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●『ファンタスティック Mr. FOX』公式サイト

※3月19日(土)シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー!

文:那須ちづこ

  • 2011年03月23日更新

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