『kocorono』―激烈に衝突しあうからこそ成り立つ人間関係の一例。

  • 2011年02月07日更新

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kocorono [DVD]

※このプレゼントは終了致しました。たくさんのご応募、ありがとうございました。

『kocorono』のDVDが2011年6月15日に発売されました。映画館で見逃したかたはもちろん、劇場でこの作品にがつんとやられたかたも、ぜひDVDでbloodthirsty butchersの生の姿をご堪能ください。

『kocorono』メイン― 日本の音楽界を牽引し続けるロック・バンドの「生」の姿がここにある。

冒頭でいきなり目にはいってくるのは、今にも喧嘩別れしそうな勢いで口論している人たち。しかし、彼らは約「23年間」も同じバンドで音楽活動をしているメンバー同士なのである。

bloodthirsty butchers(以下、ブッチャーズ)は、1987年に北海道の札幌で結成されたロック・バンド。彼らが1996年に発表したアルバム『kocorono』と同じタイトルを冠したこの映画は、ブッチャーズの「生の姿」をありのままに映したドキュメンタリーである。2010年の2月から約9ヶ月間かけてバンドに密着した川口潤監督は、自らカメラをまわして本作を撮影した。

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ブッチャーズのメンバーは、リーダーの吉村秀樹(ヴォーカル/ギター)、射守矢雄(ベース)、小松正宏(ドラム)、田渕ひさ子(ギター)の4人。彼らはたびたび衝突する。音楽活動に対する考えかたの相違で対立するのはもちろん、それぞれが生活においてなにに重きを置くかで意見が食い違うこともある。

『kocorono』サブ-2― バンドのメンバーと監督のあいだに、長年の親交があるからこそ実現しえた映像。

ドキュメンタリーの被写体として撮影されていると、普段と同じ言動はできないのではなかろうか、と考える人も多いだろう。しかし、その心配には及ばない。川口監督とブッチャーズは、本作が企画される数年前より親交があり、監督は以前から、彼らと会うときには当然のようにカメラをまわしていたのだという。つまり、ブッチャーズのメンバーは、カメラを手にした川口監督が傍にいても違和感を覚えないのだ。だからこそ、本作が映しているバンドの姿は「生」なのである。撮影中、メンバーから撮影を止めるように要望されたことは一度もなかった、と川口監督は語る。

『kocorono』サブ-3― 音楽ドキュメンタリーである以前に、たとえるなら「見知らぬ家庭の激烈な内幕」。

「こんなに喧嘩をしてまで、よく長年、一緒に仕事ができるなぁ」 ― 本作を観ながら、そう不可解に感じるかたも多いかもしれない。だが、たとえば家族、たとえば恋人、たとえば親友、いずれも、衝突を避けたら、長期に渡る強固な関係は築けないものである。「特定のバンドを追った音楽ドキュメンタリー」である以前に、本作は「リアルに呼吸をしている人たちの激しい関係性を映した映像」だ。たとえるなら、見ず知らずの家庭の激烈な内幕を、固唾を呑んで見守らせていただくようなものである。

「見知らぬ家庭の激しい内幕」など、日頃はめったに見られないから、素通りするのは損というもの。本作を観終えたあとに、自分が築いている人間関係と比べてみて、ほっとするのも、変化を望んで自身を鼓舞するのも、……思いきり冷や汗をかくのも、また、一興だ。

舞台挨拶《初日舞台挨拶が開催されました!》

2011年2月5日(土)、『kocorono』公開初日を祝して舞台挨拶が開催され、ブッチャーズのメンバーと川口監督がシアターN渋谷に駆けつけました。←の写真、左から、吉村さん、射守矢さん、川口監督、田渕さん、小松さんです。

舞台挨拶がおこなわれたのは、本編の上映後。満員の観客を前にした吉村さんは、「どうまとめるんだろうと思っていましたが、監督がよくまとめてくれました。観た人の前で挨拶するのは、とても恥ずかしいです」と照れくさそうに笑みを浮かべながらも、満足げな様子です。

本編でメンバー同士の意見の対立や反目が赤裸々に描かれていることについて、田渕さんが、「私たちは本当は仲がよいのでお気遣いなく」と語って客席の笑いを誘うと、小松さんが、「完成した映画を、吉村と一緒には絶対に観られないだろうと思いました」と心情を明かしました。

川口監督は、「メンバーからカットして欲しいという要請は一切ありませんでした。苦労ばかりだったので、完成しただけでも嬉しいです。劇場まで来てくださって、本当にありがとうございました」と感謝の意を述べました。

『kocorono』サブ-4▼『kocorono』
作品・公開情報

日本/2010年/116分
監督:川口 潤
出演:bloodthirsty butchers
(吉村秀樹 射守矢雄
小松正宏 田渕ひさ子)
製作:「kocorono」製作委員会
(キングレコード+日本出版販売)
配給:日本出版販売
コピーライト:(C)2010「kocorono」製作委員会
『kocorono』公式サイト
※2011年2月5日(土)よりシアターN渋谷、2月19日(土)より吉祥寺バウスシアター、名古屋シネマテーク他、全国順次ロードショー。

文:香ん乃
改行

  • 2011年02月07日更新

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